第57話 増援の影
尾張の平原での戦いは嵐に翻弄されつつも続く。
七条久貞の盾は民を守るために耐え抜くが、安土幕府はさらなる増援を送り込み、戦局を混迷へと導く。
影に潜む新たな脅威が、七条の覚悟を試す。
夕暮れが尾張の平原を赤く染める。
嵐の余波で視界は悪く、風が戦場を吹き抜ける中、遠方に新たな赤い影が見えた。
安土軍の増援が北から接近し、戦局にさらなる圧力を加える。
「殿、増援部隊です!前線を突破すれば、民が危険に晒されます!」
真澄が叫ぶ。
久貞は短刀を握り、兵たちに冷静な指示を下す。
「右翼に精鋭を送り、増援の接近を抑えろ。
民は安全な場所に退避せよ。盾の列を二重に固めろ!」
増援の赤甲冑は力強く突進し、槍兵と弓兵が戦線を押し広げようとする。
七条兵たちは疲労の中でも盾を掲げ、民を後方から守る。
「我らの盾は民を守るためにある!」
久貞の叫びが戦場に響き、兵たちの士気を奮い立たせる。
戦場の中心で久貞は赤甲冑の安土将と対峙する。
短刀を交わすたびに火花が散り、泥と血が混ざり合う。
側面から迫る増援を押さえつつ、民の背を守る盾を下ろさず立ち続ける。
夜の闇が戦場を覆い、増援の影が不気味に伸びる。
久貞は冷静に判断し、次の一手を兵たちに伝える。
「影を恐れるな。盾は理念と民を守るために存在する。」
焦土と化す平原の中で、七条の盾は揺るがず、民と兵を守り続けていた。
安土幕府の増援は戦局をさらに複雑にするが、七条久貞と兵、民の盾は耐え続ける。
影に潜む脅威を跳ね返す七条の意志は揺るがない。
次回、第58話「平原の深淵」では、増援による圧力が最高潮に達し、戦場に新たな局面が訪れる。




