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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第50話 決戦の予兆

尾張の平原で繰り広げられる戦いは、一段と激しさを増す。

七条の盾は耐え続けるが、安土幕府の勢力は増すばかり。

決戦の前夜、久貞と兵、民の運命が交錯する瞬間が迫る。

夕暮れが尾張の平原を赤く染める。

煙と焦土の匂いが漂い、戦場の緊張感は一層高まっていた。

久貞は城から遠く離れた高台に立ち、兵と民の配置を確認する。


「敵はまだ増援を呼んでいる……。だが、我らも負けはせぬ。」

短刀を握り締め、目を細める久貞の姿に、兵たちの士気が高まる。


真澄が駆け寄り、息を切らしながら報告した。

「殿、安土の増援部隊が北から接近しています。

 今夜の夜襲も予想されます。」


久貞は地図を広げ、兵の配置を思案する。

「右翼に精鋭を集中させ、北の増援を迎撃せよ。

 民は城の背後に避難させ、盾で守れ。」


兵たちは指示を受け、動きを開始する。

民も恐怖に震えながらも、兵の導きに従い、命を預ける。

「盾は、民を守るためにある!」

久貞の声が平原に響き、戦場全体をひとつにした。


その夜、尾張の空に星はほとんど見えなかった。

安土軍の松明が遠く赤く揺れ、戦の予兆を告げる。

久貞は篝火の前に立ち、短刀の刃先を光にかざした。

「来るか……全てを試す時が。」


民兵たちは互いに支え合い、疲労を忘れて盾を握る。

「明日、この平原が血に染まるかもしれぬが、

 我らの意志は決して折れぬ。」

久貞は小さくつぶやき、瞳を安土の方角に向けた。


夜が深まるにつれ、風が戦場を吹き抜ける。

赤く揺れる安土の旗と、黒く翻る七条の盾――

決戦の予兆が、尾張の平原を覆っていた。

尾張での戦いは、最も緊迫した局面を迎えつつある。

安土幕府の増援が迫り、七条の盾は耐えられるのか。

次章、第51話以降では、ついに決戦が始まり、七条久貞と民、兵たちの運命が激しく揺れ動く。

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