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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第46話 炎の衝突

尾張で再び火ぶたが切られた。

七条久貞率いる民と兵の盾、安土幕府の剣――

二つの意思が平原で激しくぶつかろうとしていた。

朝霧が消え、尾張の平原に日差しが差し込む。

その光の下、赤い安土の旗と黒い七条の盾が向かい合った。

馬の蹄が地を打ち、兵たちの息遣いが風に混ざる。


「殿、いよいよです!」

結城真澄が小さく叫ぶ。


久貞は旗を握り締め、冷静に戦況を見渡した。

「覚悟せよ、民も兵も。盾は守るためにある。」


安土の先鋒が馬を駆り、槍を突き出した瞬間、平原に響く叫びと金属音。

七条の前線も矢を放ち、弓兵が応戦する。

空を切る矢の雨、地面を抉る馬の蹄、盾を打ち合う音――

戦場は瞬く間に混沌となった。


真澄は久貞の横で槍を握り、民兵の盾を補強する。

「殿、あの左翼が押されています!」

久貞は瞬時に判断し、右翼の兵を移動させる指示を出す。

「盾を回せ! 民を守るためだ!」


戦の中、七条兵たちは混乱せず、秩序を保とうとしていた。

民を盾にするのではなく、民を守る盾として戦う――

久貞の理念が、実際の戦場で生きていた。


だが、安土軍もまた老練だ。

若き将軍の指揮のもと、精鋭部隊が側面から切り込む。

七条の防衛線は一瞬で崩れ、火花と血が混ざり合う。


久貞は短刀を握り直し、戦場の中心へ突き進む。

「盾は、ここで折れぬ!」

民の叫びと兵の鼓動がひとつになり、衝突の衝撃が平原を震わせた。


戦は苛烈を極め、炎と煙が立ち込める中、久貞はふと父の言葉を思い出す。


「信は剣にあらず、盾なり」


血と泥の中で、久貞はその言葉の意味を全身で理解する。

戦の終わりはまだ見えない――

だが、七条の盾は、今この瞬間、確かに民を守っていた。

尾張での激突は、七条久貞の理想と戦略を試す最初の本格的な試練だった。

次回、第47話「盾の耐久」では、戦闘の中で民と兵がどのように支え合い、

七条の盾がさらに試されるのかが描かれる。

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