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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第45話 尾張動乱

血盟を交わした久貞と真澄の決意。

その直後、尾張で安土幕府の旗が再び掲げられ、戦の火蓋が切られる。

尾張の平原に朝霧が立ち込める中、遠く東の丘の上に赤い旗が見えた。

安土幕府の軍勢――黒甲冑を纏った兵たちが整列し、行進の準備を整えていた。


「殿、あれが……」

結城真澄が指を差す。


久貞は目を細め、息を吐いた。

「尾張か……予想より早いな。」


城の庭に集まった七条の兵たちは、静かに武器を握り締める。

槍、弓、盾――手にする者は皆、決意に満ちた顔をしていた。

「我らの盾は、民を守るためにある!」

久貞の声が響き、兵士たちが答えた。


「民を盾に、剣を振るう……七条家の理は変わらぬな。」

佐久間が小声で呟く。


「変わらぬとも。我らが目指すのは支配ではなく、守護だ。」

久貞は遠く尾張の赤い旗を見据えた。


数刻後、尾張の軍勢が進軍を開始する。

朝霧の中、馬の蹄が地を打ち、兵の声が戦場を震わせた。


久貞は一呼吸置き、旗を掲げる。

「盾の行進、開始!」

七条の兵たちが応じ、一列に並んで平原を踏みしめる。


戦火はまだ交わらない。だが、双方の眼に光るのは「戦いの覚悟」だった。

尾張の安土軍は徐々に距離を詰め、七条の前線も警戒を固める。


「殿、あの紅旗の下に指揮官が……」

真澄が指差す先には、かつて安土幕府で活躍した若き将軍の姿。

「……あれが信景の孫か」

久貞の声に、兵たちが小さくざわめく。


戦いの気配が濃くなり、平原に緊張が走る。

風が旗を揺らし、朝日の光が甲冑に反射する。

その瞬間、遠くで矢が飛び交い、小競り合いが始まった。


久貞は短刀を握り直す。

「覚悟せよ、尾張。七条の盾が民を守る!」


炎の前触れのように、戦の気配は次第に濃くなり、やがて平原全体を覆い尽くす。

民も兵も、血盟を胸に、初めての本格的な衝突を迎えようとしていた。

尾張にて、七条と安土の再戦が始まる。

戦の火は、もはや避けられぬ流れとなった。

次回、第46話「炎の衝突」では、初めて両軍が激突し、

七条久貞の戦略と兵たちの覚悟が試される。

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