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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第44話 血盟の誓い

尾張に再び安土の影が迫る中、七条久貞は夜の城裏で決意を固める。

若き家臣と交わす血の誓い――それは単なる忠誠ではなく、理念と理を守るための盟約だった。

これから訪れる戦乱に向けて、七条家の新たな覚悟が試される夜である。

七条城の裏庭、夜風が竹林を揺らしていた。

その陰にひっそりと立つ小屋の中で、七条久貞は若き家臣・結城真澄と向き合っていた。

十六の真澄は戦乱に鍛えられ、鋭い眼差しを久貞に向ける。


「真澄、お前はなぜ剣を取る?」

久貞の問いに、真澄は迷わず答えた。

「殿が理を掲げる限り、私は命を賭してその道を守ります。

 血が流れようと、民が泣こうと、理なき戦よりはましです。」


久貞は静かに頷いた。

「理を守るために血を流すか……それもまた、我らの業かもしれぬな。」


篝火の炎が二人の影を壁に長く伸ばす。

久貞は懐から短刀を取り出し、柄を握ったまま刃先を上に向ける。

「この刀は、我が父が七条再興の際に使ったものだ。

 再び血を吸わせる時が来るとはな……」


真澄は片膝をつき、深く頭を下げた。

「殿、どうかその剣、次の代へと繋がれるよう――

 私も命をもってお支えします。」


久貞は短刀の刃先を自らの掌に当て、血を滴らせる。

「この血に誓う。我ら七条の理を貫く。

 安土が再び剣を掲げようとも、我らは屈せぬ。」


真澄も同じく手を切り、二人の血が篝火の上で混ざり合う。

竹林を渡る夜風が、その血の誓いを蒸気とともに吹き上げた。


久貞は握りしめた血に視線を落とし、呟いた。

「これで我らは、主従ではなく同盟の士。

 ゆくぞ、真澄。次の世を担うために。」


真澄は目に光る涙を抑え、静かに答えた。

「……はい、殿。」


遠く、尾張の空が赤く染まり、戦の気配を告げる。

血盟を交わしたこの夜が、七条の未来を動かす第一歩となることを、二人はまだ知らなかった。

夜の竹林で交わされた血盟は、七条家に新たな運命を刻んだ。

主従の絆ではなく、理と覚悟を共有する盟約――

その誓いが、次に控える尾張での衝突にどう作用するのか。

次回、第45話「尾張動乱」では、安土幕府と七条の再戦が本格的に始まる。

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