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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第41話 再生の行進

七条久貞が掲げた“盾の誓い”は、崩壊寸前だった幕府と民の心を再び結びつけた。

焦土と化した城下に、新たな秩序を求める行進が始まる――。

朝日が昇りきる頃、城下の通りには一筋の列が生まれていた。

焼け跡の中を、民衆と兵が並んで進む。

槍を持つ者も、鍬を担ぐ者も、その足取りには一つの意志が宿っていた。


久貞は先頭に立ち、ゆっくりと歩を進めた。

肩に羽織った黒い外套の裾が風に揺れ、背には再び掲げられた“七条の盾”の紋が輝いている。


「殿、これほど多くの者が……」

佐久間が驚きの声を上げる。

「昨日まで敵対していた者も、殿のお言葉に応じております。」


久貞は静かに頷いた。

「人は、剣に従うよりも、信に集うものだ。

 我らが掲げた盾は、もう七条のためだけではない。

 この国のための盾だ。」


その言葉を聞いた民たちの目に、涙が光った。

炎に奪われた家、倒れた仲間、失った日々――

それでも前に進もうとする者たちの足音が、焼けた石畳に響き渡る。


途中、倒壊した橋を前に列が止まった。

だが、誰も引き返さなかった。

兵士たちが木材を運び、民が縄を結ぶ。

一人の老婆が手を合わせ、若い娘が幼子を背に負って橋を渡る。


やがて、簡素ながらも人の手で再び繋がれた橋を、久貞が渡った。

その姿に、民たちは頭を下げ、声を上げる。


「七条殿のために!」

「いや、我らの未来のために!」


掛け声が連なり、やがてそれはひとつの大きな歌のようになった。

その響きは、崩れた城壁の向こうへ、遠くまで届いていく。


久貞は歩みを止めず、静かに呟いた。

「この道が、再び血に染まらぬように……」

その背に、朝の光が差し込み、黒い外套を黄金色に染めた。

焦土の中から立ち上がった“再生の行進”は、民と幕府の和解の象徴となった。

七条家は再び信義のもとに人々を束ね、動き始める。

次回――第42話「風に揺れる旗」では、この行進の先に待つ新たな試練が描かれる。

そこに、安土幕府の影が忍び寄る――。

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