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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第35話 裏切りの影

城下の戦火が拡大するなか、久貞の幕府内部では不穏な動きが進行していた。

第35話では、幕府内の密告と裏切りが明るみに出る。

夜が明けきらぬ城内の廊下を、足音が静かに響いた。久貞の側近・佐久間は、手に握った巻物を懐へ押し込み、周囲を警戒しながら奥の間へ進む。巻物には、従順派参謀の秘密指令が記されていた。

「…やはり、裏で動いている者がいるのか」

低く呟く声には、疲弊と焦燥が滲む。


奥の間では、久貞が地図を前に立ち尽くしていた。

「城下の火勢は拡大を続け、南門の制圧は困難。だが、我々の内部が割れれば、戦の前に崩壊する」

久貞の言葉に、佐久間は静かに巻物を差し出す。封を切った久貞は、内容を読み進めるごとに目を細めた。

「従順派が、民衆への武力行使を城主の名で命じたと…? 私の許可なく、勝手に――」

その声には怒りと悲嘆が交錯していた。


同情派の参謀・中原が部屋に入ってくる。「殿、従順派の動きは一枚岩ではございません。彼らの中にも、我らと通じる者が」

久貞は地図上の一点を指さした。「ならば、その者たちと連携し、城下の混乱を抑える。もはや戦だけでは終わらぬ」


その頃、民衆側の拠点では、知恵者が密偵から報告を受けていた。「幕府の内部に、揺らぎがある。久貞自身も苦悩しているようだ」

知恵者は眉をひそめた。「戦火の中で、心を保つ者がいるか…皮肉な話だ」

彼は地図に指を滑らせ、次なる動きを練る。「幕府が割れれば、城は自ずと崩れる。だが、それが本当に我らの勝利か?」


城内では密告が飛び交い、従順派と同情派の溝が深まっていく。

そして夜更け、密やかな足音とともに、一人の兵が闇に消えた。裏切りの影が、静かに幕府を蝕み始めていた。

久貞の幕府内部で、ついに「裏切り」の存在が現れた。

民衆と幕府の戦いは、外の戦火だけでなく、内側からも崩れ始める。

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