第17話 裂ける城内
夜の城下で民衆の小さな火が広がる一方、城内でも亀裂が生まれ始める。
第17話では、久貞の命令に従う参謀と、民衆の声に同情する参謀の対立が明確になり、城内の権力バランスが揺れる様子を描く。
瓦礫の街角では、民衆の小さな集まりが夜ごとに増え、情報と物資を互いに交換する動きが活発化していた。「今夜は南東側の家々を回ろう。小さな行動でも、連鎖させれば大きな力になる」
炭火の揺らめきは弱い光ながら、民衆の希望と怒りを象徴し、街の隅々に潜む反抗の芽を照らす。
しかし城内では、久貞の命令に従う参謀と、民衆の声に共感する参謀の間で緊張が高まっていた。「将軍閣下、民の行動を制圧するのは容易ではありません」と同情派の参謀が訴える。
久貞は冷たく視線を返す。「秩序を乱す芽は必ず摘む。民の反抗は徹底的に制圧せよ」
従順な参謀たちは従うが、同情派の参謀は内心で葛藤し、城内の空気は微妙に歪み始めていた。
その夜、民衆の中から一人の知恵者が現れる。彼は暗号のように合図を送り、各路地の若者たちを指揮する。「小さくても、秩序に打ち勝つ道はある」
偶然にも、物資配給所の一角で小規模な火事が発生し、民衆と幕府兵が混乱に巻き込まれる。民衆は勝利と敗北を同時に経験し、夜の街は不安定な緊張で震えた。
久貞は城の高台から夜景を見下ろす。民の声も揺れる火も、秩序の影に押さえ込もうとする。しかし、城内の参謀たちの亀裂も、静かに夜の闇に潜む不安として広がっていた。
夜の城下では民衆の小さな火が揺れ、城内では参謀たちの亀裂が広がる。
第17話では、民衆と幕府双方の内部に動きを生み、単調な平行線を脱し、物語に大きな波を作った。




