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第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
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第16話 夜陰のうねり

民衆の小さな火は、街全体に静かに広がりつつあった。

第16話では、民衆の抵抗が組織的になり、夜の街に潜む秩序の揺らぎが表面化する様子を描く。幕府内部でも対応の難しさが明確となり、緊張が高まる章である。

瓦礫の街角で、民衆の小さな集まりが徐々に増えていた。若者たちは火を目印に互いの位置を確認し、物資を運ぶ手順を再確認する。「今夜は南側の家々を回ろう。小さな抵抗でも連鎖させれば、大きな力になる」

弱い火の揺らめきは、民衆の希望と怒りを象徴する光として街の隅々に潜む反抗の芽を照らしていた。


商人や農夫は互いに協力し、慎重に物資を分け合う。布告による配給制限に反発しつつも、目立たぬよう行動する。子供たちは親の背後に隠れ、息を潜めながら未来への微かな希望を胸に抱いた。瓦礫の街は秩序の陰に押さえ込まれているが、民衆の火は確実に揺れ続けていた。


城内、大和城の会議室では、久貞と参謀たちが民衆の動向について激しい議論を交わしていた。「将軍閣下、民の行動は夜ごとに組織的になりつつあります。このままでは城下全体で制御が困難になるでしょう」

久貞は冷徹に答える。「秩序を乱す芽は必ず摘め。民の抵抗は徹底的に制圧する」

宗盛は視線を落とし、心の奥に葛藤を抱える。秩序を守る責任と、民の声を無視する重圧の間で、胸が締め付けられた。


深夜、城下では民衆の行動がさらに拡大し、配給を拒む者や物資を密かに隠す者が現れる。幕府兵が巡回する中、民の目には恐怖だけでなく希望の光も宿る。瓦礫の街角で、小さな怒りが静かに渦巻き、秩序の影に押さえ込まれながらも、やがて幕府の安定を揺るがす炎へと変わろうとしていた。


久貞は高台から城下の夜景を見下ろす。民の声も揺れる火も、すべて秩序の影に押さえ込む。彼の意志は鋼の如く冷徹で、民の抵抗の芽にまだ気づかぬまま、夜を支配していた。

民衆の火は静かに力を蓄え、夜陰に潜む秩序の揺らぎを広げている。

第16話では、民衆の組織化と城下全体への影響を描き、次章でのさらなる動乱への伏線を明確にした。

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