第13話 暗闇の連鎖
民衆の小さな抵抗は、夜の街で連鎖的に広がりつつあった。
第13話では、民衆の行動が互いに影響し合い、幕府内部でも緊張が増す様子を描く。秩序と反抗の緊迫した均衡がさらに揺らぎ始める。
瓦礫の路地に、民衆の小さな集まりが増えていた。若者たちは互いに火を目印に位置を確認し、物資の運搬計画を再度確認する。「今夜は東側の家々を回る。小さな抵抗でも、連鎖させれば大きな力になる」
揺れる炭火は弱くとも、民衆の希望と怒りを象徴する光となり、街の隅々に潜む抵抗の芽を照らしていた。
商人や農夫も互いに連携し、慎重に物資を分け合う。布告による配給制限に反発しながらも、目立たぬよう行動する。子供たちは親の影に隠れ、息を潜めながら、未来への微かな希望を胸に抱く。瓦礫に覆われた街では、秩序の陰に押さえ込まれつつも、民衆の火は確実に揺れ続けていた。
城内、大和城の会議室では、久貞と参謀たちが民衆の動向を巡り激しく討議していた。「将軍閣下、民の連鎖的行動が広がっています。夜の城下で秩序を維持するのは難しくなるでしょう」
久貞は冷たく命じた。「秩序を乱す芽は必ず摘め。民の反抗は徹底的に制圧する」
宗盛は視線を落とし、胸に葛藤を抱える。秩序を守る責任と民の声を無視する罪悪感の狭間で、心が締め付けられた。
深夜、城下では民衆の行動が次々と増え、配給を拒む者や物資を密かに隠す者が現れる。幕府兵が巡回する中、民の目には恐怖だけでなく、希望の光も宿る。瓦礫の街角で、民衆の小さな怒りは静かに渦巻き、秩序の影に押さえ込まれながらも、やがて幕府の安定を揺るがす炎となろうとしていた。
久貞は高台から夜景を見下ろす。民の声も揺れる火も、すべて秩序の影に押さえ込む。彼の意志は鋼の如く冷徹で、民の抵抗の芽にまだ気づかぬまま、夜を支配していた。
民衆の小さな火は、連鎖を生みながら夜の街で広がり続ける。
第13話では、民衆の行動が互いに影響し合う様子を描き、幕府内の緊張をさらに高めた。次章での大きな動乱への伏線が形作られる。




