表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第二次戦国時代 ―令和動乱記―  作者: 足利
第一章 影の久貞(前半)
41/100

第11話 静かなる接触

民衆の小さな抵抗は、夜の城下で徐々に形を取り始めていた。

第11話では、民衆同士の連携が進み、初めて互いの行動が接触する様子を描く。秩序と抵抗の微妙な均衡が崩れ始める伏線の章である。

瓦礫の街角に、民衆の小さな集まりが現れる。若者たちは火の揺らめきを目印に、互いに位置を確認しながら慎重に近づく。「今夜は、少し遠くの家にも届ける。小さな行動でも、連鎖させなければ意味はない」

路地の炭火は弱く揺れながらも、民衆の希望の象徴として光を放つ。街の隅々に潜む反抗の芽を、かすかに照らしていた。


商人や農夫も互いに手を貸し合い、物資を慎重に分け合う。布告による配給制限に不満を抱きつつ、目立たぬよう行動する。子供たちは親の背後に隠れ、息を潜めながら、微かな希望を胸に抱いた。瓦礫に覆われた街は秩序の陰に押さえ込まれているが、民衆の火は確実に揺れ続けていた。


城内、大和城の会議室では、久貞が参謀たちに民衆動向の報告を求める。「将軍閣下、民の行動は互いに接触し始めています。小さな連鎖ですが、夜の城下では影響が出始めるでしょう」

宗盛は眉をひそめ、「将軍閣下、このままでは小さな火が大きな炎になる可能性があります」と答える。

久貞は冷たく視線を巡らせる。「見逃すな。秩序を乱す芽は必ず摘む。民の反抗は徹底的に制圧せよ」

参謀たちは葛藤を抱えつつも従い、夜の城下での小さな接触を静かに見守る。


深夜、城下では民衆の小さな行動が次々と増え、物資を隠す者や配給を拒む者が現れる。幕府兵が巡回する中、民の目には恐怖だけでなく、微かな希望も宿る。瓦礫の街角で、民衆の小さな怒りは静かに渦巻き、秩序の影に抑え込まれながらも、やがて幕府の安定を揺るがす炎へと変わろうとしていた。


久貞は城の高台から夜景を見下ろす。民の声も、揺れる火も、すべて秩序の影に押さえ込む。彼の意志は鋼の如く冷徹で、民の抵抗の芽にまだ気づかぬまま、夜を支配していた。

民衆の小さな接触は、静かに連鎖の第一歩を踏み出した。

第11話では、秩序と抵抗の均衡が微妙に崩れ始め、次章での大きな動乱への伏線が形作られる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ