表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/51

26

 ソフィア王女の歓迎レセプションのおり、約束していた魔道具技術の公開の日がやってきた。


 大きなホールを借り切って、大勢の人々を招き、華やかに公開された。


 といっても、俺は発表の場に立ち会っただけで、ほとんどしゃべらず、すべてFマリナスに取り仕切らせただけだったが。


 王都でも指折りの大きさを(ほこ)る大ホールだったのだが、当日の入場者はこちらの予想をはるかに超える人数に膨らんでおり、入場制限を課さざるをえなかった。


 本当に盛況だった。


 押しかけた人々の中には、ライバルのオーシャン・ホエールとフリューゲルスなどの関係者だけでなく、各国を代表する企業や政府関係者も大勢含まれていた。まさにヨックォ・ハルマ中が注視している中で公開が行われた。


 


 公開された技術の詳細は(はぶ)くが、元来(がんらい)魔法というものは、魔力に人為的に与えられた振動が一定の揺らぎをもつ魔力波を発生させ、それが対象物の内部に含まれているエレメントに作用することで発動するものだ。


 人間や亜人種、魔法を用いることのできる魔獣たちは、体内をめぐる魔力(マナ)を声帯などを使って制御(呪文をとなえるなど)し、振動を与え、それを体の奥にある仙骨にぶつけることで、魔力波を生み出している。


 我々が持っている魔道具技術は、この過程を疑似的に模倣しているだけにすぎない。


 魔力カートリッジから取り出される魔力は、基本的には振動することなく、安定的に魔晶線でできた回路の中を循環している。


 その回路の途中に、魔導石と魔断石を張り合わせた部品チップを組み込むことで、流れている魔力に特定の振動を与えるのだ。そして、特定の振動をもった魔力をその回路の先にある仙骨の役割をする人工仙骨(魔柱)へぶつけることによって特定の波長をもった魔力波を発生させている。


 発生した魔力波は本来は発信源から放射状に広がるものだが、それを制御して指向性を与えるような装置を組み込めば、我々が扱っているような簡単な魔道具が完成する。


 


 うん、実に単純な原理だ。


 


 魔法が発動する仕組みなら、昔から研究がなされていて、大体の原理はとっくの昔に解明されているのだから、この程度のものなら発明するのに大した苦労はないはずなのだが……


 ただ、この魔導石と魔断石を張り合わせるのがとてもむずかしく高い技術が必要とされる。なにしろ、髪の毛の太さの何百分の一という精度でとても硬い材料を加工し、貼り合わせなければいけないのだから。


 そんな技術など、ここヨックォ・ハルマではまだ存在していない。


 ゆえに、これまでに魔道具が生み出されなかったのも仕方ないのだろう。


 


 このチップに用いられる魔導石と魔断石の張り合わせ方や組み方の違い、加工方法の違いで、発生する魔力の振動が変化し、魔柱から生み出される魔力波の波長が変わり、発動する魔法がいろいろと変わってくるのだ。


 だが、それ以外の部品は、まったく同じ材料、同じ部品で構成されている。


 つまり、チップを変えるだけで、様々な魔道具を生み出すことができる。


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ