7:疑問を抱いて早数年、お前、異世界転生者じゃね?
いやはや、人ってのは便利な物に頼り過ぎると退化するじゃん?だから急に便利な物が無くなった時に備えておくのって大事ですよね。どうも皆様、モブルでっす。
「先日から魔法陣の動作が安定しませんが……」
だから、学園の大ホールに集められて学園長が神妙な面持ちでこんな話を始めたって、このモブルは慌てないわけ。
「妖精王の力の暴走により、全ての妖精の力が不安定になっていると、研究者の見解が出ています」
「ほえ」
思わずアホみたいな声出ちゃった。
いやだって俺、普段妖精の力使わんから知らんし。
それがそんな『世界の終わりです……』ぐらいのテンションで言われても……超困るのって王都くらいじゃね?俺の地元とか一切困らないんじゃね?だって妖精魔法陣とか設置されてないもん。
物流にはまだそんなに影響出てないな。これから出るかな。火とか水とか、ライフラインに関わる所は出るかも。
「皆さん、大変不安なことと思います……ですが、人の心は妖精にも伝わるもの。ただでさえ妖精達も不安なことでしょう……そこに人間の心まで伝わってしまったら一体どうなってしまうのか」
これは妖精否定派がすごい動くぞぉ、『妖精に頼らない生活を!』とか言い出すぞぉ……
それはそれで面白いし、新しい商品も色々出そうだけど一時的なもんだろうな。ウチで扱うのはちょっと……
「しばらくは妖精魔法の使用は禁止します。もしも落ち着かない様子の妖精が居ても、そっとしておくように」
何でこの先生は『見える』前提で話を進めるかなー。常時妖精が見えるのなんてアレンくらいだって。あとマーガレットも。あとは、もしかするとジークフリート様も。
この後も学園長が色々話してたけど……こういうのって、どうにか短くまとまらないもんかね。
レイチェル嬢にやらせてみ?多分めっちゃ上手いぞ。
「顔色悪いな」
「!」
授業が一部休講になったから、マーガレットを探してウロウロしてたんだけど……案の定、マーガレットは温室で塞ぎ込んでいた。
少し前に俺からプレゼントした、ちょっとお茶するスペースが設けられるくらいの大きさの温室。
喜んで色んな花を育て始めたっけ。
「おいおい、このモブルのあげた温室で?お前がセンスを遺憾無く発揮したこの温室で?塞ぎ込むってのはちょいと……」
マーガレットは割と行動派である。
いや言葉が出て来ないから、それはそうなのかもしれないが。
それでも、泣き顔でいきなり胸に飛び込んで来るとは。
「……そう」
マーガレットは自ら『妖精の落とし子です』と明言したことは無い。
だけど間違いなく、マーガレットは『元妖精』だろう。
「妖精王の力の暴走が云々……ってのは、本当なんだな?」
「……!」
マーガレットを落ち着かせるように背中を撫でると、マーガレットはコクコクと頷いた。
「……今は、お前には影響は無いんだな?」
「……」
マーガレットは再度頷く。
「うーん……妖精王ってのが、お前にとってどんなもんなのかはわかんねぇけど……俺で言う『親』ともちょっと違うだろうし……」
そもそも妖精が生き物なのかも結構怪しいと思う。生き物というか、超常現象に近いような……まぁその辺りは研究者が熱心に調べてるんだろう。今はどうでも良い。
妖精達にとって『妖精王』と『妖精女王』の存在は、大き過ぎるものには違いないだろうから。
「来週からさ、しばらく休校に……学園全部が休みになるんだってよ」
「……?」
「学園の先生方も総出で妖精王の問題の調査に取り組むんだって。んで、久々に実家に戻るかーって思ってるんだけど……」
マーガレットは不思議そうな顔をしている。
「お前も一緒に来ない?妖精女王の湖が近くにあるっつーし、何かわかるかもしれないじゃん?」
「!」
マーガレットは力強く頷いて……いやだから抱き付かれると流石にモブルも照れちゃうんですけど……
さて、実家に戻る前に会っておきたい奴が居る。
「アレン君は妖精王が居るとされる地へ向かったよ!」
居るんだけど、えぇー??
「な、何しに?」
「妖精王を助けに、だそうだ!流石だねアレン君は!」
嬉々として語る妖精学の教授(俺の家庭教師と旧知の仲らしい)。
アレンと仲が良いのは知ってたから、何か知らないかなーと思ったらこれだ。
「助けにったって……可能なんですか?そんなこと。」
「私も心配でね、でも『直接会わないとわからないことは沢山ある』と言って聞かなくて……」
もう何か主人公じゃん。
『上位の存在の危機をどうにか助けに行く冒険譚』の主人公のムーブじゃんそれ。
マジ、疑問を抱いて早数年立つけど、アイツやっぱ異世界転生者じゃね??
妖精女王から加護を貰った辺りからの伏線回収がエグ過ぎるって。どうせ『普通なら妖精王の居場所なんてわからないけど、番である妖精女王の加護を持つ者は居場所を探し当てられる』やつだろ。
「ジークフリート君も共に向かったよ。彼はアレン君に妖精との縁を繋いでもらった者だ、きっと力になる!」
「ほらもう相棒まで居る!」
「ん?何だね?」
「こっちの話っス!」
主人公に助けられた奴が恩返しについて行くやつじゃんそれ!心強いやつじゃんそれ!そんで主人公よりも人気出るんだろ!
「第2王子殿下も同行を申し出たのだが、彼に加護をもたらしている妖精は遠方の者に情報を瞬時に送ることが出来る。殿下には此方に残っていただき、我々の調査結果がまとまり次第アレン君に……」
「もう良い、もう良い!お腹いっぱい!」
『お前達、頼んだぞ。俺は俺の責務を果たす!』っていうやつじゃんそれ!こっちも人気出るやつ!
「文献から、過去に類似した事象が無いかを……」
「あざーっした!失礼しゃーす!」
もう良い。教授からこれ以上は得られる物は無いだろう。
いやはや、アレンが捕まらないとは。
アレンの母ちゃん心配してないかな。アレンが加護持ちになって以来、ちょっと妖精の話題に敏感になってたから、今回の件も凄い気を揉んでそうだ。
状況を教えてあげたかったけど……あまり良い情報ではないかもしれない。困ったね、こりゃ。
俺の家までは丸々半日くらいかかる。
「お手をどうぞ、マルグレーテ」
「……!」
「うん、馬車乗るのも疲れたろ?」
長旅な以上、途中の街で飯を食う必要があるわけで。
不安と移動の疲労でへろへろになっていたマーガレットの手を取って、途中に立ち寄った街へ繰り出した。
とは言え、もう俺の地元まで近い。今、昼過ぎで……飯食ってゆっくりしてから出発しても、夕飯に間に合うくらいには帰れる気がする。うん、もう地元に入ってると言っても過言ではない。
「よし、ここの店にしようぜ」
「……」
マーガレットが頷いたのを見て、俺はとある店の扉を開いた。
「おかえりなさいませ、旦那様、奥方様」
「……??」
途端に面食らうマーガレット。
まぁそりゃそうだ。『奥方様』なんて呼ばれるのは初めてだろう。
「とりあえずお茶貰えますか?今日のお勧めのやつで」
「かしこまりました、すぐにお持ちいたします」
店内には空きがほとんど無い。すんなり入れてラッキーだったな。
「……??」
「前はなー、サンドイッチが美味かったんだけど……お、ビーフシチューとか良いじゃん。マーガレットは何食う?」
「??」
説明を求めるようにマーガレットはメニューを持った俺の手を叩く。
「ごめんて。面白いだろ?この店。平民でも執事やメイドから給仕を受けられる、一風変わった喫茶店なんだわ」
「!?」
マーガレットが店内を見回す。店内にはそこそこの仕立ての給仕服を着た執事やメイドが歩き回っていた。
こんな前代未聞の店はここにしか無い。
「モブル様、お帰りをお待ちしておりました」
お茶と共に現れたのは、店内の執事やメイドと比べても圧倒的な風格を纏うメイド。
「あ、店長……じゃなくてメイド長。お久しぶりっす」
「本日は奥方様もご一緒でございましたか、大変嬉しゅうございます」
ここの店長である。
そして実を言うと?この店長??
どう見ても『メイド一筋20年目です』みたいな風格の、このメイド長??
異世界転生者だそうだ。
何でも、彼女が居た世界には身分制度が無いが、メイドや執事が給仕する店が存在したらしい。そういう店で擬似的に貴族の気分を味わえる、という趣向なのだろう。彼女はそこでメイドとしてアルバイトをする少女だった。
さて、このメイドというのが俺がイメージするメイドと様子が違う。
『お帰りなさいませ、ご主人様っ!』
と、可愛らしい声と可愛らしい笑顔を振り撒き、
『美味しくな〜れっ!』
と、客の目の前で料理の仕上げをする。可愛い踊り付き。
どういうこと??執事メイドたるもの、無闇に笑顔を振り撒かないし猫撫で声なんか出さないし、主人の目の前で踊らない。命令次第ではあるが。
彼女はここに来た当初、彼女が働いていたような店は存在しないと知って『これは売れる!』と、拾ってくれた喫茶店に無理を言って同じようなことを始めたらしい。
だがこれが評判が悪かった。『馬鹿にしているのか!』と怒る客も現れるほど。
『あ、こりゃ駄目だ』と思った彼女はこれまた喫茶店のマスターに無理を言って、本場のメイドに修行を申し込んだ。
え、もっかい言う?
本場のメイドに修行を申し込んだ。
というか、ウェイカー家に来て修行をし始めた。
『客に媚を売る』メイドはウケがあまりにも悪いと悟った彼女は、『じゃあゴチゴチの本場のメイドなら逆に需要あるんじゃね??』と考えたらしい。メイドから一旦離れる選択肢は無かったのだろうか。
でも確かに、平民は執事やメイドにお目にかかることも、給仕されることもあり得ないからな。非日常を味わえる場所というのは間違いなく需要がある。
あるけど、17歳くらいのゴリゴリに化粧したおねーちゃんが『私にメイドのイロハを叩き込んでください!』と門扉を叩く光景はなかなか衝撃的だった。
彼女が幸運だったのは、その日は家に親父が居たことだろう。
親父は凄い勢いの彼女を宥め、話を聞いた。そして『案外悪くないビジネスだな』と思った親父は、彼女に手を差し伸べることを決めたのである。珍しいものをすぐに『面白そう』だと考えてしまうのは親父の良いところなのか悪いところなのか。
とにかく彼女は上級貴族に会わせても恥の無い……かはわからないが、一般的なレベルのメイドの作法を身に付けて、喫茶店で給仕を始めた。
これが大ウケ。
最初は動揺していた客も、丁寧に接客されると気分が良いのは間違いなく、いつしか行列を作るほどに店は繁盛した。
『これはマズい』と思った彼女は親父に交渉、新しく『執事とメイドの居る喫茶店』を独立させた。元の喫茶店は常連が入れないほどの人気になってしまったからだ。
そして彼女の指導のもと、今日も執事やメイドが平民に(たまに貴族も混ざっている。そつの無いレベルだと評判だ)給仕をしている。
「面白い店だよなぁ本当に」
「私の無理を聞いていただき、ウェイカー家の大旦那様には一生感謝してもし切れません」
派手な化粧は何処へやら、上品な化粧をして上品な振る舞いをする彼女は歴戦のメイドにしか見えない。うちに来てたのが10年前くらいだから、今は27歳とかその辺のはずだが。
「!?……!?」
マーガレットは相変わらず動揺している。そりゃいつもはどちらかと言うと給餌する側だからな。
「……アイツも、どうせならこういうことに前世の知識を使えば良いのにねぇ」
「?」
「いや、こっちの話」
俺の察するところによると、アレンは『物語の世界』を生きているような感じなのだろう。
時折『決められた枠組外のことはやらない』というような、微妙に行動を制限したような振る舞いをする。
まぁ、それも1つの生き方ではあるが。
「お食事のご用意が出来ました」
「メイド長を見習えって話だよなぁ?」
身一つで、知らない世界で、自分の知っている知識をフル活用して生きる術を見つけ出したメイド長とは……比べるのは野暮だろうか。
「?モブル様、私が何か……?」
「こっちの話!」
でも、枠組の中で生きるのって窮屈じゃねぇのかなぁと俺は思っちゃうね。
『物語』の中でどれだけ『進むべき道』が言及されてるのか知らないけどさ。
「お帰りなさいませ、モブル坊ちゃん」
「ただいまー」
家に着いたのは夕刻。執事長(本物の執事。店の従業員じゃなくて。)が迎えてくれた。親父と母ちゃんは仕事かな?
「おやモブル、お帰りなさい」
「久しぶりねぇモブル」
すると、奥から珍しい人物が出て来る。
「あれ、爺ちゃんと婆ちゃんが居る」
どうやら、引退して農業を始めた爺ちゃんと婆ちゃんが丁度来る日だったようだ。
「モブルや、入学して10月くらい経ったか。学校はどうだい?」
「楽しい!色んな奴が居て面白ぇなーって」
「あらあら、でも何だか妖精王の力が不安定で、妖精魔法が使えないんでしょう?」
婆ちゃんが心配そうに言う。流石、引退して田舎に引っ込んでるはずなのに情報が早い。
「うん、それで休校になったから一旦帰って来ちゃった」
「あらまぁ、大変ねぇ……」
「モブルや、そろそろ嫁探しを始めてはどうだ?儂の知人の孫が丁度モブルと同じくらいで……」
出た出た。脈絡無く始まる爺ちゃんの「嫁はまだか?」発言。気が早いっての。
「いや、まだ早くねぇ……?」
「何を言う!お前の父と母は学生のうちに結婚をだな……」
「え、マジ!?」
「……」
「あらあら、お友達を連れて来たの?」
婆ちゃんが俺の背後に居たマーガレットの存在に気付く。
そうだ、爺ちゃん婆ちゃんの衝撃で紹介を忘れていた。
「あぁ、この子マーガレット。俺の彼女」
「……」
マーガレットはレイチェル嬢仕込みの、完璧な淑女の挨拶をした。
「……」
「……」
爺ちゃんと婆ちゃん(ついでに執事長も)はマーガレットを見て固まっている。
「……?」
不安げにマーガレットが顔を上げる。
「いや、大丈夫だとは思うけど。おーい?爺ちゃーん?」
「……たっ、」
「た?」
「大変じゃぁぁ!モブルが!モブルが嫁を連れ帰って来たぁぁ!!」
その爺ちゃんの叫びにより、今日の夕飯のメニューが変わったと後に聞いた。
「まぁ!」
「……」
「まぁぁぁ!!」
「おかん、あんまマーガレット困らせないで。」
親父も母ちゃんも家の中に居た。爺ちゃんの叫びで出て来た2人は、マーガレットを見て大層驚いた。
「マーガレットちゃん!初めまして!まぁぁぁ!!」
「可愛らしい子だねぇモブル」
興奮する母ちゃんに対して、親父は非常に穏やかである。親父が穏やかじゃない瞬間は見たことが無いけど。
「マーガレット喋れないから、あんまり矢継ぎ早に喋んなよ」
「まっ!そうなの〜!困ってること無い?大丈夫?」
「……!」
「……モブルや、この娘はもしかして……」
「爺ちゃん、うら若き乙女の顔をそんなにジロジロ見るもんじゃないよ」
マーガレットをガン見している爺ちゃんを止める。マーガレットの……顔、というか目を見てる?どこ見てんの爺ちゃん?
「……妖精の、」
「あっうん、多分そう」
「!」
証明したほうが早いと判断したマーガレットの手が光る。そして光の中からはいくつかの花が現れて、それを手早くまとめてブーケにして、婆ちゃんに渡してみせた。
「……よ、妖精の加護じゃぁぁ!!妖精の加護が!ついに我が家に!!」
再び叫んだ爺ちゃんの声を聞いて、夕飯に出て来たワインのグレードが2つくらい上がっていたらしい。俺は飲んでないから知らんけど。
爺ちゃん今日で寿命が10年くらい縮んだんじゃないか。大丈夫か。それとも逆に延びたかな。
「まぁぁ綺麗ねぇ、ありがとうねぇ!」
「!」
「やだ、良いセンスしてるじゃないの。やるわねマーガレットちゃん」
「あ。マーガレットはレイチェル嬢……ノルマン公爵令嬢の付き人で専属スタイリストやってるぜ」
「まぁぁぁ!!」
母ちゃんがマーガレットの手を勢いよく取る。どいつもこいつも落ち着け。
「おやおや、不安な時期だろうに慣れない場所まで遥々ようこそ。まずは夕食にしようか」
親父は穏やかに微笑みながら言う。皆、親父を見習ってほしい。
「あっ、モブルと部屋は別よマーガレットちゃん。」
「?」
「やかましいわ!当たり前だ!」
余計過ぎる念押しをして来た母ちゃんに思わず叫ぶ。
このモブル、婚姻前の女性を乱暴には扱いません!!
「あれ?やっぱ此処だよなぁ?」
「……!」
翌日。マーガレットと一緒に森へ来た。
あれです、アレンが妖精女王と出会ったっていう湖がある森です。
今日も湖を探して来たのだが、案外あっさりと見つかった。ガキの頃に見た、美しい湖。
だが場所が違う。
アレンと一緒に来た時は、もっと違う方角にあったと思う。
「うーん?」
もう少し言うと、更にガキの時に来た時の記憶の位置とは大体同じ場所だった。
汚ねぇおっちゃんと会った時くらいの、もっとガキの時。まぁ、記憶が定かでない可能性も大いにあるけど。
「!」
「おいマーガレット!走るなって!あ、お邪魔しまーす!」
マーガレットは湖に向かってダッシュした。そして淵で座り込み、祈るように手を組む。
「……!」
「お?」
何だか不思議な感じの風に包まれたが、相変わらず何も見えない。
だが、マーガレットは顔を上げた。水面の中空を見て、頷いたり首を横に振ったり。
まるで、水面に浮かんでいる誰かと会話しているように。
「いやー、相変わらず綺麗な場所だよなー」
思わずそんな独り言が溢れる。
そう言えば……この場所とは違うのだろうが、前に植え替えた花はその後無事に育ったのかな。
爺ちゃんと婆ちゃん来てるし、土いじりについて聞いておくか……
「……!」
「お。妖精女王と何か話せたか?」
「!!」
マーガレットはこくこくと頷き、湖を指差した。
俺にはたくさんの花弁が散った、美しい湖しか見えないけど。
「そこに居るなら……ご機嫌よう、妖精女王様?」
返事なんて無い。
「娘さんを預かっている者です」
「!?」
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません、娘さんは楽しく学園生活をおくっていますよ」
でも、報告義務はあるだろう。
「今は妖精王の件でひどく悲しんでいますが……彼女の笑顔に皆、虜になっているのです!」
「!?」
「これからも、どうか見守ってやっていただけませんか」
「〜!?」
「痛い痛い」
何を照れているのか、マーガレットがポカポカと俺の背中を叩き始めた。
「妖精王のこととか聞けたか?」
「……」
「大丈夫そ?」
「!」
マーガレットは一瞬考えたが、こくりと頷いた。
まぁ、それなら大丈夫だろう。人間が干渉し過ぎるのも野暮だ。
「ではそろそろお暇いたします。突然の訪問、失礼いたしました」
「……!」
2人で揃って礼をすると、またもや不思議な感じの風が吹いた。
「……?」
風に混じって何か聞こえた気がしたけど、上手く言語変換が出来なかった。
モブルの父ちゃんは婿入りしてます。ウェイカー家の血筋は母ちゃん側です。




