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6・裏:

『ねェ、人間、喧嘩、好き?』

「え?」


ある日、妖精が突然聞いて来た。


「えーと……好きな人も、居るけど……あんまり居ないと思うなぁ」

『あのネ、光の、いたデショ?』


妖精の言語能力には結構違いがある。

全く言葉を発さない子も居るし、ぺらぺらな子も居るし、片言の子も居る。

この子はどうにも片言で、イマイチ要領を得ない。


「光の……?」

『人間、ついてった』

「あぁ!ジークフリートについてった子ね!」


頑張って妖精と話すのも楽しみの1つではある。まるで謎解きのようで。


『その人間ネ、喧嘩シテた』

「……えぇ!?」


ジークフリートが喧嘩。

これはまさか……!


ジークフリートと王子の喧嘩シーンなのでは!?






僕は少々記憶違いをしていたようだ。

王子と会った時も、ジークフリートと会った時も、この人とこれから交流があるの?仲良くなれるの?と思ったんだ。

でも、よくよく思い出してみると……物語の途中、ジークフリートと王子が大喧嘩するシーンがあるんだけど、『2人と親友になりました』と書かれているのはこのシーンの後だった。

喧嘩をアレンが仲裁するシーンがあるので……ってことはつまり!2人と親友になるのはここだ!喧嘩を止めて、それで仲良くなるんだ!間違いない!


「どこ!?」

『おっきな絵の近ク』

「どれだろう……!」


貴族が通う学園だからなのか、建物内は高そうな物やら大きい絵画やらが沢山飾ってある。

妖精の言う『おっきな絵』が一体どれのことを指しているのかわからない。


「えーと、確か挿絵のあるシーンだったような……」


思い出せ。ジークフリートと王子が喧嘩するシーンの挿絵を。

確かに……そうだ、絵が背景に描かれていた。あの絵は……


「……妖精王と妖精女王の絵!」


学園内にある絵の中でも一際大きい絵。その前にきっと彼らは居る!




「貴様、許されると思うなよ!」

「だから……!」

「わー!?」


ジークフリートと王子は確かに僕が予想した通りの場所に居た。

居たけれど、思ったよりもヒートアップしてる!

王子がジークフリートの胸ぐら掴んでるよ!?人が人の胸ぐら掴んでるの初めて見たよ!


「!お前……」


この光景を目にして思わず大声を出してしまった僕に、先に視線を寄越したのはジークフリートだった。


「ど、どういう状況!?全然穏やかじゃないよね!?」

「……これは、妖精の寵愛を受けし子。ご機嫌よう」


王子も僕を見たけど、その目は冷ややか。


「ご、ご機嫌よう?第2王子殿下……いや、ご機嫌ちっとも良くなさそうに見えるんですけど……」

「丁度良い、君の意見を聞かせてくれないか」

「おい、俺の無実を証明しろ……」

「一体何が……」


第2王子と侯爵家(侯爵家の人間は割と少ない。公爵家よりは勿論居るけど、もっと下位の家の方が圧倒的に数が多い。)の息子。

どう考えても目立つ2人のやり取りなのに、人がやけに少ないのは……王子の護衛が人払いでもしてるんだろうか。


そして、ふと、違和感に気付いた。

壁に飾られた大きな絵画。妖精王と妖精女王の姿が描かれた物。

その両サイドにはランタンが設置されているんだけど、これはイミテーションなので明かりは点かない。

点かないはずなんだけど。


「な、何でランタンが光って……」


点かないはずのランタンが絵画を照らしている。


「この男がどうやら妖精を捕獲したらしくてね……その妖精の力を無理矢理に使っているようだ。全く、罪深いと思わないか?」

「だから、捕獲したんじゃないと何度言えば……!」

「えーと?」

「何、ここで此奴と顔を合わせて二言三言かわしていたら突然明かりが点いてだな。そしたら此奴が妖精に苦言を呈し始めて……」

「悪戯に点けて良いモンでも無いだろうが!」

「そもそも貴様のような奴に妖精の加護などあるものか!」


話がとっ散らかってて良くわからない。わからないが、ランタンを点けちゃった犯人はわかった。


「ちょっと!また君なの!?悪戯が過ぎるよ!」


ジークフリートの頭の上で王子にあっかんべーをしていた妖精に向かって言う。

妖精はこちらを見ると、ムスッとしたような表情になった。


『ダッて、こいつジークの悪口言うカラ、ムカついた』

「むか……このランタンは点けたらダメなやつなの!」

『ジークの家族、妖精、捕まえようとシタ。悪いことスルために。皆知ってルよ』


熱くなっている2人から話を聞くのと、妖精の言葉を解読するのはどっちが早いだろう。

と言うか、えーと、ジークフリートの家の話は確か……


「確か……ジークフリート……様、のお家は妖精学を熱心に研究されていたような……」

「流石。よく知っているね、妖精の寵愛を受けし子」


王子は乱暴にジークフリートから手を離した。


「しかし、ユークレース家が行っていた……とても良識からかけ離れた研究は知っているかい?」


あぁ、そうだった。ジークフリートの家の名前はユークレースだった。

そしてその名前は、この学園に来る前にも聞いたことあるぞ……


「……妖精を『材料』とした、妙薬の開発……」

「素晴らしい」


良くできました、とでも言いそうな王子は続けた。まぁ、声色に賞賛は全く入ってないっぽいけど。


「その妙薬は完成したのか?その妙薬のためにどれほどの妖精が居なくなったんだ?」


王子の視線はジークフリートに戻っている。


「その話は、直接は知らん。もう何代も前の……」

「あぁ、そうだろう。何代も前から続く貴様の家の罪だ!」

「……その家の研究成果を使って王都は発展しているはずだがな」

「!」


ユークレース家の研究は、とても人道的とは言えない物だった。

妖精は人間のように寿命が明確にあるわけでは無い。不滅ではないが、人間の理想とする『不老不死』には近い。

そんな妖精の身体を調べて、どうにか『不老不死の妙薬』を作ろうとした一族が居た。

それがユークレース侯爵家……もう随分前の話だけど。

内容の凄惨さと、伴わない成果が糾弾されて……今では当時の研究は行われていない。


けど、その研究の副産物で……王都では、安定して妖精の力を借りられる『妖精魔法陣』が普及したんだよね。

普段、僕達が授業で習うのは、妖精に直接依頼をする方法。内容は自由に設定出来るけど、意思疎通が出来なかったり交渉が上手くいかないと失敗する。

対して『妖精魔法陣』は、一般家庭に流通してる物だと見た目はお札みたいな感じで……決まった内容に対して、決まった対価を用意することで発動できる物だ。

ちょっと水を出す、ちょっと髪を乾かすくらいの風を出す、くらいならほぼ失敗せずに安定した出力を得られる。その辺に居る妖精の力を借りるので、まぁ妖精の機嫌が悪かったりすると失敗するけど。

ちなみに魔法陣に土地の情報が組み込まれてるので、王都以外では妖精魔法陣は発動させることが出来ない。その土地に合った魔法陣を組み直す必要があるらしい。


「(ユークレース家には妖精が見える人が居たんだろうな……)」


普通、妖精は見ることが出来ないのだから。

捕まえて、実験動物のように解体する。なんて事は不可能だ。


「罪を我が家に擦り付けて、王族の皆様は国の発展を喜ぶばかりか?能天気で不安になるね」


ジークフリートもなかなかに毒を吐くタイプだ。


「不敬だぞ貴様!」

「わー待って待って!……ください!暴力は駄目ですよ!」


不敬なのは同意するけど、王子の手が再度ジークフリートの制服に伸びたので、思わず止めてしまった。


「1つずつ確認して行きましょう!まず、ランタンを点けたのはジークフリート様に付いている妖精です!」

「ほう」

「その妖精は自分の意思でジークフリート様に付いてってるんです!王子様がさっき言ってたような、ジークフリート様が妖精を捕獲した〜みたいな事は無いです!」

「何……?」


王子が訝しげにジークフリートを見る。ジークフリートは呆れたように溜息をついた。


「だから言ってるだろうに……どうも思い込みが激しいですね、第2王子殿下は」

「何……!?妖精の寵愛を受けし子!何故このような不敬で罪深い家の者に妖精が!」


ジークフリートの過剰な毒吐きも気になるが、それ以上に王子のこの呼び方も気になる。


「僕の、名前は、アレンです!」


さっきから王子は僕を名前で呼ばず、『妖精の寵愛を受けし子』と呼ぶけど、どうにも此方を馬鹿にしている気がする。意識しているのかは知らないけども。


「平民の名前は呼ぶ価値が無いとでも!?確かにこの学園の生徒内では誰よりも貴方の地位は高いでしょうけど!小馬鹿にするのはやめてもらえますか!?」

「なっ……!?俺はそんなつもりは、」

「そんなつもりは無くても、受け取る側がそう感じるのが問題なんです!」

「はっ、なかなか言うなお前」


ジークフリートが笑うが、僕はジークフリートにも言いたいことがある。


「ジークフリート様もジークフリート様です!嫌味を混ぜたら話の本質が伝わらなくなるの、わかりませんか!?」

「は?」

「牽制の意味で!そうせざるを得ないような環境だったのかもしれないけど!」


間違えてはいけないのに。

『アレン』はこの2人の喧嘩を正しく止めないといけないのに。


僕は何を熱くなってるんだろう。


「表面的なことしか見えてない王子様と、表面的なことしか伝わらない言い方しかしないジークフリート様!そりゃ喧嘩にもなるでしょう!」

「表面的なことしか見えていない?俺が?」


王子の青い目が僕を睨む。怯むわけにはいかない。


「何処を見てそう感じたのか教えてくれるか?妖精の……」

「アレン!です!僕のことは『妖精の寵愛を受けし子』としか見てない!ジークフリートのことは『過去にヤバい研究をしてた家の人間』としか見てない!そのどちらも表面的なことでしょう!」

「な……何を……」

「貴方がいつジークフリートの内面を見ましたか!?『あの家の人間なら妖精を捕まえて無理矢理力を使ってるに違いない』、そう思い込んでたでしょう!」


王子が何か言いかけていた口を閉じる。図星だったようだ。


「妖精はそんな表面的なことは見てない!ジークフリートが大事にしている物を見て!どれだけ大事にしているのかを見て!自らついて行くことを選んだ!これについて、何の文句があるんです!?」

「た、高々侯爵家の人間が妖精の加護を得て、王族の俺が妖精の加護を……」

「妖精は、人間の、地位なんて、見てない!ジークフリートの思いが純粋だったからついて行ったんだ!」


ジークフリートの持っていたロケット。あれが何なのか、物語では描かれていただろうか?


「貴様、」

『アレン!』


妖精が珍しく鬼気迫った声を出した。

そして僕の後方で「ぐあっ!」という声がする。あと、地面に何か叩き付けられたような、鈍い音。


「え、何!?」

「……どうやら殿下の護衛だな。お前の口が過ぎるから、引き倒しに来たんじゃないか?」

「あっ!?ごめんなさい!大丈夫ですか!?」


見ると、確かに護衛らしき人が地面に転がっていた。

僕に何かする前に、妖精が先に吹っ飛ばしてくれたらしい。


「流石、妖精に愛された奴は何もせずとも守ってもらえて……」

「だからそれが嫌味混ざってるって言ってるの!嫌味言う必要ある?僕にここでわざわざ喧嘩売る意味何かあんの!?」


ジークフリートが一瞬きょとんとして、はた、と気付いたような顔をした。無意識というか、反射というか。ジークフリートの嫌味はどうやらそういう物に近いらしい。


「君は周りが敵だらけで、自分から棘のあることを言って周りを牽制したり、遠ざけたり、してたのかもしれないけど!」

「はぁ!?俺の何を知っているんだ貴様は!」

「ハッキリ言って意味無いから!嫌味しか言わない、くっだらない人間に妖精はついて行かないの、僕はわかってるんだからね!」

『ジーク、毎日綺麗にするノ。見えてないノニ、話しかけてくれルの』

「ジークフリートが毎日ロケットの手入れしてるのも、妖精が今教えてくれたから!」

「な!?おい、コラ!」


ジークフリートの顔が赤くなったが気にしない。


「互いに本音でぶつかり合ったことも無いくせに無駄に大喧嘩しちゃってさ!貴族社会では他人の顔色伺うのが常だろうけど、学園内ではせめて、そんなこと忘れれば良いのに……!」


本質を見たら、わかったら、案外わかり合えるかもしれないのに。


「表面しか見ないで、決めつけて攻撃するのなんて最低だ!」


あいつらのように




「もう……もう良い、わかった……」


疲労が混ざった溜息が聞こえる。王子だ。


「いや、俺は……わかっていないのかもしれないが」

「え……あ!?」


疲れた様子の王子を見て、僕の頭も冷静になる。

もしかしなくても、言い過ぎた!?


「いやあのすみません!僕、偉そうに説教みたいな……!」

「……少し、時間をくれないか。君の言葉を、理解する時間を……」

「えあっ!?」

「今、この場で……全てを受け止めるのは、俺には出来そうに無い……失礼するよ」


王子はそう言うと、どこか重そうな足取りで廊下の奥に去って行く。

ま、まずい、まずいぞ……!?


「……おい、」

「ひゃい!?」

「俺はお前に、名を呼ぶことを許した覚えは無い。しかも呼び捨てとは……」

「……あ、途中から呼び捨てしてた!?すみません!本当にすみません!」

「……まぁ良い。俺も、お前の言葉には多少……考えさせられる部分があったからな」

「そ、それはどういう……!?」


ジークフリートは突然フッと笑った。


「先程まで、俺や殿下に説教していた人間と同じとは思えんな」

「すみません、すみません!」

「『屑』と罵られたのは俺の方だったな」

「……へ?何が……」

「何でもない。せいぜい殿下の護衛に消されないよう気を付けるんだな、アレン」


ジークフリートも、王子とは別の方向に去って行く。

も、もしかして僕は……とんでもない間違いを犯したのでは……?


「……シーンが台無しだよぉ……!」

『アレン?どしタの?』


緊張から解放されたのと、久々に熱くなったのと、振る舞いを間違えたかもしれない恐怖で……僕は膝から地面に崩れ落ちた。






「すまなかった」

「……ひゃえ??」


数日後。僕は王子に呼び出された。

呼び出しに応じて、指定された部屋に行くとジークフリートも居て……

そして開口一番。王子が謝って来た。


「な、ななな、何を……」

「まずはジークフリート……私は貴殿を羨ましく思っていた」

「は?」


ジークフリートが素っ頓狂な声を出す。


「貴殿が妖精の加護を受けたらしい……という噂を聞いて、羨ましく思った……王族たる私は何の加護も無いのに、と。悔しさも、焦りも、色んなものが混ざった感情を貴殿に抱いた」

「……そうですか」

「あの日対面して、一端が溢れて……明かりが灯った時にはついに爆発した。過去の所業は、貴殿には直接関係は無いのに……間違い無くユークレース家の研究は、この国の役に立っているのに、だ」


ジークフリートが何か言いたそうにしているけど、なかなか言い出さない。頑張って言葉から嫌味を抜こうとしているのかもしれない。


「……まぁ、我が家が凄惨な所業を行っていたのは事実ですし、それを未だに咎める者が居るのも事実です」

「それを、王家の私が率先して行うべきでは無いはずだ」


顔を上げた王子は、悔しそうな、苦しそうな顔をしていた。


「私の勝手な思い込みで、貴殿の名誉を酷く傷付けてしまった。私が自覚している以上に、私は短絡的で、思い込みが激しいらしい……」

「……」

「これまでの非礼を全て詫びる。本当にすまなかった」


再度頭を下げる王子を見て、ジークフリートは複雑な表情をしている。


「……お顔を、お上げください、殿下……」

「ジークフリート、」

「貴方が自分を省みることが出来たなら……十分な成果があったでしょう」


ジークフリートは必死に言葉を探しているらしい。


「あー……俺への、謝罪の御言葉は頂戴しますがね」

「……そうか」


ジークフリートなりの、「もう気にしなくて良いよ」だろうか。


「……ではアレン、貴殿にも謝りたい」

「……え、僕!?何ですか!?」

「貴殿の言ったことが全てだったよ。私は貴殿のことを『妖精の寵愛を受けし子』としか見ていなかった。内面には興味が無かったんだ。ただ、妖精と意思疎通が出来る……都合の良い存在だと思っていたようだ」


言いたいことはわかるんだけど、改めて聞くとなかなかに酷い。


「あの瞬間、貴殿は私の本質を言い当て、叱りつけた」

「叱り……えぇー……まぁ、そうですよね、そうなりますよね……」

「……貴殿にはわかるだろうか?私に本音をぶつけてくれる人間は、貴殿が思うよりも遥かに少ないんだ」


そりゃ王子様だからね。甘やかされて、とまでいかなくても、かなり気を使われて育って来たことだろう。


「本音でぶつかる……それが、どれほど得難い物か……」


王子の声が少し震える。そして、表情を隠すように頭を下げた。


「……貴殿の言葉で、私は自分の考えの偏りを知ることが出来た。本当に感謝する。そして私の言動、態度の非礼を詫びたい。すまなかった」

「あっ、いえ、そんな……とんでもないです……」

「……これは本当に私の我儘なのだが」

「え?」


顔を上げた王子は泣きそうな、でも少し微笑んだような顔をしていた。


「……アレン、君には、私に本音をぶつけてくれるような……互いに本音を言い合えるような、そんな関係でありたいと思っているよ」

「……え!?」

「そして、ジークフリート……出来れば君とも、腹を割って話せるような関係でありたい。既に、取っ組み合いをした仲だからな」


その言葉に、ジークフリートは眉間に皺を寄せた。


「……俺は貴方に手を出してませんが」

「これからは遠慮せずに出して欲しいものだ」

「えーと、あの、僕、ほんとにそんな、お役に立てるようなことを言えるわけでも……」


しどろもどろな僕に王子は笑う。


「何を言う。君の視点は、意見は、私にとってはとても斬新で刺激をくれる」

「こ、これって褒められてる!?…ですか!?」

「俺に聞くな。取ってつけたように敬語を使うな。」


失敗した、と思っていた。でもこれは。まさか。


「アレン、ジークフリート、俺の名を呼ぶことを許そう」

「ひゃえ」

「……それは光栄なことで」

「この先の学園生活でも……是非俺と切磋琢磨し、高め合ってほしい」


これは……『親友』ルートに入ったのでは!?


「……あ、アドルス、様……」

「うん、どうしたアレン?」

「……僕、まだまだわからないことだらけで……ご迷惑をかけちゃうかもしれないんですけど……」


王子の顔は、あの絵画の前に居た時と比べものにならないほど、優しい。


「……僕の知らないこと、沢山、教えてください」

「無論だとも!」

「僕も、必ず貴方の役に立ちます、頑張ります……!」


王子の顔がパッと笑顔になった。


「あぁ!頼りにしているぞ!」

「はぁ……ま、ご随意にどうぞ、とだけお伝えしておきます」


ジークフリートは呆れたような、もしくは諦めたような溜息をついた。


「頼りにしているぞ、ジークフリート!」

「どうだか……」


良かった!この流れなら親友になれる!

もう二度と、あんなに物語に無いような演出は入れるもんか!


いつも笑顔で、底抜けに優しいのがアレンなんだから!



王子とジークフリートがそもそも何で犬猿の仲だったと言われていたのか。

それはいずれ番外編にて。多分。

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