表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

第1話 異世界との融合

異世界との融合


その日、世界は一変した。

青空を引き裂くように出現した巨大な裂け目。

その向こうには、異世界のような風景が広がり、重力を無視して浮かぶ塔や、見たこともない生物が蠢いていた。

突如として始まった非日常。人々は何が起きているのかも分からず、ただ恐怖に飲み込まれていく。


大地は大学からの帰り道だった。

街中が警報の音で満たされ、スマートフォンには「避難してください」の文字が繰り返し表示されている。

しかし、現実感のない状況に、誰もがただ立ち尽くしていた。


大地「何だこれ…夢か?」


そうつぶやいた瞬間

建物の壁を

突き破って現れたのは

巨大な四足歩行の

生物だった


黒い甲殻に覆われた体躯は見るからに硬そうで、赤い目は獲物を狙うように光っている。

咆哮と共に、周囲のガラスが粉々に砕け散った

その音に、大地はようやく足を動かした。


大地「逃げなきゃ!」


全速力で走り出すが、どこへ向かえば安全なのか分からない。

街全体が混乱と破壊に包まれていた。

さらに奥の通りからは、別のモンスターが現れ、道を塞ぐように暴れている。

その光景に大地は立ち止まってしまった。


大地「嘘だろ…こんなの、どうしろってんだ…」


次の瞬間、背後から巨大な咆哮が響いた。

振り向くと、先ほどのモンスターが大地を目がけて一直線に迫ってきている。

足がすくみ、体が動かない。

恐怖が全身を支配し、絶望的な思いが脳裏を駆け巡る。


その時だった。

光の中から、一人の少女が現れた。

銀色の髪が風になびき、まるでその場に降り立った天使のような佇まいだった。

彼女は大地の前に立ちはだかり、冷静な声で言った。


レイナ「動かないで。ここは私に任せて」


その言葉に、不思議と安心感が湧いた。

彼女は片手を掲げると、眩い光が集まり始める。

光が形を変え、剣のような武器がその手に現れた。


モンスターが襲いかかろうとする刹那、彼女は一瞬の隙も見せずに剣を振るった。

鋭い光の刃が、モンスターを一刀両断する。

轟音と共に、倒れ込むモンスター。


大地はその光景を呆然と見つめた。

信じられない。これが現実なのか。


大地「す、すごい…」


彼女は剣を収めると、大地に向き直り、静かに言った。


レイナ「あなた、宮本大地ね?私には分かる。あなたが『選ばれた者』だということ」


大地「選ばれた…?どういうことだよ」


レイナ「話している時間はないわ。この世界を救うには、特別な力が必要なの。

そして、その力を受け継ぐのはあなた」


その言葉に、大地は何も返せなかった。

突然現れた少女に告げられた自分の使命。

彼女の言葉の重みが、胸にのしかかる。


レイナ「ここから逃げるつもりなら、今すぐに言って。

でも、もし戦う気があるなら、この力を受け取って」


大地「戦う…?俺が?こんなの、無理に決まってるだろ!」


大地は叫ぶように否定した。

だが、彼女の瞳は揺るがなかった。


レイナ「あなたが立ち上がらなければ、この世界は滅びる。それだけの話よ」


彼女はそう言うと、手を大地の胸元にかざした。

その瞬間、再び眩い光が彼の体を包み込む。

熱が胸の奥から広がり、全身に何かが流れ込んでくる感覚があった。


光が収まると、大地の右手には奇妙な形をした武器が握られていた。

鋭い刃が幾何学模様を刻み、青白く輝いている。

それは、異世界の力を宿す武器「キー・アーム」だった。


大地「これ…なんだよ…」


レイナ「それが、あなたに与えられた力。その武器を使いこなすことで、この世界を守ることができるわ」


しかし、大地にはまだその力を使う覚悟がなかった。

目の前の武器が、自分のものだとは到底思えなかった。


その時、再びモンスターの咆哮が響く。

別のモンスターがこちらに迫ってきていた。


レイナ「さあ、大地。あなたがどうするか見せて」


大地は迷い、震えながらも、武器を構えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ