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9.再び春

(1月)になったので、また種まき芋植え季節になった。

畑に我が家族4人で出て来て、僕が魔法を使う。

「もーりもりー」

畑に畝が出来て等間隔に穴が開く。

芋植える。

土かぶせる。

終了。

翌日、爺ちゃんの畑へ・・・・。

爺ちゃんは種芋の籠の横に立っていた。

畑は手つかずで。

耕してないんかーい!

…では早速。

「もーりもりー」

こちらも1日で芋植えは終わった。


5日後“麦焼酎”が来て僕を連れていく。

「もーりもりー」

1回で全35面の麦畑の耕しが終わってしまった。

ここで『アレ?』と気が付いた

去年の夏にはその前と同じ分しかできなかったけれど、今回は1回で全面出来てしまった。

しかもあのへんな感覚がない。

“ニコッ”

と笑顔で振り返った。

麦ファミリー固まっていた。

種まき要員の村民たちも固まっていた。

うちの家族は通常運転。

静まり返った麦畑に可愛いセーラの笑い声が『キャッキャ』と聞こえる。

セーラの『キャッキャ』の声に“はっ”と気づいて種まきを始める村民たち。

そして僕たちはすぐさま帰宅。

今回も、3日は掛かると予定されていた作業が一瞬で終わってしまったからだ。

今日はもう予定が無いので普通は帰るよね。



この頃、違和感が。

僕が3か月のセーラにかける、“きれいきれい♡”の使用回数が減ってきたのだ。

1日に6回前後だったのが今は1回か2回。

楽になったのは良いが気になる。

妹を観察する。

あっ、踏ん張っている。

スッキリした顔になった。

その瞬間、ぼやーと光がセーラを包み込んで消えた。

臭いはしない。

妹は何事も無かったように“キャッキャ”している。

「母ちゃーん、セーラ魔法使っているよ。」

「「えっ!?」」

両親はギョッとした。

じっと見ていたがもう既に出るものは出た後なので変化がない。


しばらくした後、セーラのチュパチュパタイム。

「母ちゃん。セーラ魔法するかも」

と言ったら両親はハッとしてセーラを見つめている。

すると再び踏ん張るセーラ。

じっと見つめる僕たち3人。

『いや~ん、見ないで~。』

という羞恥心は皆無の赤子なのでスッキリした顔になった途端、

「「光った・・・。」」

「うん、“きれいきれい♡”だね。」

そして即寝てしまった。

たぶん魔力切れである。

だが両親は、セーラが満腹&スッキリで気持ちよくなって寝たのだと思っているみたいだったが、僕はそれが魔力切れだと判断した。

僕は自分のせいで、セーラがマズイというかヤバイ状況になってしまうのでは、と不安になってしまうのであった。

ただセーラは毎回排泄のたびに“きれいきれい♡”を受けてその効果・効能を無意識に理解し、覚えてしまった。

その為排泄後、条件反射で“自分自身”に“きれいきれい♡“をするようになっていたのであった。

自分の意志で魔法をかけていたのではなかった。

それでもヤバイ状況である。

大きな屋敷なら良い‥いや良くない、便所の隣で常に待機している便所浄化専属魔法使い・・・。

大きくなったら他の魔法を教えてあげるから許して。

ちなみに“きれいきれい”は父ちゃんはもちろん母ちゃんですら出来なかった。

発動する以前に魔力量が絶望的に足りないのだ。

ただの“きれいきれい”1回分は一般的な浄化魔法の軽く1000倍は超える魔力量が必要だというのが、後々判明する。

便所1か所 < 我が家1件 < 領主馬車 ≦ 赤子セーラ < 大人1人 < ウシ馬鹿1頭

という消費魔力量レベル。

生き物の大きさや装飾品やら素材の種類やら可動部分の状況などが魔力の消費量を決めるみたい。

ただの“きれいきれい”は生き物の体の表面の汚れには作用するが、体内には影響がない。

ただ後ろに“♡”が付くだけでとんでもない性能を出すふざけた魔法だった。

今の時点では

「領主馬車50セットくらいは余裕でいけますよー。」

自分で言ってみてちょっと引いてしまった。


イーヒッヒッ、でもどこまで魔力量が増えるか楽しみだねぇー。


年齢時期で比べると、魔力量は断然セーラの方が多い。

僕が同じ時期というか生後5か月(半年)の時には水滴魔法だった。

水1滴を作るのに使用魔力量1と仮定すると

便所に限る通常浄化魔法で5,000(5千)くらい。

ということはセーラの1回の“キレイキレイ♡”使用魔力量は

えーと…“♡”無しで1,000倍以上だから・・・。

5,000,000(500万)を軽―く上回る。

生後3か月なのに、既にぶっ飛んだ能力だ。

魔法2回に1回は寝るので、既に1,000万は超えている。

あ、でも元々キレイだったり、健康で疲れも無い状態であれば、ある程度は使用魔力量の消費が抑えられる(感覚的に約半分位だと思う)なので…それでも500万Overは確実だ。

適当に数値化しての単純計算で母ちゃんの250倍以上の魔力量を持つセーラ。

頻繁に魔力切れ睡眠をしているので、毎日確実に魔力量が増え続けているはず。

僕より速いペースでだと思う。

しかもスタート時点でこの差。

本当にゲームとかでよく目にしたステータスを数値化したのを見てみたい。

恐ろしいことになると思うが興味は物凄ーくある。

そして更に僕と同じで、魔力切れに関するこの世界で今までの一般常識が当てはまらない。

だって普通に気持ちよさそうに寝ているから。

“きれいきれい♡”ではなく“きれいきれい”の方を使っていれば良かった。

前にも説明したが、前者は体内にも影響が有り、後者は体表のみであるから。

後悔先に立たずである。


次の日初めての体験をする。

略して“初体験”だ。

セーラを抱っこして座っていると、セーラの“きれいきれい♡”が発動。僕も光に包まれた。

昨日1回くらいでは魔力切れを起こさなかったセーラが眠ってしまった。

他人に“きれいきれい♡”をかけてもらったのは初めてだ。

こんなに気持ちのいいものなのかと初めて知った。

いうならば、温泉に浸かり疲れをいやしている感覚。


今回、セーラは条件を指定できないままで無意識に魔法を使っているとを改めて思い知らされた。

下手すりゃ、魔力だけ使い切って効果が出なかった、なんて事になりかねない。

複数人とくっついていたら、一瞬で魔力がすっからかんだろう。

なんとかしたい、してあげたい。

そのうち。


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