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75.僕も聖都観光

次の日、見習いの若い人達が大勢やって来て、“えぇーゆだなぁー”の発音チェックをした。

お風呂効果の為全員きちんと発音できていた。

なので、先行組の聖女様達に見習い達の魔力量アップを手助けする1日になる。

そしてこの日は僕も聖都観光へと行けた。

街の中の建物の外観は、基本スタイルが統一されているので、どこが違っているか間違い探ししているみたいで楽しかった。

食べ物もノードスカー王国と違って、この世界に来てから始めて見る食材もあった。

「米・大豆・味噌・醤油・ソース・米・・・」

と呟きながら露店や店舗を見て回る。

屋台で食べたケッケ肉の串焼きはまんま塩味の焼き鳥だった。

一緒に買ったブーモの肉は豚肉と同じ味だった。

ブーモの見た目はケッケとほぼ同じだが、違いは嘴が尖っていればブーモだそうだ。

気性が荒く鋭い嘴で突いてくるから飼育には危険を伴うそうだ。

特に絞める時の暴れっぷりは、こちらの命の危険があると言っていた。

お互い命のやり取りをしているのね。

ケッケ肉とブーモ肉は、ほとんどオスのものだ。

メスは卵を取るのに大事にされている。

「へーそうなんだ。」

ケッケとブーモの串焼きを食べている僕に店のおじさんが説明してくれた。

僕は再び

「米・大豆・味噌・醤油・ソース・米・・・」

と呟きながら露店や店舗を見て回る。


裏路地をしばらく散策していると、営業しているのかしていないのか判断のつかない店を見つけた。

僕は、その店に入って行く。

「こんにちわー」

「お、いらっしゃい。何かお探しかな?」

「米…じゃなくて、醤でなくこの辺では手に入らないような調味料とかを探しているの。」

「どんな調味料だい?」

「黒い液体?」

「今有るのはそこの棚にある3種類だね」

それは”ラーム“・”リーム“・”レーム“という名だった。

ラームは酸っぱい匂いがして、匂いを嗅いだらこれは黒酢っぽい。

リームは…よだれが出てきた。

ほぼ醤油っぽい匂いだ。

レームは…ウスターソースだな。

「これはこの町では、どこでも手に入るの?」

「北の小国群の中の一国で3種類とも作られているそうだぞ。匂いが旨そうだから仕入れたが味が強すぎて使い方がよくわからんし、金額が高いから全然売れなくてな。」

「いくら?」

「一つ金貨2枚だ」

一本20万

「いくらで仕入れたの?」

「3本まとめて買うと言って何とか値切って金貨6枚だった。」

「全部ちょうだい。」

「「「え?」」」」

店主と一緒にいた父母が聞き返した。

「3本全部ちょうだい」

「良いのか?」店

「ジョンが言うってことは絶対必要なんだろうな。」

誰が見ても農夫にしか見えない父が金貨6枚を店主へ渡した。

「なんで?そんなにあっさりと…」

「僕これを探していたの。それとお話ありがとう。」

と言って父にもう一枚金貨をもらいお礼として渡した。

「こんなに要らんよ。」

「リームと他に変わった物を仕入れたら教えて欲しいので予約料ってことで。」

「じゃぁありがたくもらっておくな。」

そして握手と同時に“かいわする”をかけた。

「僕ジョンって言います。珍しい物入ったら僕を呼んでね。」

「お、おう、俺はソルスっていうんだ、よろしくな。」

店を出てすぐに

[ソルスおじさん聞こえる?]

『ん?何か聞こえるぞ』

[さっきの魔法で離れていてもお話しできるようにしたから、よろしくね。]

『あ、ああ、こういう事か、なるほど、わかった。』

「米・大豆・味噌・米・・・」

醤油とソースが手に入ったのでウキウキになった。

この足で先ほどのケッケとブーモの串焼き屋に行き塩のかかっていない、焼く前の串肉を大量買いした。

昼過ぎ“らぷ号”内の冷凍庫にびっしりと串肉を保存し教会内に入る。

見習い達はかなり魔力量が増えていた。

でも今日のモノにならなさそうだ。

「本日の浄化埋葬は23組です。」

浄化埋葬の受付担当者が僕に言ってきた。

3日目にして僕の浄化埋葬が当たり前になった様に言われた。

「今日は聖女様にお願いしようかな?」

通常浄化埋葬は男の仕事だ。

だって穴穂って遺体を埋めて、浄化しきるまでずっと遺体に触れていなければならないからだ。

しかし、“きれいきれい♡”による浄化埋葬は、遺体を埋める必要が無い。

更に、あのキラキラギミックは幻想的だから、聖女様が行うと印象がもっと良くなると思う。

「やってみますわ。」

と言って浄化埋葬の場所へと移動した。

「きれいきれい♡」

おっと、いきなり魔力切れっぽい。

僕が“えぇーゆだなぁー”で魔力回復をしてあげた。

2件目・3件目と浄化埋葬をしていき、その都度僕が魔力回復をする。

12件目が終わった段階で何となく次は2回浄化埋葬できそうな感じがした。

13件目・が終わっても僕の回復魔法がかからない事に疑問を感じて

「あの…魔力回復を…」

「たぶん、もう一回は大丈夫だと思うよ。」

「…では頑張ってみます。」

14件目完全魔力切になりそうだったので、すかさず“えぇーゆだなぁー”をかけてあげた。

聖女様も光った。

始めて見た人はその神々しさに、聖女様に対してお祈りを始めてしまった。

戸惑う聖女様。

完全魔力切れからの回復は、自分の体験上、魔力量が倍になる。

次はうまくいけば4件行けそうだ。

「つぎから4回連続で頑張って。」

15件目から17件目までの3回は問題なく浄化埋葬が出来た。

18件目で再度完全魔力切れになりかけた。

僕はしっかりフォローしたよ。

「次からは7回は問題なく出来るよ。8回はきびしそうだね。」

「何で分かるのですか?」

「感覚?小さいころからの経験上?かな。」

「ジョン坊その所くわしく。」

魔王様(ジョルじいちゃん)からKWSKいただきました。

あと5回で今日の分が終わるから僕が居なくても良いよね、という事で移動する。


僕は魔王様(ジョルじいちゃん)に会議室へ連行され、そこで僕の今までの実験に次ぐ実験による自分なりの答え、考えを語った。


僕、今5歳。


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