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73.王都からソナント間の一部アラスタ化

時間軸が入れ替わるが、王都議会の大物大漁騒ぎが終わってアラスタへ帰ったら、既に畑作業が終わっていた。

父母に聞いたら僕とほとんど変わらなかったと言っていた。

“らぷ号”に全員乗ってタルタンへ行き、妹達に耕耘種蒔き魔法をやってもらった。

うん、全く問題なしだった。

モーラストも速攻で終わらせた。



畑魔法から数日経ったある日『野盗捕まえたから運べる何か持って来て』と王様から念話が入り、ソールトへ行き、領主様(アストール)に事情を…というよりも同時念話だったので、既に荷車が用意されていた。

そしてなんやかんやで王都に着いた。



浄化反対派貴族が全員刑務所行きに(いなく)なったので、残りの貴族街の浄化だ。

今回は僕一人なので、一軒一軒の区画ごと“きれいきれい”をかけて行く。

空き家になった旧貴族邸も次の人のためにと“きれいきれい”する。

最後、道に“かいてきどうろ”をかけ、終了。

王都からの帰りは、都市間街道に“こくどう”をかけ、ソールトまで街道を通って帰る。

王都ノードスカーを出発、エームの街・レナントの街・メイル村・ナートルの街・ソイッサの町・ケイロンの街、そしてソールトへ帰る。

各都市はしっかり結界もかけた。

“かいてきどうろ”は都市内建物の浄化という名の魔改造が終わってからにする予定だから今回は無しだった。

帰路の途中レナントでは、護送で使った荷車を回収。

僕は、この荷車を護送車に魔改造するためアラスタまで持ち帰った。

大工さんに、荷車の中央部に人が入れるだけの小さな小屋を作ってもらった。

見た感じ、現代版仮設トイレだ。

扉を4面ともつけてもらった。

強度的に無理がありそうな見た目。

護送荷車・護送車の外観が出来た。

もちろん内部拡張はするよ。

久々の“異ジョーン“モードで。


1 内部は囚人の個室(独房)広さ約3畳で個室間は壁、通路面は格子間隔(ピッチ)が約10㎝で太さ2㎝金属製全面格子壁。

2 食事は隙間からパンとか入れればいいから開け閉めできる場所が無い。

3 看守が見やすいように円形の外周に囚人達の部屋が並んでいる。

4 1フロア44室の3層、計132部屋

5 中央には中央監視室という看守の部屋があり、囚人側からは中は見えない。

6 中央監視室の一室は360度全面モニターになっていて寛ぎながら監視が出来るようになっている。

7 中央監視室からは壁をすり抜けて囚人の居るフロアへと出入りできる。

8 中央監視室の下階(1階)は生活空間となっていて形状は正方形の部屋の高さが3m弱。

9 1階の生活空間は、一部屋がビジネスホテルのツインが20部屋、シングルが20部屋の計40部屋で各キッチンと風呂とトイレが完備されている。

10厨房と共同風呂場、共同トイレもある。

11 上下の移動は円形中央部の床が上下に動くエレベーター式

12 専用のカードを持っていると外部との出入りが自由にできる。各階の円形収監所の十字方向の各壁に扉がありそこが外部との出入り口になる。

13 専用のカードを持っていない者が内部に入ると、入った順番に各部屋に自動的に転送される。

14 独房から囚人を出すときはカード持ちの看守がそのまま檻の格子壁に進めばゴムの様に格子が変形し囚人と一緒に壁に近づけば扉が現れ外へ連れ出す事が出来る。

15 護送車への襲撃に対しては、扉から内部へと侵入した時点で、各空き独房へと割り振られる。

16 独房内からは外へ向かっての全ての行為が不可能となる。


こんなもんかな。

「改良するぞー!“いどうけーむしょ”でどうかな?」

変化が無い。

「うーん。じゃぁ“ほいほいごそうしゃ”」

光った。

適当に扉を開く。

中は真っ暗だ。

僕のポケットがズシリと重くなった。

ポケットに手を入れ中のものを取り出す。

カードの束だ。

カードは50枚有った。

さらっと見ただけでは全て僕の名前が書いてあった。

後ろからのぞき込む領主様(アストール)

僕の説明を聞かず先に入って行ってしまった。

僕は慌てて後に着いてすぐに入って行く。

僕は1階の居住部のスペースの玄関前にいた。

とりあえず廊下正面の中央エレベーターのある所まで走って行き、2階へと上がる。

中央監視室に着いた。

360度全面モニターの部屋だ。

“1-1”という文字が光っている。

「アチャー、やっぱり…。」

1-1室の映像が映っている壁に向かって行き、壁を擦りぬかける。

中央監視室の外側からは僕が壁をすり抜けて出てきた様に見えただろう。

1-1に収監されてしまった領主様(アストール)の所へ行き、格子を“ぐにゃり”と曲げ中へと入る。

「いきなりこんな所に出たが、これがそうなのか?」

「えっと、まず最初にコレ持って…」

とカードを1枚渡すそうとしたが、領主様(アストール)の手はカードをすり抜けて掴むことが出来なかった。

「一旦出よう。」

と手を引き格子とは反対側の壁へ歩いて行き壁をすり抜けた。

無事2人とも外に出る事が出来た。

改めてカードを渡す。

するとカードの名前の所が“アストール・ソ・ナント”と変化した。

「あっ!」

手が滑ってカードを落とし…胸元で留まった。

社員証を首からぶら下げている感じの様になっていた。

紐は無い。

僕は手に持っている49枚のカードから手を放す。

49枚のカードを首からぶら下げている感じで空中に留まっている。

このカードはそういう仕様なのね。

改めて領主様(アストール)と中へ入る。

やはり最初は居住区の所だ。

部屋の壁には開かない窓があり、そこには小屋の扉部からの外部風景が映し出されている。

カーテンを閉めれば気にならなくなるね。

居住部を一回りした後中央エレベーターに乗る壁は透明の筒状になっているので押しつぶされたり、突き上げられたり、とそうならない様になていた。

2階3階4階の造りは全く一緒。

壁面全面モニターへ歩いて行き、すり抜ける。

そして回れ右して壁をすり抜け中央監視室へと入ってくる。

カードを持っていると壁が透けて見えるので中の人とぶつかることはまず無い。

「囚人を外の扉から中に入れたら勝手に部屋に割り振っていくから、楽ちんだけど、ここから出す時は一人ひとり出さなきゃならないよ。」

「脱走対策としても、それで良い。」

「一部屋1人用だから最大132人移送できるよ。」


「・・・・・」

「カード持っていないと自動的に空いている1部屋に入っちゃうから、脱走を外部から手助けしようとしても、できないようにしたよ。」

「あ、あぁ…、今体験したから。で格子の外に手が出せなかった。まるで壁が有るみたいだった。」

実際の使用者からの感想が聞けた。

「とりあえずコレで良いよね。」

「まぁ、そうだな、良いな。」


そして移動式拘置所(?)みたいな護送荷車“護送車ごそうしゃ”を王都へと持って行く。


訓練場でお披露目。

言葉での説明後

数人の屈強な兵士がカード無しで中に入り、僕・王様・魔王様(ジョルじいちゃん)領主様(アストール)・ジョン法務大臣・警備隊長の6人で中に入り居住区から順番に案内した。

最後に独房に一人ひとり隔離されていた兵士を外へと連れ出し、感想を聞く。

壁や格子部を蹴っても殴ってもびくともしなかったそうだ。

身に着けていた武器類は格子の外側に纏めて置かれていたので、扉を潜った瞬間に分離されたみたいだ。

再びカードをよく見ると、僕の名前の下にものすごく小さな文字で“グランドマスター”と書かれていた。

王様のとかの配った他の5枚には“マスター”と書かれていた。

僕の持っている残りの44枚を警備隊長に渡し、管理をお願いした。

「これは護送用の荷車…で良いのか?」

「護送車でいいよ。」

「性能を実証してみたいが…良いよな!」

王様の鶴の一声で野営が決定してしまった。


第二王城(キャンピングカー)と護送車の2台で結界の終わっていない、川から西の地区へと行きいかにもっぽい野営場所で“ほいほい”を設置。

メイドさん達にに外で野営をしてもらう。

もちろんカードを持っている。

日が暮れた直後8人の野盗が現れた。

「今回は当たりだな。」

と下卑た笑みを浮かべ剣を片手に近づいてくる。

「キャー!」

と計画通り叫びながら“ほいほい護送車”へと入り戸を閉める。

ちなみに僕たちは中央監視室で外の状況も見えていた。

3人が“ほいほい”に入ってきた。

「あー壁からあんな風に出てくるんだ。」

「へー武器は床からあんな風に出てくるのですね。」

「ほーあ奴ら何か叫んでいるみたいだが、静かなもんだな。」

「おっ、外の残りの連中何か叫んでおるぞ。」


「親分、なんか静かになりやしたね。」

「ちっあいつら何やってんだ。」

と言い頭っぽいのがホイホイに入ってきた。

しばらくして残りの4人もホイホイに入ってきた。

王様もおとり役のメイドもお腹を抱え涙を流して大笑いしている。

もちろん僕もこんなにうまくいくとは思っていなかったのと、野盗の間抜けっぷりに笑ってしまった。

皆で1-1~1-8のの8部屋の前へ行く。

今回は各部屋前の床面に収監者の情報が表示されていた。

僕達はそこへ近づき、床の文字を見る。

その状況を見た収監者は格子の前の床に視線を落とし、驚愕の表情になった。

そして大人しくなった。

遮音されていたから最初から静かだったけれどね。

「けっこうな大物が釣れましたな。」

「これ、犯罪者の護送として申し分なさそうだな。誰をいつどこへ護送するか細かい予定を公表すれば…国民が住みやすくなるな。」

こちらの声は向こう側へ届くので、“頭”と呼ばれていた男が何か叫び、暴れ始めたた。

僕は格子のすぐ目の前まで行き、耳たぶに手を当て首を傾げた。

“何言っているのかな?よく聞こえないんですけれどー”というジェスチャーだ。

いい加減疲れてきたのか暴れ方が大人しくなったので、

「“せかいひきまわし”」

聞こえないが“あばばばば”と言っているみたいだ。

僕が中に入り紐を引いて痺れて動けなくなっている囚人を引きずって格子から出てくる。

首札と床面に書かれていた内容は一緒だったが、首札の方がより詳しく知ることが出来るため、このようにしたのだ。

「俺は何も言わねー」

と言いだんまりを決め込んだ。

「大丈夫、何もしゃべらなくても良いからね。“ポティ”おじちゃん。」

「!!」

「ゲルトはもう捕まえてあるからね。それと人攫い貴族〇〇とそこの人達全員捕まえたからね。安心して黙っていて良いよ。」

「え?」

「あれー何も喋らないんじゃなかったっけー?」

「本当にあのゲルトが…」

「うん。」

「ゲルトをここに入れて世界中連れまわしたら大漁に釣れそうだな。」

「コレ入りきるかな?」

「間違って入っちゃった人も一旦床の文字見てから出す出さない判断したら良いかも。」

「残りの7人も拘束してくれるかな?」

「一人、試しにこちら側に連れてくるとどうなるかな。」

「ジョンが判らないって…。」

「とりあえずあいつにしてみよう。

1-1に入っている人を連れ出そうと考えたが、拘束していない為危険と判断。

この辺を改良と思ったら両端の格子が赤くなっていたのに気が付いた。

赤くなっている格子に手を触れた瞬間中の人が光って拘束衣に包まれ首札が垂れ、

“あばばばば”という声は聞こえないが痺れ始めたみたいだ。

中に入り紐を持ち引きずり出す。

引きずり出す時は格子がぐにゃりと曲がって、問題なくこちら側へと連れて来れる。

部屋の端の格子は“せかいひきまわし”と同じ効果を起こすスイッチみたいなものだった。


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