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71.力が有っても

7人の貴族邸での証拠は、首札のおかげですんなりと集まった。

犯罪行為に加担していた家臣も一緒に捕縛した。

7人のうち1人はソールトの人さらいの首謀者だった。

そこの地下室へ行くには何重にも偽装されていて、感心するほどだった。

30人ほどが地下牢に奴隷化されて監禁されていた。

監禁されていた3人は手足が切り落とされて目も潰されていた。

この3人以外で、酷い拷問を受けていたらしく、まだ生きているのが不思議なくらいの有様だった2人が小さい木箱に入れられていた。。

僕は見た瞬間、勝手に“きれいきれい♡”をかけた。

魔王様(ジョルじいちゃん)。」

こくりと頷く魔王様(ジョルじいちゃん)

「「えぇーゆだなぁー」」

一人ずつ5人に二重詠唱の魔法をかけて行き、失った部分の再生を行った。

その状況を間近で見ていた王様始め他議員や近衛兵、犯罪首謀者である犯罪貴族議員達。

この世界では未だ不可能とされている体の再生魔法の初めての目撃者となったと思っているであろう人達。

モーラストの村民が第1号だからね。

後で、僕一人でも出来る体の欠損部分を再生する魔法を考えようと心に決めた。

魔王様(ジョルじいちゃん)と王様と領主様(アストール)は以前、ジョン達の話で聞いて、知ってはいたが実際目の前で起こった欠損部再生の目撃。

一人では再生できないという(現時点での)現実。

そしてその魔法が使えるのが、魔王様とジョン4兄弟の5人だけ。

秘密にしなければ他国に狙われる恐れがある。

が、当の本人は、そんなことは気にしていない。

どんなに相手が権力や力を持っていても、悪人に対しては絶対に逃がさないぞという気持ちだから。

まだ5歳だけどね。

顔をさらしてしまったが、今ここにいる全員は僕に危害を加えることは絶対に無いと言い切れる。

というより、僕を守る方を優先するだろう。

危害を加えようとしたら、あいつらみたいに捕縛され、気に入られたら、欠損も再生できるくらいの治癒魔法をかける事に躊躇しないからだ。

敵対する意味がない。

僕は本当は気に入るとかじゃなく、普通に“困っていたから助けた”程度の感覚なんだよね。


僕を消そうと考えていた元(?)犯罪貴族議員も、想像をはるか彼方に通り過ぎて地球を一周して更に追い越してしまう規格外ぶりを発揮しっぱなしの僕を見る目が恐怖に慄いている。

だって一人ずつ2m高さから石の床へ、拘束衣のまま、いきなり落とされる。

そして縛っている紐の先が人以外の物に触れると、ビリビリとした激しい痛みが全身を駆け抜ける。

言葉で聞いたがこの不思議な魔法が解除されるまで他の魔法が使えないし、かけてもらう事が出来ない。

魔法を使おうとすると,効果が発揮されることなく、その分総魔力量が減ってく。

食べ物を食べなくても、回復する自らの魔力が延命に寄与し、絶対に死なない・死ねない。

切り傷などは勝手にジワジワ治癒し、致命傷は致命にならない程度に瞬時に治る。

首を取り外し首札を外す行為はすなわち”死“だ。

そもそも首に剣を振り下ろしても剣が通過した直後に治癒してしまうから、切られながら刃が通過した感覚が残るだけで、首札を外す事が出来ない。

被害者との完全和解で自動的に解除される為、被害者がもう見つからない場合ほぼ永遠に生き地獄をを味わう事が決定的となる。

通常、痛みは慣れていくものだが、絶対に慣れない様になっているからね残念でした。


捕まった7人は理解した。

あの“ゲルト”が簡単に捕まって拘束され、逃げることが不可能な状態にある事実に。

そして自分たちも同じ立場になった事に。


ここノードスカー王国では小さい犯罪は起きるだろうけど、極悪犯罪は無くなったと思っていいだろう。

後は外国から来る極悪人に注意すればいい。


で捕縛された7人の貴族議員以外の満場一致で王国内の全都市の結界魔法を奨励する事となった。


って、それって全部の都市へ僕が行かなければならないの?

まぁ、そうなるわな。

でも僕には“らぷ号”が有るから快適に移動できるのだ…。


『アラスタから魔王様(ジョルじいちゃん)のホームタウンまでキューに乗れば1分しかかからないけどね。ポムだと2分か。』

「「何?1分?2分」」

あ、気を抜いたら心の声が漏れちゃった。

「うん、さっき魔王様(ジョルじいちゃん)の街の近くまで行って帰って来てこっちに来たんだよね」

言葉だけ聴けば僕が一人でとんでもない距離を1分で行き来できる化け物に感じるだろう。

「このキューに乗るとその位で走っちゃうよ。」

キューも狙われてしまう発言をしてしまっている事に全く気付かない僕“ジョン”だった。


翌日、ソナント領以外の王都内全都市へ結界魔法をかける旨の書簡を各領主充てに送ったそうだ。


僕達が王城正門から出るときは、入城記録が無かった為、ほんのちょっとだけ揉めたのは少しビビった。

僕も犯罪者になっちゃうの?ってね。


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