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51.盗賊の護送

とりあえず衛兵の“ジャン”と馬の“ケール”はソールトへ戻る事となった。

戻った後のことを考えると、浮いたままでは困るので、魔法解除したままだ。

ここからは、領主(エストール)様はタルタ(カスケード)に乗り、僕とアレックはエラに乗り、再度“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”の魔法をかける。

このふざけた魔法のせいで、直ぐに王都に着いちゃった。

都の門の前では、着いてすぐに魔法解除したので空中に浮いているような事はなかった。


ケチャールのアラスタ化と、魔洗便器の全世帯配布と、ちょっと早い魔力増加訓練を行ったその日の夕方、王城にて。


法務部の担当官に書簡を手渡す領主様。

その時

「国家間問題の案件だ」

と一言添えた。

書簡を抱え慌てて奥へ走って行く担当官。


しばらくすると戻って来て直ぐに会議室へ案内された。

「僕も行くの?」

「ジョンが来ないと話が進まない。」

『何なんだろう?』

「だよなー」ア

「遅くなりそうだからポムに後で連絡すると伝えなきゃ。」

「アレが来たらマズイ事になってしまうから直ぐに!」

[ポムー、ロシナーン聞こえるー?]

『『聞こえるよ。』』

[今王様の所に来ているんだけど、遅くなりそうだから、領主様の厩で待ってて。]

『しゃーねーな』

『仕方ないわねぇ』

「大丈夫、良いって。」


会議室には既に王様と…誰?

法務大臣“ジョン・アール”と大将“アレックス・ブーム”だった。

『あ、大臣は僕と同じ名前だ♡。僕は只のジョンであ~る。』

「盗賊23人の捕縛感謝する。」

と“ジョン”…紛らわしい。

「名前の呼び方が同じなので役職名で話すな。」

と王様。

「でジョン坊、どのようにして捕まえたのだ?」

「盗賊の人は自滅したんだよ。」

「どのように自滅したんだ?」

「僕の“らぷ号”に攻撃してきたら、そのまま反射したんだよ。」

「どういう意味だ?」

「失礼します。実際にジョンの移動できる小いさな家“らぷ号“をご覧になられると宜しいかと思います。」

「このジョンの魔法だから、規格外なのは理解しているが、その理解が未だ追い付かない。」

「盗賊と被害者の名簿をご覧になって、王都まで連れて来るのは、誰誰になりましょうか?」

「全員連れて来てほしいが、人数が多いので移動手段の手配に時間がかかってしまう。」

「みんな連れて来ればいいの?」

「いくら何でもアレは目立ち過ぎだろう。」

「だって、悪い事した人達だよ、良いんじゃないかな。」

「ここから戻って連れて来るとなると、何日かかる?」

「明日でも良いの?」

「「明日って、ソールトの往復だぞ?」」

大臣と大将。

「その辺は大丈夫ですが、犯罪者の置き場というか王都(ここ)へ来た時何処へ連れて行けばいいか教えてほしい。」

「軍の訓練所だな。」

「入都はどの門からでよろしいでしょうか?」

「第二の門でお願いする。」

「では明日の中3時(地球で午前10時頃)、第二の門の所で待っている。」

「その時はその“らぷ号”なる物もお願いする。」

「本日は一旦戻ります。明日の護送ですが見た目がアレな為、極悪の犯罪者を連行中と情報を流しておいて下さい。」


で、ソールトへ帰る事となった。

日が暮れて間もない王城から半時間でソールトへ戻り、そこからジョンはポムに乗せてもらってアラスタへ、アレックはエラに乗ったままケチャールへ向かう。

ケチャールでは何故か僕の方が早く着いた。

『ポム早過ぎじゃない?』

『そうか?』

エラのごもっともな感想だ。

暗くなって帰って来た僕達は翌日ソールトへ行きそのまま王都へ行くと話す。

「領主様の街と王都迄行けるの?嬉しいわ。」

頭お花畑の母ちゃん。

「芋蒔きまでには村に帰れるんだろうな?」

と芋の心配をする父ちゃん。

多分、遅くても次の日には帰れるよ。

「明日朝一番で出発ね、だから今晩は皆“らぷ号”で寝てね。」


翌朝エラに“らぷ号”を装着。

御者席に座るジョンとアレック。

「では出発ーつ。」

“シュン!”

2分ほどで領主邸に到着。

そこから盗賊連中の収監されている所へ移動。

中から連れ出すのに時間がかかりそうなので、魔法でチャチャッと

「昨日の盗賊だけ“しちゅーひきまわし”」

すると収監所の扉が開き、続々と梗塞衣にくるまれた連中が浮かびながら集まって来た。

2mほどの高さで最後には縄で一くくりになった。

「盗賊の持ち物も“しちゅーひきまわし”」

保管庫の扉が開きそこから盗賊の持ち物が出て来て、これも1m位の高さで一くくりとなった。

領主様とタルタはお話が出来て、とても仲良くなっている。

1分かからず準備完了。

昨日の王都からの帰り時間を考えると、中3時に王都に着くには…

「ここを3分前に出れば丁度良いね。」

今中2時になったばかり。

盗賊の紐を持つのが嫌なので、“らぷ号”の後部にケチャールで貰った鉄製の取っ手みたいな物を取り付けて、盗賊連中の紐を括り付けた。

風船売りのワゴンみたい。

「少し早いが行こうか」

領主様の出発のお言葉。

「では、“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”っと」

「王都第二の門へ向けて出発ーつ!」

予想通り3分ほどで着いた。

湖の上をショートカットしたからね。


少し早く到着したが、既に100人の兵隊が待っていた。

気が付いたらこの100人の目の前に居た。

アレックス隊長はじめ、全員ビクンと体が跳ねたのは見逃さないよ。

タルタに乗る領主様とすぐ後ろにエラと“らぷ号”。

“らぷ号”に括り付けられている紐の先にはボロボロの盗賊が一束になって、2mほどの高さに浮いている。

その下には武器類が一くくりになって1mほどの高さで浮いている。

盗賊達から垂れる汚物が、武器類の近くでキラキラと浄化されている。

盗賊達は所々紫色で昏く明滅している。

エグい。

最凶の犯罪者軍団の護送という催しものはどんなのだろうかと、たくさんの野次馬が遠巻きに見ている中、いきなり現れた異様な団体。

犯罪者の生々し姿に嫌悪感を露にする人や、被害者の身内なのだろうか睨みつける人も居た。

この場で盗賊を降ろすとジョンの好感度がダダ下がる為、予定通り訓練場へ向かった。

逃走防止の為100人もの兵隊が待機していたが、拍子抜けした感じだ。


訓練場に入り

「それでは降ろしてもらうかな。」

「うん、“かいじょ”そして“たいほ”」

2メートルの高さから一斉に落下する盗賊達。

地面にたたきつけられる23人の盗賊達。

「首の札に、この人達の名前と被害者の名前とか書かれているよ。」

というと1人の盗賊に2人の兵隊さんが付き、首の札と手元の名簿を見比べ、

既に用意されていたテントへと連れて行った。


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