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50.領主に呼び出されるジョン

爺ちゃんたちの魔力増強特訓が終わったらアレックが来た。

「領主様がまた来てほしいんだと。行けるか?」

「お馬さんがいれば大丈夫。」

「じゃぁまたエラを貸してもらうか。」

「そうだね。」

と話しながら玄関へと向かう衛兵。

そこには領主邸で見た事のある警備兵さんが居た。

「これから馬借りに行くわ。」

「俺も一緒に行く。」

「僕も行くねーっと、まずは“えぇーゆだなぁー”の“きれい”っと。」

いつもの魔法を警備兵さんんとお馬さんにかけた。

そしてお馬さんに触りながら“かいわする”を唱える。

[君の名前は何て言うの?]

「俺の名はアランだ」

『おいらの名前はケールだよ、どーせ聞こえないんだろうけど。』

馬と人間が同時に答えた。

[アランさんにケール君ね。]

1人と1匹は“ビクン”とした。

「『え?言葉が分かるのか?』」

アランとケールがハモっている。

[ふふふ‥、二人とも同じセリフを同時に言っちゃうんだもんねー。]

「え?ケールが俺と同じセリフを?」

[うん。]

『本当においらの言葉通じているのか?』

[おいらって事はオスだね、通じているよ。]

『へー。さすが化けジョンだな。』

[ところで誰が初めに“化けジョン”って言い始めたの?]

「“化けジョン”って馬から言われているのか?」

『えーっとねー…』

[ポムでしょ?この前ポムが言っていたもん。]

「あっ、あいつゲロったんだ。」

[やっぱりねー]

なんて会話をしながら歩くこと5分、エラの居る厩前まで来た。

丁度厩番が居たのでエラを借り受けることが出来た。

ケチャールを新築街化し魔洗便器を予備も含めて500個ずつ用意なんてしたものだから、差し上げますみたいな勢いで了承された。

[エラー『何かミスしたみたいな響きだな』お出かけしよー。]

『え?ジョン?行く行く!』

と厩から走って出て来た。

『君はエラーて言うのかい?』

『ちゃうちゃう、()()やねん。』

『エラちゃんかー。』

『ほいであんさんは何ちゅうの?』

『おい、僕はケールって言います。』

[とりあえず領主様の所へ行かなきゃならないからよろしくね。]

エラにはこの前の鞍を取り付け、皆騎乗した。

[エラとケール、並んで…ってこの距離でも大丈夫か“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”]

『あたいコレ大好き。』

『何だ?コレは?』

『とーっても早く走れっちゃうよ。』

[じゃー領主様の所へ行こうか]

『ねぇ、競争しない?』

『良いねー。』

『勝った方は負けた方に1つ命令できるってのでね。』

『わかった。』

『よーいドン!』

“シュシュン!”


“シュン!シュン!”

『勝ったー。』

『おいらが負けるなんて…。』

『あんた結構早かったねー。』

『でも負けた。』

[着いたねー]

「あ、ああ、2分かからなかった気がする。」

「アラン、慣れろ。ポム達は更に次元が違うぞ。」

「『『え?』』」

『あのポムがおいらと次元が違うって…』

『ポムってどんな奴なの?』

[ポムー来れるかい?]

『お、何か面白そうだな、行く行く。』

“グニュン!”と目の前に

ドスをギラつかせながらエラとケールを見ている。

『おぅケール、久しぶり、少しは早くなったか?』

『ポムさん、ところで今ジョンの魔法効いているの?』

『ああ効いているぞ、これ楽しいからな。』

『あたいもこの魔法大好き。』

『お?あたいってロシナンみたいな喋り方だな。』

『え?ロシナン?ロシナン様の事ですか?』

『おう、俺の番だ。』

『ロシナン様の旦那様…』

[うーん、僕達用事があるからみんなこの辺でお話していていいよ。ってかどこでもお話出来るんだったね。]

『その辺ぶらついてくるわ』

と言い3頭はどこかへ消えてしまった。


領主様の部屋へ案内された僕達。

「今王都へ早馬を出しているのだが、時間がかかってしまうのでどうしたものかと頭を痛めている。何か手伝ってはくれないか?」

「一緒に馬に乗って行こう。馬車より早いよ。」

「馬はどうする?」

「僕がポムに乗って、領主様はケールに乗って、アレックはエラに乗って、その早馬に追い付けばいいんだよね。簡単簡単。」

「その案ですぐ行こう。」

今までの常識や経験に照らし合わせても、あり得ない内容だが、ジョンが言うと何故か納得してしまうようになってきた。

3人で外に出る。

[みんなおいで―]

“グニュン!“とドス君が現れ少し遅れて”シュシュン!“とエラとケールが現れた。

刃物をギラつかせているポムを目の当たりにした領主様は冷や汗たらたら垂らしている。


当初の予定通り全員騎乗する。

[王様の所へ向かっているお馬さんの所までヨロシクね。その前に“えぇーゆだなぁー”“きれい”“りにあかぁ”“ういんどばりあ”]

と全員に魔法をかけたのである 

『おう、おまえら、おれ先行っているから早く来いよ。』

というとポムが消える。

『『やべっ、早く追い付かなければ。』』

騎乗して待っているエストール(領主)とアレックの事はお構いなしに

“シュシュン!”とポムの後を追う2頭

『ポムの速さ化け物だ…。』

『ロシナン様も同じだって…』


既にポムは領主の早馬を止めていた。

騎乗していたのは衛兵だが、ポムのドスと微妙な加減で放たれる殺気で身動きが取れないでいる。

「領主様がもうすぐ来るのでちょっと待っててね。」

[えっとポム、このお馬さんなんて言うの?]

『こいつは俺らは“タルタ”って言われているけれどエストールからは“カスケード”て呼ばれているぜ。』

[えっとどっちで呼んだら良いのかな?]

“シュシュン!”

と領主様とアレックが現れた。

「ご苦労、これから私たちが直接報告に行く。」

[ポムはお家帰って良いよ。]

『おう!ケール楽しかったぜ、エラ、ロシナンにお前の事話しとくからな。』

と言い残しポムは“グニュン!”と消えて帰って行った。

僕はポムの高さで空中に漂っている。

[エラーこっち来てー]

「俺じゃないんだ」

と凹むアレック。

領主様は颯爽とケールから飛び降…空中に漂っている。

慌ててケールに戻る領主様。

「とりあえずみんな“かいじょ”」

そして全員馬から降りた。

そして僕は

[毎回“かいわする”の魔法かけるのめんどうくさいな。]

と呟くと、

『おいらたちは人間の言葉分かるのに、人間って不便だよな。』

だって。

[コレって解除されないのか、一生ものか。]

『一生ものだってさー。』

[えーと“タルタ”で良いのかな?“かいわする”]

光るタルタ

『僕小さい時から皆にタルタって呼ばれていたのに、大きくなったらカスケードって呼ばれて、気持ち悪い。』

[じゃー君の名前は“タルタ・カスケード”だね、貴族の苗字が有るんだね。]

と言ったら

『僕が貴族?』

[タルタ・カスケードでしょ?どちらで呼んだらよろしいですか?]

『呼びやすい方でお願いします。』

[わかった、僕はタルタって呼ぶね。]

僕達の会話?僕の言葉しか聞こえない領主様は僕の話していた台詞(ことば)で察し、

「では私は“カスケード”と呼ぼう、改めてよろしくタルタ・カスケード」

と言ってタルタを撫でる領主様。

実験‥異ジョーン発動。

タルタと領主様に手を当て“かいわする”の魔法をかけてみた。

光りましたよ。

そしてタルタと領主様会話していますよ。

とても楽しそう。

ちなみにこの場に居る全員で試したが、アレックと衛兵の2人は馬の言葉を聞く事ができなかった。


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