47.ケチャールの街 2
町長宅に到着した。
僕たちの名前と出身地を伝えた。
モーラストの村長からの手紙を渡した。
そしてモーラストからここまでの間で遭遇した盗賊を捕まえて来た事を報告。
その時の被害者の方4人を紹介。
あと早馬のエラを貸してほしい事を伝えた。
町長は手紙を読みながら僕をちらちら見る。
落ち着かない。
時々“ププッ”て笑う。
『あ、こいつ後で面白い顔になるやつだ。』
と思った。
『何でビックリさせてやろうかなー』
と考えていると、手紙を読み終わったらしく
「すごい魔法するって何するの?」
小馬鹿にした言い方だった。
腹立ってきた。
「お外出て頂戴。」
皆で外に出る。
「ポムに来てもらうね。」
「「「「いやいやいや、それマズイって」」」」
[ポム着て頂戴。]
『おう!』
“グニョン!”と大量のドスが付いた角の馬が目の前に現れた。
そして念話で
『あのオッサンに軽~く殺気を飛ばしてみて。』
『面白そうだな、どれ。』
“町長泡吹いてぶっ倒れた。”
『ありがとうポムでもちょっと待ってて。』
「えぇーゆだなぁー」
で町長を目覚めさせる。
「では魔法するね」
ポムに向かって
「りにあかぁ」
もう既に“りにあかぁ”はかかったままだったので、パフォーマンスとして唱えてみた。
[ポムしゃがんで]
『お、アレか!』
足をまげて空中に留まるポム。
そして浮いたまま横になったり、ひっくり返ったりしている。
『あ、町長の顎外れたな。この人顎外れやすい体質っぽいな。』
「こんな感じね。」
[ポム魔法どうする?]
『まだこのままで良いや。』
[そうだ、さっきのお馬さん急に話通じるようになっちゃったよ。]
『さすがー♡化けジョン君。』
[いやー照れちゃうなー]
『また夕方来るからよ、じゃーな。』
と言って“グニュン”と消えた。
顎が外れうまく喋れない町長に“えぇーゆだなぁー”をかけ治療した。
とりあえず犯罪者連中は、留置所の有るソールトまで連れて行かなければならないのは確実だ。
で、エラを借り受ける事となった。
アレックに領主様へ報告に行ってもらおうとしたら、なんと僕もセットでなければダメという事で、僕も行くこととなった。
被害者4人とは、ここでお別れだ。
後で必ずお礼をすると言われたが、僕は「ありがとう」というお礼の言葉で十分と断った。
まずはこの街の叔父の所へ行かねばならない。
町長に場所を教えてもらう時に、母ちゃんの母ちゃんがこの町出身だという事が判明した。
母ちゃんの母ちゃん、つまり母祖母ちゃんと甘芋ボルトは町長と村長の紹介で結婚した。
17日かけてタルタン村まで行き結婚。
次の年長男出産し、その2年後長女(母ちゃん)を産んで次の年に次女を出産。
その次の年、村に来た行商人一行に紛れて村を離れ、ここケチャールに帰って来た。
母祖母ちゃん曰く「あんな本当に何ーんにも無く不便で逃げ場のない僻地なんか刑務所と同じじゃない!あんなド田舎なんて二度と行ってられるか!」と吐き捨て、王都方面へ出て行ったそうだ。
「のんびりして一良いと思うんだけどなぁ。今ならアラスタ村からここまで1~2分だし、王都までだって2~3時間位だし、聖都まで半日だし。カツオ風味の本…。」
と角が生える前のポムやロシナンを基準にして言ってしまったジョン。
「今なんと?」
「あ。さっきのお馬さんだけでだと、ここまで1分くらいで、王都までだと2時間くらいで、聖都だと8時間かからないで着いちゃうかもね。」
「何日じゃなく分?時間?」
「ポム達早いから。」
「ジョン、アレは別枠だ。アレを基準にしちゃいけないぞ。」
「エラに魔法かけて走ってもらえば分かるね。」
という会話が町長宅であった。
『”カツオ風味”には突っ込んで来ないんだね。』
そして無事ジョーカおじさん宅に到着したのである。
まずはジョーカおじさんと家を“きれいきれい♡”でジョン浄化した。
そして屋内便所の便器と便槽を撤去。
魔洗大小便器を作成・設置。
冷蔵庫・冷凍庫を設置
そして各魔法便利器具の使い方を説明。
ここで誤算が発生した。
なんとジョーカおじちゃん浄化魔法1回も出来ないのだ。
『名前が“ジョーカ”なのに浄化できないのね。』
とりあえず、盗賊のことを処理してからにしようと決まった。
そして僕とアレックの2人旅が始まるのである。
エラと鞍の間に布団挟む。
鞍の前方に布団を丸めたものを括り付ける。
そして“えあさ~っす”のクッション魔法をかける。
2人で乗る。
正門から町の外へ出る。
早速“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”の魔法をかける。
そして“えぇーゆだなぁー”もかける。
[エラ、ソールトの街まで走れるかい?]
『ソールト?…え?何コレ!』
[その光っている通りに進むと直ぐに着いちゃうよ。]
『へー、そうなんだ。』
[疲れたら言ってね、魔法で回復してあげるから。]
『じゃー出発するね。』
そして走りだそうと脚に力を入れた瞬間
「何何何コレ?全然疲れないよ?すんごい早く走れる。超ー楽しい!」
なんかポムより早く感じる気がする。
元々足が速かったんだ、さすが早馬だ、適材適所だ。
ほんの2分ほどでソールトの正門前に到着した。
そして魔法を解除し、普通の速さに戻す。
領主邸へ向かう。
アレックが領主様に盗賊の件を報告。
ソールトの衛兵所に連れて来ることで話はまとまった。
荷車を用意すると言ってくれたが、そのまま連れて来ると僕が言うと
「ジョンなら安心だな。」
って即了承してくれた。
「じゃ連れて来るね。」
正門を出た直後“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”をかけケチャールの裏門へレッツゴーだ。
やはりエラは早い2分で着いた。
“シュン!”て門番の目の前に姿を現したジョン達。
腰を抜かした門番。
「それじゃー、こいつらソールトへ連れて行くね。」
と言い盗賊の縄を右手に掴むアレックと荷物群の縄を左手に掴む僕。
そして“シュン!”って門番の目の前で点になった。
「点になって行った。何なんだあいつら。」
ソールトの正門を出たアレック達は5分ほどでソールトの留置所の前まで戻って来た。
入門手続きせずに。
所々紫色に昏く明滅しながら宙に浮いている盗賊の束を引っ張って来た。
『これ解除したら絶対死んでしまうよな』
と思い、異ジョーンモードに入る。
1.梗塞衣はそのまま。
2.1月の間はは死なない程度に回復
3.魔力量のは増加はできない。
4.首札は“しちゅーひきまわし”と同じ。
で名前は“たいほ”で良いよね。
「では早速“かいじょ”そして“たいほ”」
2メートルの高さから一斉に落下する盗賊達。
地面にたたきつけられる23人の盗賊達。
「首の札の裏に被害者の名前とか書かれているよ。」
というと衛兵が数人の首札の表と裏を何度も見ている。
「こいつら色んな国でお尋ね者の盗賊団じゃねーか?」
「もう10年以上誰一人捕まえられなかったあの極悪の…」
とある一人の札を見た途端黙り込んでしまった。
「?どうしたの?」
「魔王様と王様案件だ。」
アレックが耳打ちしてきた。
『国家がらみの案件ね』
「ふーん、よく分からないや。帰って良い?」
「お、良いぞ。捕まえてくれてありがとな。」
梗塞衣のまま牢屋に入れられる盗賊達。
その中の一人、“魔王様と王様案件”の人物が心の中で呟いた。
『何なんだあのクソガキ、何で俺の魔法が効かないんだ?何でこんなの解けないんだ?』
衛兵はジョンの帰り際に聞かされた
「1月は何があっても死なないし死ねないように、じわじわ回復しちゃうよ。首の札は僕しか外せないし他の人がはず時は一旦首を取り外さないとダメだからね。あとあの首札が着いていると魔法の発動が出来ないようにもなっているから安心だよ。」
という言葉を思い出し。
「殺す以外外せねーじゃねーか。って言うか死なない程度に回復し続けるんじゃ絶対外れないんじゃねーか!」
実際は魔法が使えなくなるのと同時に、魔法を使おうとするたび魔力総量、つまりMAX-MPが最低値になるまでどんどん減っていくのである。
このことを知らない“案件の人”は5日間、何度も脱獄用の魔法を試みるのであった。
この5日目にはとうとう魔法すら発動できないほど魔力総量が減ってしまったのであった。
重要ではないですが、案件の人は次回名前が出ます。




