39.ポムとロシナン、時々ジョン その2
アラスタ村から15kmほど奥、そこには戦闘狂と化した2頭のお馬鹿様がいる。
その2頭の前には巨大な熊がいる。
この森ではかなり上位に君臨している巨大な熊“エールベア”だ。
体長5mは超え、雑食性、特に馬(鹿・牛)の肉だ大好きだ。
角が生えて太っているメスに角の生えているオス。
番でありメスは妊娠していることがすぐに分かった。
この世界の常識では、野生の馬はエールベアにはかなわない。
エールベアの爪は馬の角を簡単に刈り取ってしまう位頑丈で鋭い。
更に体毛は魔力を帯ていて、馬の角を以てしてもダメージが通らない。
若いエールベアだとそこまで頑強ではないが、今、目の前に居るのは、片手の指で数えられるくらいの猛者だ。
馬の片手の指って意味じゃなく人の片手の指って事ね。
「ポム、手出しは無用だよ。」
「ロシナン、これくらいの雑魚なら瞬殺だね。」
「減らず口もそこまでだぜ!」by熊
獣同士はなぜか言葉が通じる世界だ。
「熊公、言い残すことは無いかね?」
「それはこちらのセリフだ。」by熊
「じゃぁ遠慮なく♡」
とロシナンが言った直後、一瞬で直径50mの円形状に熊と木々が一緒くたに乱切り状対になった。
頭の角を振り乱しながら縦横無尽に走り回る攻撃だ。
“ズドドドーン!”“もくもく・・・”
「さすがロシナン。やっぱり瞬殺だったね。」
「運動は今回、この辺にしておこうかな。」
「じゃー帰るか。」
アラスタ村へ向かう“お馬鹿”達
~村の塔の上~
キラキラした2つの点はこちらへ向かって移動しているみたいだ。
「あっ、ポム達帰って来るね。こっちに向かって移動始めたよ。あの光っている点々ね。」
と指をさす。
二人とも青ざめている。
「馬ってあんなに凄かったっけ?」父
「いや…」ア
「あそこの開けた所がタルタン村かな?あっ、あっちの森の向こうのすごく開けたところが領主様の所だね。」
街道はかなり迂回しているみたいで、土地はけっこう平坦だった
~一方森の中~
『ロシナン、いい汗かいたね。』
『あたい達って汗そんなに出たっけ?』
『この言葉言ってみたかったんだ。』
『あたい達ってこんなに強かったかしら?』
『おいら達毎日ジョンの魔法浴びているからね、他の馬達は百分の一の力も魔力も無いよ。」
『やっぱりそうなのねー。』
『“化け物ジョン“だよねー』ポ
『“化けジョン“って言っちゃおうかな?』ロ
『ソールトに居た時は、そう言っていたぜ。』ポ
『へー、どうせあたい達の言葉分からないから良いでしょ。』
などと楽しく会話しながら帰路についている2頭。
村に近づくと見た事の無い物体が聳え立っているのが見えてきた。
物体の足元の穴から化けジョンが出て来た。
『あ化けジョンだ。』ロ
『ぷぷっ』ポ
『お帰りー。』化…ジョ
ドスを突き付けて来るポム。
“ペニョン”とする刃先、血の匂いがする。
「怪我したのかな?大丈夫?」と声をかけ
“えぇーゆだなぁー”をかける。
極端に光る所が無かったから怪我ではないみたいだ。
「きれい」
“ピカー“と光り臭いが消えた。
「なーんだ、返り血かー。」
と言うと同時に塔から父ちゃん達が出て来た。
「「返り血…って…。」」
黒ずんでいるロシナンを遠巻きに見る2人。
今度はダガ―を突き刺しそうな勢いで突進してくるロシナン。
すかさず“きれいきれい♡”をかける。
“ペニョン“
やっぱり角は気持ちいい。
僕が“ペニョペニョクニャクニャ“と角をいじっていると驚愕の表情で見つめるアレック。
「アレがあの角?」
自分も触れるのだろうかと思ったみたいで、アレックが恐る恐る近づいてくる。
ロシナンの第2警戒範囲に入った瞬間・・・
アレックは気を失った。
ロシナンのエールベア以上の殺気に当てられたのだ。
離れて見ていた父ちゃんも気を失っていた。
僕は何ともなかった。
家の中に居た母ちゃんたちも何ともなかった。
ちなみに第1範囲は第2範囲の倍の距離だ、。
第3範囲は第2の半分で、この範囲内は即攻撃対象になる。
その後何事も無かったかのように厩へ入る2頭であった。
厩の中へ姿を消した2頭を確認してから、倒れている2人の所へ行き、“えぇーゆだなぁー”をかけ、目覚めさせる。
妊娠したお馬鹿さん、アレは絶対に人の言う事は聞かないし、人間は寄っちゃいけないね。
寄らぬ神に祟りなし。
でもあの2頭とお話ししてみたいな。
バウリンガルとかって犬だけだしな。
何か魔物とかと念話とかしている作品が多かったなー。
こちらの言葉は理解しているみたいだから、そのうちポムで実験してみよう。




