35.魔王様への再特訓
当初魔王様の再帰国の日が急遽魔法訓練の日になった。
「便器は何でも良いからねー。王様の所でも同じ魔法だったでしょ。」
「そういえばそうだったな。」
「というこどだから“うぉしゅれっつ”の発音練習ね。」
やはりセーラは1発で成功した。
「ウォシュレットゥ」・・・・
夕方
「ウォしゅレッつ」・・・・
夜
「ウォーしゅれっつ」・・・・
「これは難しい。」
「続きは明日で良いかの?」
「その方が良いかもね。」
「あなたそんなに難しいのですか?」
「エルザもやってみてくれるか?」
「ウォシュレットゥ…」
「な?難しいだろ?」
「え、えぇ、とても難しいですわ。」
僕はこの後厩へ行く。
お腹に赤ちゃんがいるロシナンには“きれいきれい♡”をポムには“えぇーゆだなぁー”と“きれい”をかける。
2頭の角先はまだ丸い。
この角は柔らかく弾力があり、肌触りも最高なのである。
あまりにも角の触り心地が良いもので2頭の角をずっと揉んでいたら2頭とも鼻息が荒くなり・・・
『あらポムったら…。僕は帰るね。後は2頭でね。』
ロシナンは首を後ろに反らし、ポムはロシナンの後ろから角を“はみはみ”して…
『ポム、ガンバ!』
翌朝、厩へ行き夕べの後の跡と2頭を一緒くたに“きれいきれい♡”をかけ何事も無かった状態にする。
それから外に出て来て“うぉしゅれっつ”の練習に励むのである。
2日目の夕方前、とうとう
「うぉしゅれっつ…」
「できたね、じゃーコレでやってみよう。“かいじょ”」
昨日渡した便器に解除魔法をかけそれをジョル爺ちゃんに渡す。
「うぉしゅれっつ」
“ピカー!”
「うおー!魔力がー!」
「あっマズイ!“えぇーゆだなぁー”」
“ピカー!キラキラキラ・・・・・”
3分くらい便器は輝き、ジョル爺ちゃんはキラキラして魔洗便器が完成し、ジョル爺ちゃんも何とか持ちこたえた。
「この異常なまでの魔力消費は何なんだ?」
「あーっとごめんなさい。半永久的だから物凄―く魔力持って行かれちゃうんだった。でも直ぐに“えぇーゆだなぁー”を使うと出来ちゃうね。」
「「・・・・・」」
「次は“ういんどばりあ”が良いと思うけど。」
「もう一度“うぉしゅれっつ”をやってみる。もし危なくなったら頼む。」
「うん」
「まずは“かいじょ”…だな。そして“えぇーゆだなぁー”で魔力を回復して、いくぞー!“うぉしゅれっつ”“えぇーゆだなぁー”。」
“ピカー!キラキラキラ・・・・・”
「で、できた・・・。」
「やったね。でも王様の所の便器だと一人でやらないでね、あの便器だとこれ100個分の魔力は持って行かれちゃうからね」
「百倍・・・。」
「でもコレで何回か解除と“うぉしゅれっつ”繰り返すと魔力が結構増える練習になるから“えぇーゆだなぁー”しないで100個出来るようになったら安心だね。」
「その方法があったか。なんかこれからすごく楽しみななって来たわい。」
「ドンキの為に“ういんどばりあ”もしちゃおう。」
「あ、あぁ…。」
「また発声練習からね。“ういんどばりあ”だよ。」
「ウィンドォゥヴァリヤー」・・・・・・・
もう夕方近かったからこの日は無理だった。
夜また厩へ行く。
2頭とも僕の顔をじっと見つめる。
「あーハイハイ2頭一遍に“きれいきれい♡”ね。」
そして2頭とも頭を僕に擦り付けて来る。
えーまたー?
そして今晩も2頭の角の感触を楽しんでいると…やっぱりねー。
じゃまた御二方頑張ってねー。
僕は家に帰るのであった。
翌朝も厩で“きれいきれい♡”で清掃した後、昨日の続きで魔法の練習に励むのであった。
そして夕方にはなんと
「うぃドゥばりヤー」・・・・
出来なかった。
夜厩へ入ると立派な角のになっている2頭が居た。
角が伸びるのが早い。
ロシナンの角、これは恐ろしいくらいに鋭く尖っている。
ダガ―が2本ついている様に見える。
ポムは…立派に枝分かれした角だが、こちらも先は物凄く鋭利な形状になっている。
ドスがいっぱいついている様に見える。
で昨日と同じように“きれいきれい♡”
その後も同じようにだが、今晩はダガ―とドスが目の前に迫って来る。
気合を入れて刃先に触れる。
「おぉー快感♡」
何とも言えないペニョペニョした感じのふにゃふにゃフワフワした感じの…いつまでも触っていたい衝動に駆られてしまう。
でも僕はもう行かなくちゃ。
なので僕は家に帰るのであった。
家で晩御飯中にポムとロシナンの角の話をした。
「二人の角の触り心地が凄い良かった。」
傍から聞くと刃物中毒患者に聞こえてしまうかもしれない。
あの角は普通、太い木の枝なんか簡単に切ってしまうし、岩なんかも削ってしまう位の代物だそうだ。
過去には何人もの飼育人が命を落としていたそうだ。
「へー。」
翌朝は日課の厩での“きれいきれい♡”。
その後魔法の特訓。
夕方に何とか“ういんどばりあ”と言えるようになったジョル爺ちゃん。
ようやく帰れると胸をなでおろすエルザさん。
夜はまたまた日課の“きれいきれい♡”と角いじり。
帰宅後食事・風呂・睡眠
翌早朝、魔王様が帰国の為に馬車にドンキを繋げ
「では“りにあかぁ”そして“ういんどばりあ”最後に“えぇーゆだなぁー”」
「ドンキ座ってみて」
そこには空中で留まり足をたたむドンキが居た。
「ジョル爺ちゃん!大成功だね!」
サムズアップするジョル爺ちゃん。
「ドンキはまだ若いからロシナンほど速く走れないと思うので、こまめに“えぇーゆだなぁー”をかけてあげると良いよ。」
「解った。」
そして今回もお馬鹿さん任せのショートカットで帰国の途に就いた魔王様一行。
ドンキは慣れていないらしくハイパードライブには入れなかった。
それでもぐんぐん加速し森へ突っ込んで行った。
この前と同じ方向へ向かって。
ドンキは中々に慎重派みたいで、水の上を最初はゆっくり歩き、慣れたら走るという感じだったみたいだ。
なので国に着いたのは翌日の夕方だったそうだ。