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28.少しだけ謎の解明

この世界の魔法に関しておさらい。

1.魔力量は生まれた時から決まっている。(いわゆるMAX-MP)

2.魔法の強さも生まれた時から決まっている。(いわゆる最大魔法レベル)

3.魔法の種類や精度は努力次第。(覚える事は出来るが十全に使えるかは別)

4.何らかの原因により後天的に魔力量や魔法の強さが増えたり減ったりする。

5.魔法は呪文を唱えなければ発動しない。(しかし声の大小は威力に関係ない)

6.魔力枯渇状態の時は吐き気とめまいに強烈に襲われ、時には気を失う。

7.丸一日魔力枯渇状態で魔力が回復しなければ魔力量が減るか死んでしまう。

これに僕の経験からもう一つ

8.3歳未満に限り6.7.が適用除外。

を加える。

皆はウンウンと頷く。

僕は3歳の誕生日に、生まれて初めて魔力枯渇症状である魔の6番に襲われた事を話す。

4番は3歳まで魔力枯渇と回復を繰り返す事により魔力量が増加するのを体験済みであることも伝えた。

魔法はイメージ・妄想であったことも伝えた。

以上の魔王様も知らなかった事実を伝えた。

魔王様は少し考え込んでから口を開いた。

「そういえば私も小さい頃から魔法を使っていた記憶があるな。そしてある時から急に頭痛やめまいが起こるようになっていた…。」


「・・・そういうことか。」


「で、“えぇーゆだなぁー”はいったい何なんだい?」

『おっ!ちゃんと発音が日本人になっている。』

「えーと、“きれいきれい♡”は僕の考えた浄化魔法の“きれいきれい”を強くした感じで物には補正・補修・強化・劣化抵抗力が上がるようにと考えて、そして人には、消費した力を完全に回復して、体内の疲労物質を無くして、気持ちを良くさせ、睡眠不足も良くなる。虫歯や怪我・やけど・打ち身・打撲・骨折までも治ったら良いな、体の中の病気も治したら良いな、と思って出来ちゃった魔法だよ。”えぇーゆだなぁー“は、これの物以外に作用するように考えたのと、温泉に浸かって疲れを癒している感覚になるようにとも思って出来ちゃったの。」

「“オンセン”って何だ?」

「温泉って暖かいお湯の出る所?」

「後で温泉じゃないけれど、似た感じのを作るからその時にでも…」

「「今造れ!」」

父ちゃん、アレック、凄い興奮しているんですけれど…。

仕方がないので外に出る僕。

現在、以前便所だった小屋は“きれいきれい”でとーってもキレイになったので物置として使っている。

その物置の中身を外に出す。

魔法で中の地面を銭湯の湯船のように形成し、そこに水魔法で水を満たす。

更に火魔法で火の玉を出して水に沈めると、徐々に水温が上がって来る。

大体40度位に調整して、ジョル爺ちゃん・父ちゃん・アレックを呼び入れる。

「まずは服を全部脱いで、かけ湯をして、お湯に入るよ。」

と言いながら実演した。

3人は僕の真似をして裸になり、かけ湯をしてから、恐る恐る足先を湯船に入れる。

そしてゆっくりと体を沈める。

「「「あ゛あ゛・・・・・」」」

「その感じだよー。」

「「「・・・・・」」」

「なるほど…、同じような感じっじゃったな…。」

「これは温泉じゃなくてお風呂だけどもね。」

「オンセンではなくオフロ…でこれか…。」


4人で物置小屋(ふろば)を出る。

女性陣は不思議な顔をしている。

今度は女性陣と子供たちの番。

僕は先ほどと同じに実演した。

先ほどじっくり温まっていたので、のぼせたら困るから直ぐに出ようとしたが、母ちゃんにつかまった。

母ちゃんとエリーヌさん、子供たち6人で湯船に浸かる。

(はだか)…ハダカ…。

見た目は子供、頭脳は大…(おと…)ゲフンゲフン。

見た目は子供、心は転生前25年と転生後3年を足して28歳。

もぅ、とーっても刺激が強いです…ハイ。

でも母ちゃんとエリーヌさんはオッサン臭く

「「あ゛あ゛・・・・・」」

だってさ。


僕以外の子供組5人は冷たくない水で長時間遊べる事にはしゃいじゃっている。

ということで、母ちゃんたち大人2人は出て行ってしまった。

目の保養が…はさておき、僕も出る。

5人の子供が風呂で遊んでいる物置(ふろば)の前で大人5人と僕が輪になってお話合い。

「家の中にお風呂造るの?」

「「(あった)り前じゃないの。お家大きくしてオフロ部屋と便所部屋作ってもらいましょ。」

女性陣の鼻息が荒い。

「物置小屋を大きくして大きな風呂小屋にした方が…」

「「それよ!それ!」」

という事で父ちゃんたちは、翌日村の大工さんに小屋を大きくしてくれるよう頼みに行く事となった。


「ところでジョン坊、なんでオンセンとかオフロって知っていたんだい?」

やべっ、転生とか言っちゃたらまずいかも。

「うんとねー。夢で見たの。」

苦しい言い訳だ。

「夢か…。もしかしたら転生者なのかもしれんな。」

なんと魔王様の口から“転生者”という言葉が出て来たしまった。

「他に何か夢で見た物とか無いかな?」

「んーよく分からない。」

「記憶を持って転生してきたと言っておられたとされる魔導の始祖様が今の世界の魔法の全てを本にして、マギ聖共和国の教会本部に保管されておるから、ジョン坊が共和国に来た際、その本見てもらうとするか。たぶんジョン坊は生前の記憶を持っていない()()()()()()じゃろう。」

図星をつかれた、が僕はよく分からない風に

「ふーん。」

「始祖様の名前はの“コンナン・アツオ”じゃ。」

コンナン?困難?アツオ?敦夫?

日本人っぽくなくて変な名前。

でもアツオって日本人っぽいから困難を苗字に当てたのかもしれないな。

なんて思いながら

「魔王様はどの位ここに居るの?」

「2・3日したら一旦、マギ聖共和国に帰るよつもりだよ。」

今日は魔法“えぇーゆだなぁー”の練習と“お風呂”の実践を行ったので、後は夜寝るだけとなる。


厩にはポムと魔王様の馬“ロシナン”が入っている。

ポムは若いオス。

ロシナンはお年を召したメスだそうだ。

2頭は何か会話をしている感じがするけど、馬語は分からないや。


この話でタイトルの”ただの転生者”という言葉が出てきました。

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