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24.帰るよ

話し合いが終わり解散とはならず、

「アストール、そういえばここまでどのくらいかかったのだ?」

「昨日の中2時に出発し、中10時に途中で野営。翌中2時に出発し、中5時に王城に着きました。正味11時間…???ほ・ど・で・す?」

アレックは

「私は、日の出と同時に出発し中8時に着いたから8時間です。」

「あー湖の上走って来たからそんなに時間かわらなかったんだー。」

とぼくの発言で皆に睨み返された。

「「湖の上?」」


翌日の朝、領主様の馬車に王様と魔王様と領主様と僕が乗り込み、王都の外周を試乗することとなった。

早く帰りたい僕はお馬鹿さん2頭に早々“りにあかぁ”と“ういんどばりあ”をかけ、

いつでも帰れるようにした。

窓を開けて外を見ながら出発…する前に、馬鹿どもに

「御者さんの言う事を…ねっ。」

と言ってみた。

普通に走る馬車。

中は振動や加減速感が全く無い。

かなりの速さでつっ走っているのにも関わらず。

そしてとうとうその時が来た。

大きな河だ。

街道に沿って大きく迂回し橋を渡り向こう岸へ行く予定だったが。

馬鹿共が河の上を走る…爆速で。

そして向こう岸へ渡ることなく、更に海水面上も走り、王都外周を一周して正門まで戻って来た。

王都民の大勢に見られながらの試乗会。

街道を突っ走るくらいならまだしも、水の上を華麗に爆走する馬鹿車。

もう、王様も魔王様も目をきらっきらに輝やかせながら、僕を見つめるのよ。

やらないわけにはいかなくなっちゃったじゃぁあーりませんか。


王城に戻り、王様専用の馬車の前に来た僕たち。

領主様の2倍の大きさの王様用馬車。

6頭引きだそうだ。

この魔法を使うと1頭引きの方が性能をいかんなく発揮するが見た目がね。

「らじたい」「さすぺん」「じりょくべあ」「りにあかぁ」「えぇーゆだなぁー」「ういんどばりあ」「えぇーゆだなぁー」

馬車と僕が輝く。

そして“魔改造馬車”が完成。

魔王様の馬車でも

「らじたい」「さすぺん」「じりょくべあ」「りにあかぁ」「ういんどばりあ」「えぇーゆだなぁー」

ここで

「お()…お(ウマ)さんにかける魔法は今かけちゃうと大変になるよ。」

と言った。

そして“りにあかぁ”の魔法がかかっている内の一頭を馬車から切り離し

「ひっくりかえってみて」

と言うと空中でひっくり返ったまま浮いている馬鹿野郎。

そのまま手で押してひっくり返ったままの馬鹿を移動させる僕。

「ね!」

それだけ見て状況を理解した王様と魔王様。

馬の負担を減らそうと2頭引きにしていた魔王様は1頭引きにするみたいだ。

6頭引きの王様の馬車は4頭か3頭にするみたいだ。

流行のダウンサイジングね。


「では我々は帰ります」

と王城を後にする領主様一行。

外壁正門を出た我々は一旦集まり、領主邸に集合するということとなった。

ここでポムにも魔法を、

「りにあかぁ」「ういんどばりあ」

「では帰るよー、出発―!」

ポムはスターウォーズの光速移動?ハイパードライブ?のごとく一瞬で点になり視界から消えた。

呆然と見る領主様…と王城の上で見ていた王様と王妃様と魔王様他多数。

気を取り直して領主様馬車も出ぱーつ!

王城で見ていた人たちは、馬車も同じように点となって消えていくのを見ていた。

馬車中の領主様たちは自分たちも同じ点になってしまっているとは全く思っていませんでした。

帰路は、ポムも馬車班も湖上をショートカット。

ポムは7時間かからず、馬車班は9時間で領主邸に到着しましたとさ。

『これ、馬車にポム1頭だけ繋げたら7時間で王都に行けちゃうね。』

と心の中で呟く。


ポムはやはり賢い。

直感で可能と判断し、しっかりと街道間の森をショートカットして走っていたみたいだよ。

アレックは迫りくる木々が恐ろしくて目を瞑って僕の座る座布団にがっしり抱き着いて震えていたそうだ。


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