こんなに、君が僕の近くに居たのにね。
僕は、僕の彼女を飼っている。
彼女は、僕のペットだ。
彼女が一人になった時に、僕が彼女を監禁したんだ。
そっと彼女の後について、そのまま僕が乗ってきた
車のトランクに嫌がる彼女を詰め込んだ。
その日は、雨が降っていて人気のない所だったのも
あるけど、雨の日には更に人がいない場所。
そんな場所で、彼女を攫う。
彼女は、恐怖で悲鳴すら出す事ができなかったみたいだ。
僕は、サッと計画していた通りに彼女を連れ去る。
それに、警察沙汰にならないように前もって考えていた
計画を僕は実行に移す。
彼女の携帯からLINEで、家族や友達に一斉に送った。
【少しの間、一人で旅行に行こうと思ってるの。私から連絡
しないかもしれないけど、心配しないでね!】
彼女は、気まぐれで一人で何処にでも行くような女の子だ。
周りの女の子達とは、彼女は少し違う。
自分をしっかり持った強い女の子。
僕は、そんな彼女に恋焦がれていた。
でも、彼女の周りにはいつも人だかりができている。
僕なんかが、彼女の近くに寄ってはいけないよね。
彼女と僕じゃ、不釣り合いだ。
それでも、僕は君が好きだ!
何度も何度も、君の事を忘れようとしたのだけど、、、?
やっぱり無理で、僕の考えに反して君をどんどん好きになってく。
僕はいつしか、君に支配されていった。
寝ても覚めても君の事ばかり考えるようになっていたんだ。
もう、僕は自分の心に嘘をつきたくないと決めた!
だから、僕は彼女を拉致したんだ。
彼女を車のトランクから降ろし、家の中に連れて行った。
彼女は、僕から逃げようと何度も必死にもがいていた。
僕を見る彼女の目は、“犯罪者”でも見る目だった。
僕はそれまで、人を傷つけるどころか善良な人間だ。
君を、拉致するまではね。
でも、こんな事をしないと君は僕を見てくれないでしょ?
だからだよ。
『・・・ここは? 何でこんな事をするの? 私を家に帰して!』
『ダメだよ! 君はずっとここに僕と一緒に居るんだよ。』
『何故、私だったの? 私があなたに何をしたって言うの?』
『“僕を好きにさせたよね?”』
『・・・えぇ!?』
『分からないの、僕の事? 同じ大学だったと言うのに...。』
『・・・鼎くん?』
『やっと思い出してくれた!』
『鼎くん、私を家に帰して! こんな事して、何になるの?』
『君を一生、ココで飼う事を誓うよ。』
『・・・“飼う?” 私は犬や猫じゃないのよ!』
『勿論! 知ってるよ。』
『・・・知ってるなら、どうして、』
『君を僕のモノにしたいからだ!』
『人間は、モノじゃないわ!』
『さあ、どうかな? 試してみようよ。』
『・・・・・・』
・・・僕の計画通り、彼女を監禁できたよ。
彼女が好きなモノは、何でも用意したし彼女が寂しがらない
ように、大きなクマのぬいぐるみも買ってきたんだ。
全ては、彼女の為にね。
僕は、マメに彼女の携帯からLINEを家族や彼女の友達に
送る事で、1ヶ月も過ぎたというのに警察沙汰にならないんだ。
僕の思った通りだよ。
僕の計画は完ぺきだ!
このまま、ずっと僕と君が離れ離れになる事はない!
約束するよ! ずっとふたりでここに居ようね。
最後までお読みいただきありがとうございます。