出会い1
こんにちは始めまして。思い出代わりに小説に残します。半フィクションです。
この物語は、ある男の人生を記したものである。
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がやがやと喧騒にまみれた視聴覚室に一人の男が立っていた。
その場所では、音楽部の部活紹介を行っている。
音楽部というが、実態は軽音楽をやる部活だ。窓際にはギターの集団。教壇にはドラムセットが置いてある。ギターと反対側の窓側にベースの集団がいる。また、ボーカルの集まり、キーボードの集まりもある。
中学2年のころにアニメの影響でベースを始めたタクローは、ベースの集団まで足を向ける。目の前まで着たタクローはそこに座っていた青年に声をかけた。
「君もベース始めるの?」
その少年は答える。
「うん。君も?」
目の前で先輩たちに楽器を触らせてもらっている新入生たちも見ながら、会話を続ける。
「うん。中2からベースやってるんだよね。」
「すごいね。俺は何もやってないんだ。」
先輩たちがそれぞれ楽器を持って先頭に集まっている。これから合奏をするみたいだ。
「俺、タクロー。」
「今井って言います。」
「よろしく。」
「よろしく!」
この時、二人は長い付き合いになるなんて思いしていなかった。
二人は、席を立ち、先輩たちのもとへ向かう。合奏というか、セッションをやるみたいだ。
♪♪♪
「今井は、楽器何やる?」
「んー、まだ考え中。」
「俺はベースやるんだけど、今井ギターやらない?一緒にバンド組もうよ。」
「うん。いいよ。」
タクローはベース。今井はギター。あと必要なのは、ボーカルとドラムとキーボード。
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「今井って呼ぶのなんか距離あって嫌だから、あだ名付けるね!名前は今井でしょ。んー。毎々とかどう?」
「うん。いいよ。」
「じゃあ、これからまいまいって呼ぶね!」
このまいまいだが、今井は中学の時もまいまいと呼ばれていたらしく、さらにあだ名は変更になる。
今井の下の名前に幸せという漢字が入っているという理由で、今井はハッピーと呼ばれ始めるが、これはまた、別の話。しかも、このハッピーの命は、高校3年の夏に終わる。今井は、自分の持ち物に名前を必ず書くのだが、当時、うちわにも今井は大きな字で名前を書いていた。そのうちわを見つけたタクローはそのうちわに点を一つ付け加える。
以降、今井は今ドンと呼ばれ続ける運命をたどった。
(終)~出会い1~