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今日も生徒会は大騒ぎ

 「いい加減に機嫌を直してくださいよォ。良いじゃないですか? これ以上やられたら困るんですよ~」


ここは国市高等学校の生徒会室の前。

そこには沢山の人混みができている。

みんなイラつきを覚えながらも、必死に説得を試みている。

今、一人の生徒が立てこもっているのだ。


「うるさい!!! お前らに俺の気持ちが分かるわけがない」


そう言いながら、その人は中からドアを開かないように固定している。

なかなか生徒会活動が出来ないので困っている役員達。

すると、遅れて山上が生徒会室の前にやって来た。

彼は鏡を割った犯人を探していた帰りである。


「おい、どうした? 八剣。もう活動時間になっているが、今日は生徒会は休みにするのか?」


ドアの前で応答している生徒会書記の八剣に、同じく生徒会副会長である山上が問いかける。


「違いますよ。状況判断くらいちゃんとしてください。立て籠りです。生徒が立て籠っているんです」


八剣は山上を見下しながら言った。


「そうか……っで会長はどうした? あの人はこう言うときは頼りになる人なんだ。

まさか昼間の鏡を割った奴が反抗しているのか」


山上は会長を探したが、野次馬の中に会長の姿はない。

それに鏡を割った奴はしっかりとお灸を据えてやったのだ。

反抗したりはしないはずである。

これらの事から推理しようとするが。

まったく犯人の心当たりがない。

そして、山上が生徒会役員たちに目線を合わせようとしても、彼らもまた目線をずらしてくるのだ。

山上が一人ずつ目を見て話を聞こうとするが、誰一人話そうとはしてくれない。


「おい、何で話そうとしないんだ。何があったか教えろ。図書委員長」


山上は視線の列を一つ前の人に戻した。


「ちょっと、副会長。名指しですか?

何で隣の体育委員長を見た後に、また僕に戻るんですか?」


「すべこべ言わずに答えろ。何があった」


山上は図書委員長を睨みつけながら質問するが。


「会長ならあの中です」


返答したのは図書委員長ではなく、書記であった。

八剣は生徒会室の扉を指差しながら答えたのだ。


「なるほど……立て籠るのに人質は大切だからな。犯人の奴、上手いことしやがる」


山上は今、起こっている状況を全く別の解釈で理解した。

そんな山上を見て、八剣はため息をつきながら、


「気づけよ、バカ!!」


聞こえるか聞こえないかほどの小さな声で呟いた。




 その後、呆れたまま八剣は副バ会長に現在の状況を説明する。

すると、その真実を知った山上の顔は怒りで赤く染まり……爆発した。


「会長ォォォォァォォォォォォーー!!!

貴方どういうつもりだ? あっ?」


山上は生徒会室の扉を蹴破り、中に侵入した。

そんな怒り狂う山上に八剣は興味なさそうに俯きながら言う。


「ドアの破壊行為、公共物破損のため。弁償代払ってくださいね~」


山上は自分の蹴ったドアの残骸を見つめる。

そこにはボロボロに砕け散ったドアだった物が……。


「うるせぇよ。ちゃんと払っとくから」


山上は少し後悔しながらも、この問題は後で考えようという結論に至り、会長の元へと駆け寄る。


「おい。会長、貴方は一体どういうつもりだ?

こんなことまでして何があったかは知らないが、貴方はこの学校の生徒会の顔だ。

そんな顔がこんな事をしていいと思わないのが貴方だろ!」


そう言いながら山上は机の下に隠れていた会長を胸ぐらを掴みながら引きずって来ると、彼をソファーに座らせた。


「お前ら…………」


会長はみんなの顔を見た。皆が会長を心配している。


「皆、会長を信頼してるんだ。貴方が道を外したら俺たちが足を折ってでも止めてやる。だから、悩みがあるなら、少しでも俺たちに頼れよ!!」


山上のその言葉に心を打たれた会長は少し涙を流しながら笑顔で言った。


「お前らありがとうな。俺は嬉しいよ。

ありがとう。お前らがこんなに俺のことを思ってくれていたのに俺は……俺は……。ん? 山上お前さっき俺の足をどうと?」




 それぞれ委員長達が仕事へと戻った後、生徒会室には三人の男女がソファーに座って話し合っていた。

生徒会長がこうなった原因を聞き出すためである。


「実はな、最近深刻な二つの悩みが出来てしまって。その一つは前に会った天使のような女の子に俺の大切な物を盗まれた事だ。

その品物とは、俺の恋心だァ」


そう言って二人を見つめた大台ヶ原だったが、二人の反応は彼にとって予想外だった。

二人はその相談に乗るわけでもなく、頷いてくれるものでもなく。


「よし今日は早く帰ろう。八剣」

「いいですね。山上。今日はどうします? 帰りに食事でも行きますか?」


二人から、興味ないから帰宅したいという態度を受けてしまったのだ。


「──まっ、そっちの話は置いておいてな。

お~い、話を変えるぞ二人共。待ってくれ。ドアから出ようとしないで、鍵を持っていこうとしないで……。もう1つの理由がな」


大台ケ原は慌てて2人を止めようとしていた。

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今回の話もどうかあなたの暇潰しとして役にたちますように…。 気に入っていただけたら是非評価でもポチッと押していただけませんでしょうか。モチベーションに繋がりますので…。星1でも構いません!! ★これ以外の作品☆付喪神の力で闘う付喪人シリーズ
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