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主人公は俺だ

 彼こそがこの物語の主人公にして、間違って転生させられた男。

あの魂は今ここにいる明山平死郎として生きていたのだ。

明山平死郎18歳。俺はこいつになった。

なったというよりは憑依したの方が正しいかもしれない。

いや、やはり転生だろうか?

──とにかく、こいつの周りの人には記憶喪失だと嘘をついて誤魔化しての生活。

正直、こいつにはかわいそうなことをしたと思っている。

こいつの人生を後から来た俺が奪ってしまったのだから………。



 しかし、あの女神が勝手にしたことだ。文句ならあの女神に言ってもらおう。

……という事なので、俺はこの世界を楽しむことにした。

これから始まる楽しい異世界ライフ。

でも、人と付喪神の世界は、俺が想像していた異世界とはかけ離れていた。

普通に人間界と同じような生活なのだ。

つまり、学校も仕事もある。ちなみに通貨は日本円だった。

お偉いさんが日本人なのだろうか?

まぁ、別に異世界だからって、そこまで認識するつもりはない。

でも、現実の世界と同じような生活なら俺もまだよかった。

ここは町から出たら、付喪神に襲われるし、恐ろしい魔王軍もいる世界。

平和とは程遠い最悪の世界、それがこの異世界なのだ。


──────────────────

 俺はそんな事を考えていたのだが、どうやらバイオンには違うことを考えているように見えたらしい。


「まさか、戦うのが怖くなって、私から逃げる手立てを考えているのですか?

せっかく私に勇気を持って挑んできたというのに………。

ですが、私は売られた喧嘩は買う男です。あなたを逃がすことは決してないですよ」


「はぁ?」


常に上から目線のバイオンに俺は少しイラっとしていた。

なんだ? この変な奴は?

人の睡眠時間を邪魔しておいてこの偉そうな態度。

すごいムカつく。睡眠不足のイライラもあるかもしれないが、俺はすごく怒っていた。

でも、そんなことは露知らず、バイオンは更に一人で喋り始める。


「まぁ、ここで殺されてもあなたにもいい教訓となったじゃないですか。一時のテンションに身を任せるとこうなるって事ですよ」


まったく違うんだけどな……。こいつはただ戦いたいだけだろう。

そもそも、こんな魔王と自分を自称している奴が、こんな町中に来るはずもない。かりに魔王だとしてもなんで町中に魔王が1人で進軍してくるのだろうか?

だが、そんな奴だから………とは言っても、俺は煽られるのが好きではない。

そのため彼の発言を聞いた事により少しイラッときたので、


「お前こそ、さっきから何にもしてこないじゃないか?

俺はさっさとお前を倒して、二度寝の準備といかないといけないんだよ!!

お前のために使う時間なんて本来は無いんだよ!!

雑音を取り払うためなんだ。だから、さっさと来やがれ!!」


あいつの言う通り一時のテンションに身を任せてしまった。

煽りを煽り返してしまったのだ。


「ん?

いいでしょう。では、お望み通り殺して差し上げますよ!」


もちろん、バイオンは少しイラついた声を出しながら、殺気を漂わせている。

はぁ、俺はなんてバカなことを言ってしまったんだろうか。

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今回の話もどうかあなたの暇潰しとして役にたちますように…。 気に入っていただけたら是非評価でもポチッと押していただけませんでしょうか。モチベーションに繋がりますので…。星1でも構いません!! ★これ以外の作品☆付喪神の力で闘う付喪人シリーズ
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