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無限回復・輪廻の如く

 戦士たちを襲う30体の巨大触手。

その圧倒的回復術に戦士達は苦戦していた。


「なんだこの触手!! いくら切り落としても再生してくる!!」

「傷がすぐに治っちまったぞ!?」

「イカみたいな見た目だな」


いくら触手を切り落とそうが、いくら触手を傷つけようが、不老不死の失敗作である巨大触手に対抗することができないのだ。

そして、たまに竜のような口がガッポリと開き、戦士達を飲み込もうとしてくる。


「頼む……誰か。切り落としてくれ!!!」

「こいつ、ダチの足に噛みつきやがって!!」


戦士達の戦況は大混乱。

だが、危機的状況にいるのは同盟連盟の戦士達だけではなかった。




 バイオンvs英彦・空木・乗鞍チーム。

本命対本命の戦いは戦士達のすぐそばで行われていた。

グサッ………!!

バイオンの皮膚を空木の鉤爪。

空木の能力によって最速の剣技が放たれる。

ザグッ………ザギッ………ザーッ……!!!

縦横斜めと空木の鉤爪の武器は爪を立てて、バイオンの肉を引き裂いていく。

これをバイオンは避けようとするのだが、速すぎる攻撃の嵐にはどうすることもできないようだ。


「ウッ…………!?」


されるがままに攻撃を受け続けている。

だが、バイオンの不老不死の効果はすさまじく。

空木の攻撃を7発喰らったくらいから、既に傷は癒え始めていた。


「ふははは、どうしました? こんなものですか? ぬるいぬるい。

月夜にしか輝けない野良犬が!!!

ここはあなたが来るような遊び場ではないのですよ!!」


バイオンは攻撃をやめてこない空木に向かって銃弾のようにエネルギー弾を発射しようとするのだが…………。


「それなら、もっとスピードをあげてやろうか?

暴喰乱舞ぼうしょくらんぶ』」


空木は必殺技を発動。ただでさえ素早かった攻撃はさらにその速度を上昇させて、バイオンに斬りかかる。

こうして、バイオンが攻撃を放とうとした瞬間に指を切断されるので、バイオンはエネルギー弾を発射することができなかった。

それでも、バイオンには何の問題もない。


「一撃一撃がマシンガンのように速いッ!?

ですがね。こうやって傷つけてもらっても全然痛くないんです。

私は不老不死ですからね。フワァ~」


皮膚が抉れようが、肉が引き裂かれようが、バイオンは暇そうにほっぺたを指でかきながらアクビをしている。


「だったら、全身を骨折させてやる!!!」


乗鞍は、空木がバイオンを攻撃している正面とは違いバイオンの背中側に立つ。

そして、一呼吸して気持ちを落ち着かせてから、彼は全身全霊で殴ったのだ。


「『Full power rush』」


乗鞍の能力は鍛えるほど上がる自己強化。

此度の彼は戦場に行く前にたくさん筋肉を鍛えてきたので、今まで以上のパワーとスピードを手にいれている。

DA・DA・DA・DA・DA・DAと放たれる拳の嵐。

そんな彼の拳によるラッシュ。

バイオンの骨という骨はゴキボキと簡単に折られていくのは明らかである。

正面や背後からの王レベル2人による鬼を討ち取るのような勢いの攻撃。


「オオオオオオオオオオおっ!?

これは………体勢を崩されますね。

ただでさえ、切り裂かれているというのに……。

全身複雑骨折どころか、粉のように砕けてしまいそうです」


そんな攻撃の嵐の中で、バイオンは激痛よりも興奮していた。

不老不死の能力を得た彼が感じるのは、どれほど強力な技が発せられても、一部だけが残れば生き返るという相手との圧倒的な差から生じられた高揚感であった。




 だが、そんな頃、高揚感を感じているバイオンにはもう1つ感じていることがあった。

それはこの戦いがいつまで続くかということ。

王レベルの2人の必死な攻撃がいったい何時になったらやめてくれるかということであった。

正直に言ってしまえば、王レベル達同盟連盟の敵戦力を速く潰したいと考えているのだ。

そろそろ敵になめられっぱなしもつまらない。

いい加減、攻撃をしていこうとバイオンは思って、指にエネルギーの塊を溜め始めた。

パンチのラッシュと鉤爪の嵐で、肉体がボロボロになりながらも、バイオンは再生してエネルギー弾を発射する隙を待っている。


「「ウオオオオオオォォォォォォ!!!!」」


必死すぎて周囲の細かい部分に気づけない王レベルの2人。必ずどこかに弱点はあると信じきっているのだ。再生にだって弱点や限界や疲労はあると考えての作戦だったのだが…………。

その作戦に意味があるか2人には分からない。

しかし、それがまったく効果がなくても、足止めとしてでも、バイオンに攻撃を当てるのは得策だと信じていた。




 そんな必死な2人の攻撃にバイオンは再生を繰り返しながら、エネルギー弾を貯めきった。

このまま2人の隙を見て発射すれば確実に銃弾することが可能になる。

そして、王レベルの2人を銃弾のようにエネルギー弾で射殺しようとしたその時。


「2人とも離れてください!!!」


バイオンの動きを察知した英彦からの2人の助言。

その声にハッと乗鞍と空木は攻撃を中断してバイオンから離れる。

それは一瞬だった。バイオンがエネルギー弾を発射した瞬間の出来事であった。


「『ラグナロク』!!!」


バイオンとエネルギー弾を火柱が包み込み、焼き焦がしていったのだ。抉られた部分に炎が当たり、その苦しみに思わず叫び声をあげてしまうバイオン。


「グギャァァァァァァァ!?!?」


英彦の放った禁断魔法の1つラグナロクは、1歩バイオンを追い詰めることに成功したのだ。

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今回の話もどうかあなたの暇潰しとして役にたちますように…。 気に入っていただけたら是非評価でもポチッと押していただけませんでしょうか。モチベーションに繋がりますので…。星1でも構いません!! ★これ以外の作品☆付喪神の力で闘う付喪人シリーズ
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