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これが恋だと知りました  作者: 神楽
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5. 変化 sideかおり

何かがおかしい。


「ここ、分かってると思うけど、間違えやすいから気を付けてね。」


・・・・・・。


予習をしてないなんて、嫌味の一つでも言われるかと思ったが、それも全くない。


これだけ何も言われないなんて・・・ちょっと気味が悪い。


しかもなんだか上の空のようだ。


どうしよう。


声をかけてみようか。


「涼介くん?」


返事がない。


さっきの彼女と別れたっていう話、実はショックなのだろうか。


友達の前で強がっていただけ?


それならこれだけ上の空なのも頷ける。


それに、そういうことなら勉強にも身が入らないだろうし、今日はこれで終わりにしようか。


意を決して、もう一度涼介に声をかける。


「涼介くん!」


はっと我に返った涼介が慌てて謝る。


「すみません。」


「調子悪いなら、今日はもう止めようか?」


「大丈夫なんで、そのまま続けてください。」


涼介が間髪いれずに答える。


「でも、顔色悪いけど・・・。」


「大丈夫です!!」


いつになく強い涼介の言葉に驚いた。


驚いて呆然としている私に、申し訳なさそうに涼介が言い直した。


「本当に大丈夫なんです。」


本当に大丈夫なんだろうか。


そうは思っても、これだけ本人に否定されてしまっては、これ以上は何も言えない。


「・・・私こそ、しつこくしてごめんなさい。」


二人の間に重い沈黙が訪れた。




「・・・達兄から、

友達からハロウィンパーティーに誘われてるって、メッセージ届いてましたよ。」


突然で驚いたが、気まずそうにしている私を気遣って、涼介が二人の共通の話題を出してくれたのだろう。


達也の話なら、私も涼介も話せることがある。


「さすがアメリカ。

ハロウィンパーティーなんてやるんだ。」


9月から新しい環境で学んでいる達也だが、優秀だし、人当たりも良いので、どうやら上手くやっているらしい。


「孤児への寄付なんかもやったりする、チャリティーイベントみたいですけどね。

大人も仮装するらしくて、本気で何に仮装しようか考えてるみたいですよ。」


涼介が達也の事を慕っている事が、会話の端々から感じとれる。


これまで、あまりそういう私的な会話はしてこなかったかもしれない。


勉強中に嫌味は言われていたが。


「達也先輩らしい。

何にでも本当に真面目だね。

サークルの新歓行事とかも、最初が肝心だからって、すごい真剣に考えてくれてたなぁ。」


この前の、「ハヤブサ」の名前をペットに付けた涼介の兄の話や、今日のような達也の話をする涼介は、年相応な男子高校生らしくて好感が持てる。


いや、今の時代、そんな心から慕えるような兄や先輩に出会える事がきっと貴重な事なのかもしれない。


それにしても、真面目な達也が、いったいどんな仮装ならできるのかと、ついつい笑ってしまった。


「仮装かぁ・・・。

ドラキュラ伯爵とか?」


仮装が楽そうなものは、やはりドラキュラかと思い、何気なく聞いてみた。


それを聞いた涼介が、少し神妙な顔をして答えた。


「それが、顔の良いやつはドラキュラはダメだって言われたらしくて・・・。」


「そうなの!?

達也先輩、海を渡ってもイケメンなんだ。」


この一族のイケメンぶりがグローバルだという事を知って、なんだか妙に関心してしまった。


人間、顔だけではないが、良いに越したことはない。


とはいえ、顔の良いヤツとは、あまり良い思い出がない。


子供の頃の友達の織田(おだ) (あかね)が、格好だけの男に泣かされては泣きついて来たことを思い出していた。


小学生の頃は大したことも無かったが、中学生にもなると、全てを捧げてしまう茜に呆れる反面、弄ぶような男に対しては我慢ならなくて文句を言いに行ったりもした。


高校生になって、別の学校に通うようになり、また茜にも彼氏ができた事で少しずつ疎遠になっていった。


それでも高校生の頃は月に1回ほどは会っていたが、私が大学進学で実家を離れ、また茜は地元の短大に進学したので、滅多に会えなくなっていた。


最後に会ったのは夏休みに帰省したときだ。


今は、短大に入ってから、合コンで知り合った彼氏と付き合っていると言っていた。


惚れっぽいところは少々難ありだが、基本的には素直な子だ。


茜には幸せな恋愛をしてほしいと思っていた。




「・・・それと、もうすぐ学祭だから、かおりさんに頑張れって伝えてくれって言ってましたよ。」


涼介の言葉に、暗い思い出を頭の隅に追いやった。


そして再び、異国に居ながらもサークルの後輩を思う真面目な達也を思い出した。


「やっぱり心配してくれてるんだ・・・。」


サークル代表として、あの個性豊かなメンバーを達也は上手くまとめていた。


達也の居ない学祭は、メンバーの誰もが不安に思っていた。


それでも、何とか形になりそうなのは、達也が色々とメモを残しておいてくれたからだ。


「達兄が、もしT大受けるなら、学祭とか見に行ったらどうかって言ってたんですよね。」


なるほど。


私は地元が遠くて、学祭に行こうとは思わなかったが、オープンキャンパスなんかとはまた違った面も見られて良いかもしれない。


「確かに、何となく雰囲気はわかるかも?

どんなサークルがあるのかとかも分かって良いかな。」


昨年は、初めて体験した学祭が、思ったよりもずっとお祭り色が強くて、少し戸惑ったのを覚えている。


「もし良かったら・・・。

学祭、案内してくれませんか?」


あぁ、学祭も色々とごちゃごちゃしてるから、誰かに案内してもらえればその方が良いだろう。


そんな事を考えながら、今の涼介の言葉を改めて思い出していた。


「はぁっ!?」


その瞬間、私の口から何とも間の抜けた声が出ていた。


「やっぱり無理ですか?」


戸惑いながら涼介の顔を見ると、想像していたよりもずっと真剣な表情をしていた。


「無理っていう訳では・・・。」


確かに、物理的には無理ではない。


しかし、精神的には無理だ。


あいにく、男子高校生を楽しませるような話術は持ち合わせていない。


何とか断る理由はないだろうかと、色々と考えを巡らせたが、サークルの当番以外の用事は出て来なかった。


彼氏でも居れば、約束があるからとかなんとか言えるだろうが、あいにくそんな存在とは無関係な学生生活である。


言葉を濁してうやむやにしてしまうのはどうだろうか。


ただ真っ直ぐと私を見つめる涼介に、少し圧倒されながら言葉を紡ぐ。


「あの、彼女は・・・?」


「別れました。

さっき、友達と話してたの、聞こえてますよね?」


「・・・でしたね。」




それにしても、男と学祭に行くってだけで、誰に何を言われるか分からないのに、こんなに目立つ人を連れて行けるのだろうか?


教授の覚えもめでたいという訳では決してないが、悪目立ちする様な事態は避けたい。


しかも、正直、さっきの涼介とその友達との会話も頭に残っている。


友達の前で強がってただけなのか、付き合っていた彼女に対して、本当にあんな風に思っていたのか・・・。


でも、例え後者だとしても、私には何の関係もない。


単純に私とは考え方が違う人間だというだけだ。





なかなか返答しない私に、涼介がしびれを切らした。


「家庭教師として、生徒の進路の事を一緒に考えてくれませんか?」


・・・また至極全うなことを・・・。


飽くまで、家庭教師として生徒の進路を応援すべきと言いたいのだろう。


・・・家庭教師という立場であれば、当然学祭を案内して、生徒のモチベーションを高めたり、大学選びの参考にしてもらったりと、生徒に協力すべきだろう。


仕方ない。


「・・・わかった。

あまり得意じゃないけど、それで良ければ。」


気は重かったが、達也の勧めでもあるとも聞いているし、学祭の案内を引き受けることにした。


「そうしてもらえると助かります。

ありがとうございます。」


涼介は、いつもの淡々とした調子を取り戻していた。







講義室の机にバッグをドサリと置きながら、涼介との昨夜のやり取りを思い出していた。


一夜明けて、実はとんでもない約束をしたんじゃないかと、半ば後悔している。


今更そんなことを考えても仕方ないのだが、考えずにはいられなかった。


「おはよう!

なんか眉間にシワ寄ってるけど、どうした?」


そう声をかけてきたのは、同じサークルであり、学部も同じというレアな友人の土屋(つちや) (みどり)だ。


翠は美人で、今年の学祭でもミスキャンパスに出ないかと、お誘いがきていたらしい。


「あぁ、翠。

おはよう。

ちょっと、家庭教師先の生徒から学祭の案内を頼まれちゃって。」


私はため息まじりに呟いた。


「それって、達也先輩の?」


言いながら、翠は私の隣の席に腰を下ろした。


「そうなの。

でも気が重いんだよね。」


「なんで!?

達也先輩の従弟ってことは、やっぱり超イケメンなんでしょ?

ラッキーぐらいに思っとけばいいんじゃないの?」


翠の言うように気楽にできればどれだけ良いか。


「確かにね。

イケメンなんだろうなと思うけど、性格は達也先輩と全然違うし・・・。」


毎週一度会っているにしては、全く涼介の事はわかっていないという事なんだろう。


「とりあえず、学祭のパンフでも渡して、興味ありそうなとこ聞いておけば?」


更に一層シワが深くなった私の眉間を指でなぞりながら、翠が言った。


「そうだね。

そうしてみる。


翠、ありがとう。」


「じゃあ、学祭ではイケメンの生徒くん、紹介してね。」


「あー・・・。

わかった。」


せめて、達也先輩の半分でも愛想が良かったら・・・。


って、彼が誰にどう思われようが、彼の責任であって、私には全く関係ない。


私がやらなければならないのは学祭の案内だけだ。







はぁ。


大きくため息をついた。


涼介から学祭の案内を頼まれてから数日が経った。


翠と話して、学祭のパンフも準備した。


しかし、正直、落ち着かない。


彼が何を考えてるのか、全然わからないのが、このもやもやの原因だろう。


単純にからかわれてるだけかも知れないと思うと、それはそれで腹が立つのだが、どうにも落ち着かない。


いけない。


今日は本屋のバイトだ。


考え事をして、手元が疎かになっていた。


ふと、涼介の言葉を思い出して、人知れず顔をしかめた。


“仕事だと思ってました。”


頭に浮かんだ言葉を振り払うように、数回頭を振ると、返本するための本を集め始めた。


とはいえ、少し集めすぎたかもしれない。


かなり重い。


こんなことなら台車を持ってくるんだった。


どうにも調子が出ない。


一度集めた本を放り出す訳にもいかず、少しよろよろしながら歩いていると、ドンという衝撃があった。


「あっ、申し訳ありません。」


お客様にぶつかってしまったと思い、本を落としそうになりながらも頭を下げた。


それと同時に、私がぶつかった客が、落ちそうになった本に手を添えた。


「大丈夫ですか?」


その声は聞き覚えのある声だった。


恐る恐る顔を上げると、そこには見覚えのある顔があった。


「り・・・涼介・・・くん?」


「この本屋でバイトしてたんですね?」


「あの・・・ありがとう。」


思いがけない人物に出会って、しかも、ちょっとした失敗を見られたことで、私の頬は熱くなっていた。


まさかこんなところで出会うとは・・・。


しかし、この辺りでわりと大きな本屋といえば、自ずと限られてくる。


「バイトって何時までですか?」


そう言いながら、涼介は後ろを振り返り、何かを確認したかと思うと、腕時計に目を落とし時間を確認した。


私は予想外の問いによくわからないまま答えていた。


「えっと、10時まで・・・だけど?」


「そうですか。

じゃあ、引き続き仕事、頑張ってください。」


そう言うと、涼介は本来の目的を思い出したかのように、参考書のコーナーへと消えていった。


取り残された私は、しばらく彼の後ろ姿を見送ると、再びヨロヨロとバックヤードに向かって歩き出した。


彼の行動に少し引っかかりを感じたが、返本の作業を始めると、すぐに忘れてしまった。




一通り箱詰めが終わると、時計の針はバイトの終わる22時を少し過ぎていた。


事務室でタイムカードを押し、エプロンをロッカーにしまって、身支度を整える。


「お先に失礼します。」


バックヤードにいる社員に声をかけ、店内へ続く扉を開けた。


店内を通り、同僚に挨拶しながら、店の入り口に向かう。


店の外に出ると、ひんやりとした空気が身体を包んだ。


バックヤードも冷えるが、外よりはマシなようだ。


小さく伸びをして、家に帰ろうとしたその時、声が聞こえた。




「お疲れ様です。」


「えっ!?」


あまりに驚いて、上手く声が出なかった。


「・・・どうして・・・?」


「・・・実はうちの母が、この辺りに不審者が出たって言っていたので。

そういうの知ってて一人で帰せないですよ。」


気のせいだろうか。


そんな風に話している涼介の顔が少し赤いような気がする。


それとも、隣の店のムーディーな暖色系のライトのせいだろうか。




不審者のことは、本屋に警官がきて注意を促していたので知っていた。


でも、どこか他人事で、夜でも真っ暗になることはないし、あまり気にしていなかったように思う。


涼介にそんな話をされなければ、自分が被害者になりうることも、全く考えてなかった。


まあ、今もそんなに真剣に心配はしていないが、涼介にあんな風に言われてしまっては、断るのも変な気がして送ってもらうことにした。


「遠回りになるのに、ごめんね。」


「もし知ってる人が襲われたりしたり、さすがに寝覚め悪いんで。

それに、オレから言い出したことなので、気にしないで下さい。」


やはり、さっきのことは私の気のせいかもしれない。


いつもの涼介の調子だ。


「待っててくれた・・・んだよね?」


「30分くらいでしたし、新しい参考書もgetしましたしね。」


重ねて気にする必要はないと念押しされてしまった。




それにしても、長い。


家までの道のりって、こんなに長かったっけ?


そう心の中で自問自答してしまうくらい、家までの20分の道のりが長く感じた。


20分間、この沈黙に耐えられるはずもなく、私は涼介に話しかけた。


「あの・・・学祭!

学祭って、何か行きたいところとかある?」


涼介は(おもむろ)に手を顎に添えると、思案顔で答えた。


「そう言われても、まだ詳しいことは何も知りませんからね。」


そうだった。


そのための学祭パンフだった。


でも、ちょうど良かった。


今日、パンフレットを持ち帰ってもらえれば、行きたいところなどもじっくり考えられるだろう。


「かおりさんは、何かするんですか?」


「へっ?」


色々と考えているところに問いかけられ、我ながら何とも間抜けな返事が出てしまった。


「あぁ!

あれ、サークルで写真展。

天文写真展やるの。」


「そういえば、達兄も言ってました。

今年は流星群がキレイだったから、きっと良い写真があるはずだって。」


「そうなの!

今年の夏合宿のテーマは流星群で、ペルセウス座流星群に合わせて合宿を計画したんだよね。

深夜には月も沈んで、結構な好条件で見られて、シャッター押すの忘れちゃってたくらい。


達也先輩も、俺の門出祝ってくれてる・・・の・・・かなって。」


あれ?


なんだか話がしんみりしてしまった。


街灯があるとはいえ、少し俯いた涼介の表情まではよく見えなかった。


「達兄から夏合宿のことも聞いてます。

コレが終わったらいよいよ出発なんだって。


天体観測はしばらくお預けだなって言ってましたよ。


達兄のことだから、全く当てになりませんけどね。」


「確かに!

日本の夜空はしばらくお預けでも、達也先輩ならもう向こうで天体観測友達見つけてるだろうね。


夏合宿も普段は写真はオマケみたいな感じなんだけど、今回は達也先輩のこともあって、結構みんな写真撮ってたのかも。

思い出に残しておきたかったのかな。


来年、達也先輩が戻ってきても卒研あるだろうし、今までみたいにはいかないだろうなぁ。」


「達兄、慕われてるんですね。

オレの中では、うちの兄貴とバカやってた達兄のが、らしいですけどね。」


ちょうど街灯の下を通った時に、涼介のいたずらっ子のような表情が見えた。


こんな表情もできるのか、としみじみ感動すると同時に、今まで私も身構えすぎていたのかもしれない、と自然に肩の力が抜けたように感じていた。




最初はあれほど遠く感じた家までの道のりも、気付けば数メートルになっていた。


少し涼介と打ち解けられた気がして、家庭教師も悪くないかもと思い始めていた。


「私の(うち)、ここのマンションなんだ。」


単身者用の賃貸マンションの前で、私が立ち止まると、少し離れて歩いていた涼介も足を止めた。


「割と良いところですね。」


「年季入ってるけどね。」


「じゃあオレ、帰ります。」


そう言うと涼介は、会釈をして去っていった。




・・・そのはずだった。


なんだか、もう少し話したいと思ってしまった。


「あの!」


私の声に気付いて、涼介が振り返る。


「どうかしました?」


「お茶でも・・・どうかな?」


私のその一言が、穏やかだった涼介の表情を一変させてしまった。


そして、ぐんぐんと涼介が近付いてきたかと思うと、涼介が何か言った。


始めはあまりに唐突で、何を言われているのか分からなかった。


「だーかーらー、あんたバカ?」


呆然としている私にたたみかける。


「こんな夜遅くに男を家に上げるとか、何考えてんの?

襲って下さいって言ってるようなもんなんだよ。

それとも何、襲ってほしいの?」


涼介の手が私の手首を掴んだ。


「イヤッ!」


咄嗟に大声を出して、涼介の手を振り払っていた。


「あっ・・・。」


「男なんてすぐにその気になるんだから、少しは気を付けろよ。」


それだけ言うと、怒り冷めやらぬといった様子で、涼介は帰っていった。









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