結菜!~前編~
「起きろ達也! 朝だぞ!」
う・・・カーテンを開けるな・・・まぶしいだろうが・・・。
そりゃぁ起きなきゃならんのはわかってるんだが・・・。
って、今日は土曜日だから休みのはずだろ? なんでこんな早く!
「茜、今日は休みなのになんでこんなに早いんだ?」
くそっ・・・いまの時間は6時30分、後2時間寝る予定だったんだが・・・。
眠りを妨げられるというのは実に苦痛だな。
「私たちはなぜ達也と一緒に生活している?」
あーもう・・・展開は読めましたから言わなくていいです・・・。
どうせいつも遅く起きている俺を早起きの俺にチェンジとかそんなもんなんだろ?
「そう、遅起きの達也を、早起きの達也にチェンジするためだ!」
やっぱりな・・・。
もうワンパターンだな、おまえらは。
突っ込む気すら起きねえよ・・・。
「あ、今日は私たち3人だから、覚悟しておけよ?達也!」
びしっと指をさされて宣言されても・・・。
・・・待て。
親父たちが・・・いない・・・だと!?
「なんで・・・親父たちがいないんだよ!」
昨日はなんにも予定がないとか言ってたろうがああ!!!
何なんだよあの親たちは! 年頃の男子女子を一つ屋根の下に留守番させるなんて、おかしいだろうがああ!!
「私たちがいるから大丈夫だと言って、どこかに旅行に行ったみたいだ! 今日はいろいろなことができるぞ!」
目を輝かせて言うな!
やばい・・・なんか計画立ててるよ・・・。
「とりあえず、ご飯だから早く降りて来てくれ。」
鼻歌交じりに俺に言うと、茜は部屋を出て行った。
誰か助けてくんねーかな・・・。
まぁ、飯くらいは食わなきゃな。
あいつらも待ってることだし。
ベッドから起き上がり、私服に着替える。
「はぁ・・・。」
溜息が自然と出てしまう。
階段を下りていると、いつも母さんが作っている料理とはまた違う香りが漂ってくる。
さなかの料理は食べたことがあるが、美味かったもんなぁ・・・。
「遅い!もうご飯できてるのに!」
リビングに入った瞬間、急にどなられてしまった・・・。
そりゃぁ、いろいろ考えてたりしてたから遅くなってしまったけど・・・。
・・・いさぎよく謝ったほうがいいかな?
「わりぃ・・・ちょっと考え事とかしててさ。」
さなかはしょうがないわね・・・的な雰囲気を存分に出しながらため息をついた。
そこまでオーバーにやらなくてもいいじゃんかよ・・・。
しかし、これは俺が悪いからな、しょうがないか。
「ところでこれ・・・さなかが全部作ったのか?」
量が多くないか?
ご飯はいつも通りの量として、おかずの量が半端じゃない・・・。
女子2人と男子一人じゃきついと思うぞ?
「いや、茜も一緒に作ってたから、少し作りすぎちゃって・・・。」
照れたように言うな!
自分がかわいいってことにいい加減気付けよ・・・こいつは・・・。
許すしかないもんなぁ・・・。
「と、とりあえず、冷める前に食おうぜ!」
さっさと食べてどこかに出かけるかな・・・。
あ、寝癖とか結構あるかもな。
ちょっと逃げる時間はないかもな~・・・。
「「「いただきます!」」」
一口目は豚の生姜焼きとご飯なんだが、美味いぞ? 美味いんだが、やはり莫大な量のサラダなどに目が行ってしまう・・・。
まずは俺の分を全て食べてからだ!
さなかたちもこの量を食べられるか心配なようだ。
まったく・・・。
.
.
.
結局、全ては食べられなかった。
まぁ、サラダ以外は全部食べられたからいいだろう。
歯磨きをしていながらさっきの飯の状況を思い出していた。
ピンポーン・・・
誰か来たのか?
さなかが出てくれたようだ。
「あー!!」
さなかが驚いた様子だった。
一体誰が来たんだ?
急いで歯ブラシを洗ってうがいをし、玄関へ行く。
「うお・・!!」
俺も驚いてしまった。
今俺たちの前には・・・
「結菜? なんで来てんだよ!」
結菜は相変わらずの無表情からぎこちない笑みを浮かべ、口を開いた。
「兄さん、ちょっと2人で出かけませんか?」
結菜からの突然のデート宣言・・・。
「はいぃ?」
だが、断る理由もない。
妹と散歩に出かける感じで行けばいいや。
「・・・わかった。じゃ、すぐ準備済ませるよ。」




