妹!
プロローグ編第3話です。妹と言っても、達也の親父の弟が養子に取ったから、義理の妹と言った方がいいですね。住んでる場所も違うわけですし。
夏休みは来週・・・か。
まぁ、待ち望んではいるが、なんにも予定がないからなぁ・・・。
と、何かしら考えながら朝のホームルームの一部、先公の話を聞き流していく。
隣の香を見る・・・もちろん、先公の話は聞かず、眠っている。
香の場合は、もう諦められてるからか・・・?全然怒られない・・・。
今日は来ている暁も眠っていた。
あいつも・・・多分諦められてるのだろう。
まぁ、香は先公から怒られまくっているとはいえ、身なりはきちんとして、髪も染めておらず、ワックスも使っていない。
性格に多少問題があるだけで、ギャルみたいな性格でもない。
まぁ、根はいいやつなんだよなぁ・・・。
ホームルームが終わり、教室がパッと明るい雰囲気へと変わる。
珍しく香が襲ってこないわけだが、なぜだろうか?いや、別に胸の感触が気持ちいからしてほしいなぁとか、そんな考えではなくてだなぁ・・・。
だが、よく見ると顔色が悪い。
「大丈夫か?」
この前も夏風邪を引いてたしなぁ・・・。
顔を覗き込むと、急に倒れこんできた。
「う・・・うぉ!?おい!大丈夫か!!」
息を切らしている・・・。
こりゃぁまずい・・・!
「保健室に連れていく!先生には適当に伝えといて!」
そばにいた連中らにそう伝え、香をおんぶする。
これはただの風邪じゃないかもしれないな・・・。
香をおんぶした俺は、急いで保健室へと向かった。
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保健室のドアをノックする。
先生はいるようだ。
「失礼します・・・。」
先生は笑顔でこちらに振り返ると、何の用かしら。と、聞いてきた。
「病人がいるんですが、診てくれないでしょうか?」
先生は笑顔を絶やさぬままうなずき、香の容体を確認しはじめた。
すると先生は、急に険しい表情になる。
人を診る時になると人が変わるなぁ・・・。
「あ、後は私が診てるから、達也君は教室に戻ってていいわよ。」
表情をこらしたまま、こちらの方を見もせずにそう言い放ってきた。
まぁ、できることなんてないしな・・・。
「失礼しました・・・。」
保健室のドアを閉め、教室へと戻る。
やべ・・・授業始まりそうだな。
自然と速足になる。
階段を上っていくと、誰かの足音がうしろから聞こえた。
「あ・・・達也・・・さん・・・。」
こちらに気づいた少女は、物静かな声で俺に挨拶をしてきた。
この少女は俺の義理の妹、まぁ血のつながっていない妹、とでも言おうか・・・藤城 結菜という名前だ。
まぁ、こいつは俺や親友と言えるようなやつら、家族たちとしかあまり話そうとしない。
「おー結菜、どうした?」
保健室にはいなかったし・・・何かしでかしたんだろうか?
「少し先生方に注意をいただいてきました・・・。」
え・・・いつも成績優秀で有名なあの結菜が・・・。
なぜだろうか?
「結菜が・・・なんかしでかしたのか?」
結菜はなぜか頬を赤くし、恥ずかしそうにする。
・・・ますます何をしたか気になってくる。
「いえ・・その、私があまりみんなと話さないから・・・ちゃんと関わりをもつようにって言われてきました・・・。」
なんだ、そんなことか。
期待して損したぜ・・・ていうか、期待なんかしてなかったがな。
キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムが鳴った。
「あ、わりぃ!急がなきゃ!!じゃあな結菜!」
結菜は別に忙しそうにせず、少しぎこちない笑顔で手を振ってくれた。
こうやってみると、意外とかわいいもんなんだよな。
まぁ、妹相手にそんなシスコン的な事を考えている俺であった・・・。
プロローグ編終了しました。次回からは本格的にストーリーを書いていく予定です。




