迷い
今日はまったくと言っていいほど寝られなかった・・・。
ただいまの時刻、午前2時。
目はずっとつぶってたんだが、どうにも寝られない。
「さなか・・・。」
ちなみに俺の今いる場所はリビングだ。
椅子に座りながら何かしら考えているところだ。
昨日のさなかの告白、俺は答えることができなかった・・・。
どうなんだ?
昨日からずっと考えてるがわからない。
自分は、さなかのことが好きなのか。
普通の幼馴染なのか。
こんなんで俺、答えられるのかなぁ・・・。
ガチャ・・・
ドアを開けた音だ。
俺の部屋から誰かが出てきた。
・・・茜か。
「達也、答えを出せないのか・・・?」
眠そうに言われても困るんだが。
しかし、その問いかけは明らかに的確な場所をついていた。
そう、俺は答えを出せない。
・・・っておい、なんで茜が知ってるんだよ!
あわてて茜の方に振り返ると、にやにや笑っていた。
く・・・全部知っててのことだったのかよ!
「YESかNOかを決めるのは達也自身だ・・・。」
その時茜が見せた笑みは、さっきまでのいじわるな笑みではなく、やさしい笑みであった。
なんだか落ち着くな・・・。
そうだ、まだ時間は少なからずあるんだ。
答えは必ず導いて見せる。
と、少しの安心感を手に入れたら、急に眠くなってきた。
「・・・悪い、少し寝てくる。」
茜はうん、とうなずいた。
階段を上り、俺の部屋に入ると、さなかが寝ていた。
いや、寝ていなきゃおかしいのだが、なにか新鮮な感じがする。
・・・何も考えるな、いまは寝る!それだけだ!
だが、やはり気になるからさなかから少し離れた場所で寝ることにした。
.
.
.
どれくらい寝てただろうか。
目が開けれない。
自分で起きておいて何だが、まだ眠いな・・・。
しかし、これ以上寝てるのも怒られるからだめだ。
仕方なく起きることにする。
目を開けると・・・
「さなか・・・?」
さなかが俺の顔を覗き込んでいた。
なにしてんだ・・・?
俺の寝顔でも観察してたのか・・・?
「い・・・いや、なんでもないわ!ご飯が覚めちゃうから早く下りてきなさいよ!」
そんな赤らめた顔でなんでもないって・・・。
なんかあると言ってるようなもんだ。
・・・昨日のことだよな。
いいや、今は早く飯を食べることにしよう!
そそくさと着替えを済ませ、リビングへ行く。
「なにがあった?」
ご飯はすでに冷めてしまっている。
いつもなら冷める前に俺を起こしに来るはずなんだが・・・。
「いや、さなかが2階に行ったまま戻ってこなかったから・・・。」
そうか。
つまりさなかはずっと俺の寝顔を観察してたわけだ。
・・・。
ふざけるな!
脳内ノリ突っ込みと言うやつか。
いや、もちろん飯を作ってくれたことには感謝だ。うん。
だけどな?
ずっと俺の寝顔を観察って、どういう神経してんだあいつは!!
じろりとさなかの方を見る。
「ごめん・・・。」
そんなマジになられても困るんだけど・・・。
ったく・・・しょうがねぇな。
「ほれ、さっさと食べよう!もうさ。」
茜とさなかも座り、みんなで手を合わせる。
「「「いただきます!」」」
・・・ずいぶん冷めてるな。
一体何分俺を観察してたことか・・・。
羞恥心ってやつがないのか?さなかには。
ま、今は飯を食うことが先決だ。
・・・しかし、ついさなかの方を見てしまう。
昨日のことを考えてしまう。
1日中さなかの事を考えてるなんて、やはり好きなのだろうか?
いや、自分の中にそういう恋愛感情はあまりもっていない。
だけど、ただの幼馴染とも受け止められない。
あーもう!
「どうした達也、箸が進んでないぞ?」
茜に指摘され、ようやく我に返った。
そうだ、さっき飯を食うことが先決だと思ったばかりじゃないか!
よし、さっさと食おう!
茶碗をもち、一気にご飯を口の中へ入れ、味噌汁で流し込む。
「達也、汚い食べ方だな、さなかの事が気になってしょうがないということはわかるが、それはきちんと食べ終わってから考えろ!」
な・・・。
茜、やはりおまえはエスパーなのか・・・。
あーまったく・・・自分でもわかるくらい顔が赤くなってる・・・。
自然とさなかの方に目を向ける。
茜にあんなことを言われたら、そりゃぁ頬も赤くなるよな。
そのあとは、3人とも何もしゃべらず、静かな食事となった。
.
.
.
ベッドに倒れ込む。
自分のことなのに、わからない。
さなか・・・。
「くっそおおお!!!わけわかんねええ!!」
枕を床へ叩きつける。
くっそ・・・まずは落ち着け、俺・・・。
深呼吸を5回ほどし、気持ちを落ち着かせる。
よし、もう1回考え・・・。
「・・・達也。」
さなか・・・こんなタイミングで来られてもなぁ・・・。
もう、何を言われるかは分かっている。
「答え・・・決まった?」
悪いな、まだ決まっていない。
それどころか何も進展なし。
俺の態度で決まっていないとわかったのか、さなかはため息をついた。
「いい加減決めて!私は、早くYESかNOか決めてほしいの!」
本当にごめん、さなか・・・。
さなかは静かに部屋を出て行った・・・。
・・・こんな俺じゃ絶対だめだ。
だけぢ、答えが定まらない。
・・・。




