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【第一章完結】霊が導き、霊を導く悪魔祓いの異世界霊能者~異世界で霊視持ちの俺、聖魔の力で悪魔祓いやってます~  作者: 犬型大
第一章

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47悪魔の狙い1

「全滅しただぁ?」


 流石のゲルディットも驚かずにはいられない。


「正確には一人だけ帰ってきたのですが……」


「チッ……それはわざとだろうな」


 慌てた様子の聖職者の口から飛び出してきた報告は衝撃的なものだった。

 助けを求めるために町を出た聖騎士たちが全滅した。


 もっと言えば一人だけ逃げ帰ってきて、他の聖騎士は悪魔祓いも含めてやられたのだ。

 一人帰ってこられたのは偶然じゃない。


 きっとメッセージ的な意図がある。

 ゲルディットは盛大に舌打ちした。


「力を誇示し、助けを呼ばせないつもりか」


 ダモン一人を狙った時点では、悪魔の力はまだ読めなかった。

 悪魔祓いを狙うような自信はあるのだろうと予想はできたが、ここにきて悪魔祓いすら倒す力があることが判明した。


 力を見せつけた。

 そして、この都市から誰も逃さない、助けを呼ばせないという意図を感じる。


「俺たちが調査している間にこんなことが……」


「くそっ……思っていたよりも状況が悪いな」


 ゲルディットは乱雑に頭を掻く。


「このまま教会にこもっていても、おそらく助けは来るだろう。だが悪魔の狙いが分からない」


 状況が一気に悪くなった。

 町から誰も移動してこないという異常が続けば、周りの町も何かがあると気づくはずだ。


 何もしなくともそのうち助けが来ることは間違いない。

 ただそれにどれだけかかるかは分からない。


 そして、いまだに悪魔の目的も分からないのだ。

 こんな派手な行動すれば、悪魔祓いが集まってくる。


 いかに強い悪魔であっても追い詰められてしまうだろう。


「こうなると教会にこもって守りを固めるのが最善の策……ということになるがな」


 助けを呼びに行けず、悪魔祓いも一組失った。

 残る悪魔祓いは二組で、悪魔はひとまず一組程度なら倒してしまうような相手と分かった。


 二組居ても不安。

 もっとも最善の策は何もしない。


 他の町の教会が異変に気づいてくれるまで、じっと耐えることになってしまうのだ。

 だが悪魔がそんなもの望むはずがない。


「……どう思う?」


「私は分からない」


 流石の俺も何がしたいのか予想できない。

 ただイタズラに町を封鎖したという可能性すらゼロじゃないのが悪魔なのだ。


 あまり期待していないけど、パシェにも聞いてみた。

 こういう時に思いの外鋭い意見を出してくれるかも、と思ったのだけど、いつものトーンで答えが返ってきた。


 逆に安心する。


「エリシオは?」


「さあな……愉快犯な悪魔じゃなきゃ何かの狙いがあるだろうな」


「何狙ってる?」


 チラッとパシェの方を見ると、ヘルムの奥の目が俺のことを見つめていた。

 パシェの方は俺の推理に期待してるらしい。


「少なくともこの町にとどめておきたい誰かがいる」


 俺はここまでの情報から何かを捻り出そうと知恵を絞る。

 派手に見せるようにダモンを殺した。


 誰だって悪魔の仕業だと疑う。

 すると悪魔を逃さないように町から人が出ないように規制される。


「その中で……狙いは多分教会関係者だ。悪魔祓いや聖騎士じゃないかもしれないな」


「どうして?」


「悪魔祓い呼びたいなら悪魔が姿見せた方がいい。聖騎士なら魔物でも出せばいい」


 ダモンが狙われた。

 ただ人を足止めしたいだけなら一般人でも殺せばいいのに、わざわざ悪魔祓いを殺したのだ。


 悪魔祓いを呼び出したいのか、とも思えるが悪魔祓いを呼び出したいならこんな回りくどくアピールすることはない。

 悪魔祓いを倒せるほどの悪魔なら尚更だ。


 だけど悪魔祓いには手を出した。


「悪魔祓いが狙いじゃないけど……教会関係者が狙いで、悪魔祓いは邪魔ってことかもな」


 何かの目的に向かって動きつつ、その障害になる悪魔祓いを取り除くという複数の理由が絡んでいるのかもしれない。


「教会の中にいる誰かを引きずり出したい……のか?」


 全部証拠も足りない。

 確証もない。


 だけど、今俺がたどり着いた結論は教会の中にいる対象を狙っているのだというところに落ち着いた。


「見習い聖職者の誰かかもしれない」


「……何でそう思う?」


 いつの間にかゲルディットも俺のことを見ていた。

 部屋にいたセベストとハイネマンもだ。


「町に留める理由があるなら移動している人物でしょう。普段から教会にいるなら町を封鎖させる必要なんてないですからね」


「そうだな」


「移動する人物で、教会の中からあまり出ず、尚且つ教会関係者で、今いるのは……」


「移動してる見習いども……ということか」


「一理ある推理ですね。ただ……なぜそこまでして見習いを狙うのかは分かりませんね」


「見習い聖職者たちを殺したって悪魔の利益は多くないだろう?」


 ゲルディットは俺の推理に目を細めていた。

 セベストは考え込むように腕を組み、ハイネマンは悩ましい表情を浮かべている。


「名推理」


「まだ何にも分かってないさ。今ある情報を無理やり一本に繋げてみただけだ」


「それでも筋は通ってる」


「まっ、可能性がなさそうな推理じゃないとは俺も思うよ」


 ヘルムの奥でパシェが笑ってる気がする。

 情報の断片から狙いを推理した。


 まだちょっと抽象的で、確実性の低い推理だ。

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