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EVOLVE〜エヴォルブ〜 Season5 ― 心が動く瞬間(とき)―  作者: 柊梟環
EVOLVE Season5 ― 心が動く瞬間(とき)―
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第12章 信じる力 ― 未来への光 ―

長い道のりを経て、プロジェクトは光に満ちていく。

信じること――その力が、仲間をつなぎ、未来を照らす。


数日後の午後。


プロジェクトルームには、静かな空気が流れていた。


長く続いた開発が一区切りを迎え、

鷺沼(さぎぬま)はひとり、データの最終確認をしていた。


そこへ、不破(ふわ)がそっと入ってくる。


鷺沼(さぎぬま)さん。最終テスト、全部通りました。」


「そうか。」


短い返事。けれど、その声はどこか柔らかかった。


しばらく沈黙が続いたあと、

鷺沼(さぎぬま)はゆっくりと口を開いた。


「……私は、ずっと“間違えないこと”が正しいと思っていた。

 だが、人は誰も完璧じゃない。

 間違えて、傷ついて、それでも立ち上がる。

 ――その姿を、私はずっと見ようとしなかったのかもしれない。」


不破(ふわ)は静かに頷いた。


鷺沼(さぎぬま)さん……。」


鷺沼(さぎぬま)は遠くを見つめるように続けた。


「私はもう一度、信じてみようと思う。

 人を。仲間を。そして、私自身を。

 完璧を求めるより、誰かを信じて共に進むほうがずっと難しい。

 けれど、それが本当の“強さ”なんだろうな。」


不破(ふわ)の瞳に光が宿った。


「……鷺沼(さぎぬま)さん。

 やっぱり僕にとって、あなたはずっと憧れです。」


その言葉に、鷺沼(さぎぬま)は初めて心から笑った。


「……ありがとう。不破(ふわ)。」



◇◇◇



― ぽかぽか邸にて ―



その夜、ぽかぽか邸のリビング。

コーヒーの香りが漂い、穏やかな(あかり)の声が響く。


鷺沼(さぎぬま)さんと不破(ふわ)くん、

 ようやくお互いを信じ合えたみたいね。」


「はい。なんだか、ぽかぽかになりました。」


(なぎ)が笑いながら言った。


「僕らのシステム、やっと“心の回路”がつながったって感じですね!」


「お、(なぎ)。いいこと言うな。」


(しゅう)がコーヒーカップを置き、静かに言葉を継ぐ。


「わ〜い!(しゅう)先輩に褒められた〜」


「信る力って、結局“待つ力”なのかもしれない。

 相手が変わるのを信じて、焦らず、見守る。

 それが、俺たちのやってきたことだ。」


(たまき)が小さく微笑む。


「……ははの言ってた“ぽかぽかの魔法”って、

 たぶん、信じる力のことなんですね。」


(あかり)がやさしく頷いた。


「そう。信じることは、魔法と同じ。

 見えなくても、ちゃんと届くのよ。」


その言葉に、全員が自然と笑みをこぼした。


窓の外では、街の灯がゆっくりと瞬いている。


その光のひとつひとつが、まるで誰かの“信じる心”のようだった。


――ぽかぽかとした光が、

  今日も確かに、この世界を照らしている。

誰かを信じることは、魔法に似ている。

見えなくても、確かに届く。

ぽかぽか邸の笑い声の中で、“心が動いた瞬間”は未来へと続いていく。

そして新しい光が、また誰かの胸にそっと灯るだろう。

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