『長谷寺の観音造立のついでに速記シャープつくること』速記談5027
長谷寺の観音は、神器二年三月二十一日に供養した。同師は、行基上人であった。長谷寺は、興福寺の僧道明、沙弥徳道の二人が建立した。ともに播磨国の人である。その仏の木は、雷で倒れて、近江国から大和国に流れ着いたものである。
道明たちは、この木を引いてきて、仏を刻もうと思ったが、財力が伴わなかった。そこで、正三位中務卿兼中衛大将藤原房前がその旨奏上し、勅命によって大和国の稲三千束を下すことが定められた。これによって、十一面観音を造立した。高さ二丈六尺。雷神があらわれて、八尺四方の台座をおつくりになった。余った木片で速記シャープをつくった。長さ五寸弱という。
教訓:中衛は、近衛と職務がほぼ同じで、後に近衛が左近衛、中衛が右近衛に再編された。