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新星のアイオーン  作者: ネツアッハ=ソフ
対話編
37/52

4、悪魔の生まれた日

 それは、彼と彼女がまだ幼かった頃の話———地獄を切り開いて生まれた二人の悪魔(あくま)の話。


 彼らが生まれたのは、紛争地帯の中にあるとある集落(しゅうらく)だった。其処は、一言で例えればまさしくこの世の地獄(じごく)だった。そうとしか言えなかった。


 そんな中、彼と彼女は生まれた。この世の地獄に生まれた二人は、まるで引き()せ合うかのようにすぐに出会う事となる。それは、まさに運命的であっただろう。或いは、因果(いんが)の業か。


 彼と彼女は、生きる為に何でもした。窃盗(せっとう)や殺人など、彼らにとっては日常の一部だった。


 生きる為なら、彼と彼女にとって他者を(がい)するなど苦にもならない。そもそも、彼らからすればこの地獄で生きるという事はそういう事だった。それしか、生きる方法が()かったのだ。


 生きる為に他者を蹴落(けお)とす毎日。そんな日々に、変化が訪れたのは何時の日だったか。


 そんな中、彼らの日常にある日一つの石が()げ入れられる事となる。悪魔(あくま)が微笑んだのだ。


 その者は、自身を悪魔と名乗(なの)った。純血の悪魔と。そして彼らはその者を悪魔だと信じた。


 あっさりと、すぐに信じる事になった。


 いや、信じざるを得なかったと言っても()いだろう。何故なら、その悪魔一人に手により永く続いた紛争は終結したからだ。全滅だった。壊滅だった。皆殺(みなごろ)しだった。


 この世の地獄は、更なる地獄により終結(しゅうけつ)する事となった。


 彼と彼女は悪魔に()せられる事となる。そして、意図も容易く契約の書に(はん)を押した。悪魔が差し伸べた手をそれぞれの(おも)いを以って取ったのだ。


 それが、彼らの原初(げんしょ)の記憶。彼と彼女が悪魔(さいやく)となった日だった。

短い………

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