番外、はじまりのしんわ
はじまりに、”きょむ”がありました。
きょむは、たえずゆらぎつづけていました。つねに、ふあんていなままゆらぎつづけていました。
あるひ、とつぜんきょむのなかに”とくいてん”がうまれました。とくいてんはすべてのちゅうしんにあります。とくいてんにできないことはありませんでした。
とくいてんはとてもたいくつでした。たいくつで、たいくつで、けどしぬことすらかれにはできませんでした。かんぜんなそんざいであるかれは、しぬことだけはふかのうだったのです。
そのきになれば、しぬことはできるかもしれません。しかし、とくいてんにとってはしはかんぜんなしではありません。かれにとって、しはかんぜんなしょうめつではありませんでした。
だからこそ、とくいてんはたいくつでした。
くるいそうなくらい、はるかながいときをずっときょむのなかそんざいしていました。
なので、とくいてんはあるひたいくつをまぎらわせるために”せかい”をうみました。はじまりのせかいはとてもひろい、はてのないせかいでした。はてのない、すべてがひとつにかんけつしているかんぜんなせかいです。
つぎに、とくいてんはそのせかいにいくつものたいじゅをうえました。うちゅうがいくつものかのうせいにぶんきしえだわかれするかのうせいのせかいです。
つぎに、とくいてんはそのうちゅうのたいじゅにせいめいをつくりました。つくられたうちゅうのなかでいのちたちははんえいし、かずかぎりなくふえつづけました。
さいごに、とくいてんはうちゅうにしすてむをくみこみました。
とくいてんはあらゆるかのうせいのせかいに、あらゆるいせかいのほうそくをもうけることでせいめいのしんかをあとおししました。
あらゆるいのうやかみさまのけんのう、こゆううちゅうすらも、とくいてんのしすてむからはせいしうまれました。せかいは、ついにかんせいしたのです。
とくいてんはじぶんのつくったせかいをみて、とてもまんぞくしました。きっと、いつかこのうちゅうのたいじゅからとびだすものがあらわれることをかくしんしたのです。
そのときこそ、とくいてんのたいくつははれるだろう。そう、かれはかくしんしました。
だから・・・
だから、きっといつか。いつかかならずわたしとおなじばしょまできてほしい・・・
固有宇宙シリーズにおける創世神話です。




