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弱者に死を  作者: unknown
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特殊能力

有言実行、但し分量は少ないという中途半端さ。

やっぱり予想通り、勇者の力は凄まじい。



ソリャソウデスヨネー。異世界転移した勇者様達は、もうそれはそれは強かった。

俺のステータスがかなり残念な一般人並みなお陰で、先を先行する奴等のヤバさが俺にはありありと分かった。

階層が低いことも関係しているのだろうとは思うが、短期間の修練でよくもまあそうズカボカと魔物を屠れるもんだな……。


今の所、基本は魔法範囲攻撃を得意とする奴らがメインで戦ってる感じだな。倒し損ねた相手を物理攻撃メインの奴らが引き受けて、後衛に被害が出ないように。魔法範囲攻撃という事は魔術士であって、つまりおめーらは後衛じゃないのか…?

行動速度を優先させる為なのだろう、無駄に強い魔法をポカスカ撃ちまくっているように見える。当然、魔力は無限ではない。そう長くは持たないだろう。

そう、普通なら……


「癒やしの女神よ。彼等に再び立ち向かう力を!!『慈愛の光』!!」


ぱぁー、と、俺の隣で発生した魔法陣から暖かな光が前線組の方へ流れていく。するとその瞬間、息が上がっていたものから倒れかけていたものまで、全員の動きが良くなる。これはまるで……


「全快魔法……」


無理……何この人達。足手まとい扱いの単体回復士の全快魔法ですらこれ。ポーションで代用できるとかって言ってたものの、回復される側が一切何の動作もしないでいい、つまり戦闘中も回復出来るとか、持ってきてるポーション達が不憫だよ。

ついでにいうとそのポーションを持ってきている俺も、瓶を割らないように足元に気をつけながら進まなければいけない事もあり、横で大活躍している治癒師に「もうポーション捨てていい?」と聞きたくなってきている。まあ備品みたいな扱いなので勿論冗談だが。俺個人のポーションは一向に減る気配がない。

…俺の担当職員さんはこの夜食ちゃんを担当してなかったんだろう。


因みに、治療を施している当人、俺の隣にいる例の彼女はどうやら回復が不要ならしい。

なんでも、他人を治療する際は治療する速度が大幅に上昇し、尚かつ魔力を一切使用しないパークを持っているとか。

マジこいつらチートだよ。


ステータスプレートを見ると、特殊能力というのは3種類あるらしいが、その3つはそれぞれかなり方向性が異なっているらしい。

まず、3つの特殊能力全てが持っている属性が『レアリティ』である。

これは、コモン、アンコモン、レア、ベリーレア、ウルトラレア、レジェンドレアの順に希少度が上がっていき、レジェンドレアは言い伝えでは神からのみ付与されると言われている程希少性が高い。因みにレアリティが同じでも特殊能力の種類によって希少度は変わるらしい。

具体的には、レアアビリティはアンコモンスキル、コモンパークと同等の希少度とか。

そして、当然ながらレア度が上がれば特殊能力の性能も上がる。

但し、稀にレアリティとの関係性がない場合があるとのこと。レアアビリティでもコモンスキル以下の能力しかなかったり、逆に、レアパーク相当の性能を持つコモンアビリティも存在するらしい。

で、実際のところレアリティが主に表すのは習得難易度なのだそう。

……正直俺には関係のないことなんだが、まだ異世界転移に夢を抱いていた頃に聞かされた話だから覚えてしまっている。何とも虚しい。


他にも、共通するのが『属性』である。

現在、『重ねがけ可能・不可能』『クールタイム』『アクティブトリガー』『シークレット』など確認されているが……色々な意味で説明は要らないだろう。


基本的にアビリティは目立たない形で所持者のステータスを増強する。あるいは各種攻撃への耐性を付加するなど、パッと見そんなでもない、しかし死地では頼りになる事もある能力。

スキルは一点突破に秀でたものが多く、魔力体力を代償に自分のステータスを超えた動きが出来たり、特殊攻撃を繰り出せたりするとのこと。

パークは、常時発動するもの、自分で発動するもの、勝手に発動するものなどあるが、アビリティの超強化版、又はチート性能版という感じらしい。

パークによって、一時的ながら人のレベルを超えた力を行使したりもする事が出来るのだ。

そう、隣で魔法を使いながら魔力消費ゼロという化物じみた能力を持つ彼女のように……。

……チラッと彼女がこっちを見て、また回復に戻った。別に変な事は考えていなかったぞ。断じて。


因みに、パークはスキルのように体力魔力を消費したりはせず、基本的に低レアリティのものの場合はメリットのみだ。その為なのか、低レアリティパークで人外の様な能力を得られるものはそう多くない。

高レアリティのパークになってくると、その絶大な効果故にクールタイムが1週間だとか、一度使うと丸一日全ステータスに大幅下方が入るとか、大きなデメリットが付いてくることが多い。

特に大きなデメリットや、元に戻らない代償を要求してくるものは『デンジャー』という固有の属性を持っている。

このデンジャーパーク、デメリットの内容がそれはそれは酷いものばかりで、一度パークが発動する毎に特定ステータスが永続的に1割減だとか、丸1月一切動けなくなるだとか丸一日体力ステータスが1になるとか(当然ながら最大体力量が1になる訳で、担架から落ちるとかだけで死ぬ。因みにそのパークは代わりに蘇生が滅茶苦茶簡単になるという効果もあったらしい。パークの所持者はお花畑を見る目が肥えたとか肥えなかったとか)、えげつないものが多い。

彼女のパークも明らかに強力なものなので、何らかのデメリットがあると思われるが、なんだろう、連射しているという事はそんなに大きなものでは無いのだろうか?もしそうだとすれば流石勇者クオリティだとしか言いようが無いが……。


パーク、ね。


ステータスプレートは、所持者の能力を数値化、文章化する。

それがあるこの世界は、才能の無い人間が希望を持つことすら許してはくれないという事だった。

見ていただいてありがとうございます。

評価をして頂けると幸いです(たとえ1であったとしても、反応をして頂けると事がモチベーションアップに直接繋がります)


次話は月曜夜10時又は火曜日夜10時予定です。それとは別に、晩の間に寝落ちしなければ、朝にはもう一話上げられているかもしれません。

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