旅立ち
振り返ったら、全部なくなっていた。
きらきらの粒子たち。その道の中に落ちたか、はたまたどこかへ逃げていったか。
真っ暗な道しか私には残されていなかった。
なんで、こんなことばかり
泥だらけでもはや何色だったか思い出せもしないワンピースが、もう引き返せと翻る。
歩き続けるなんて、愚かだ。
もう諦めろ、お前に、これ以上なんてない
傲慢だ。私は、傲慢だ、我儘だ。自分勝手で、こんなやつは、どこにも必要とされない。切り捨てられる側にしか建てない。
こんなのだったら、今までに、手遅れになる前に
怠くて、怠くて、私は止まることを諦めた。
それは社会への反逆であり、無知であり、餓鬼にしかできない選択であった。
血が流れた。多分、私の血が、道を染めた。赤く、時々、黒く。
もう、どうしたって私は、裏切り者である。