15 りんご病と障害児、その家庭
最近、りんご病が流行っているらしい。
昨年は風疹が流行して話題になっていた。
男性にも風疹の予防接種を、と。
何が問題になるかというと、妊婦さんへの感染だ。
妊娠初期には流産の可能性があり、それ以外にも母体や胎児に影響のある場合がある。
以前、スマホによく出ていたし自分が妊娠する時にもすでに行われていた羊水検査。
これによって、遺伝子の病気やダウン症児の可能性があるかないかわかるよう。
もし重い障害があれば、妊娠を継続するかどうか選択をする。
それによって、産まない選択をする夫婦もあるようだ。
脳の場合には障害でも出産しないとわからないということもあるだろう。
肢体の場合だとエコー検査があるから、大きなことは見ることが出来る。
私の子供の一人は、生まれてからわかった障害がある。
障害のある子どもを育てる養育者には、許可されると国からの補助金も出るには出た。
(自分から申請しないと、自動的に医師たちから行政に伝えられることはない)
ただ、お金を頂けることよりも、比べ物にならない、もっと厳しいことがあった。
それは本人、その家庭にしかわからない苦労や希望のなさ、疲れ。
もちろん喜びもあったが、気持ちの波というのもが家庭内に大きく出てしまう。
もし、障害のある子を持った時には親が先に天にいってしまうことの方が多い。
そうなると負担がかかるのは身内、きょうだいがいればきょうだいということになる。
そして、そのことは、きょうだいの結婚など人生に関わってくることもある。
きょうだいだから当たり前、おしつけあい、少々醜いーーしかし、当然でもあるーー家庭の様子も私はみてきてしまった。
命を大切にする、障害があるけれど一人の子供・人。
だけど、苦しいのは本人だけでなく家族もそうなのだ。
大抵の場合、母親の方は仕事をすることが出来ないことが多い。
偏見や心無い言葉を受けることも。
先日、電車に乗っていて大きな声で繰り返し言葉を発していた人がいた。
連れの人はその母親なのだろう。周りに謝罪していた。
命の大切さもあるが、私は産む前に障害があってどんな選択をするのかは、その夫婦・家庭が決めていいものだと思っている。
その検査を受けるのか、リンゴ病や風疹などに感染した時にどうするのか、周りが何かいうものではないと思う。こう言えるのも、自分の体験からだ。
だけど、もちろん障害のある子が生まれてきたなら抱きしめ精一杯のことをしてあげてほしいと願う。
数年前に聞いた話。教えてくれた人もマスコミから知ったようだった。
あるバスに障害の子を連れた母親が乗った。
同じ若い母親たちが冷たい目でみて、「障害の子なんてね」など大きな声で話し始めた。
次のバス停でおりるためのボタンを押す障害の子の母親。
バスの運転手さんは、
「お母さん、そこが目的地ですか?」
何も言わないお母さん。
「ちょっと! おりて下さい、そこの人達」
バスの運転手さんは、わざと大声で障害なんてと話していた人たちに言ったよう。
その後に言った言葉は忘れてしまったが、障害の子とお母さんを守るようなもの。
こんなことばかりの温かい世界なら、誰もが安心してどんな子でも産むことが出来る。
だが、世間というものは、人と違うことで比較するだけでなく見下したり偏見を持つのだ。
その子を育てるのは、その子の養育者。
だから、慎重にではあるが、検査を受ける・選択の自由があってもいいのではないか。
誰も介助をしたり面倒をみないのだから。




