どうでも良いけどラブラブって言葉としておかしいよね。
「あら…待たせた割には今日はずいぶん短いようですね?」
「ギクッ!…神様、起きていらしたのですか…」
「そんなことはどうでも良いのです。遅い上に短いとは…。私たちの物語を進める気はあるのですか?」
「いや、でも書きたくても書けないと言いますか…」
「そうですか…。そういえば貴方は頭を空っぽにしている時しかこの作品を書けないんでしたよね?それならこれでどうでしょう」
「いやいや!そうですけど!なんですかその手は?!あんまり近寄らないでください!訴えますよ!や、やめ!マジで!それ以上は!ら、らめぇええええええええ!!」
《ブシャ!》
おっさんのあたまはくだけちった!
「どう?受かってた?僕はあったけど」
「・・・お、あったあった。合格だ」
当たり前と言えば当たり前、僕達は学校では上の中。この学校は中の中だ。内申は80%で入れる基準を5近くオーバーしている。
「で?明日ちゃんは顔はともかく、性別がかわちゃったわけだけど、入学できるとおもいます?」
「というか、家にも帰れね~よ。今日からどうするんだ俺・・・」
頭を手で押さえながら絶望したようにたたずむ。実際絶望してるだろうしね。
「まあ、女として生きていくからには、口調を矯正する事から始めた方が良いんじゃないかな?」
「わかってるよ、んな事は。はぁ~、マジで家どうしよう」
ちっともわかっていない口調である。
「まあ、そこのところは何とかなるよ。神様にたのんで記憶操作とかしてもらえばさ。ちょちょいのちょいで」
「神様友達感覚だな!おい!」
絶望していても突っ込みは忘れないその精神、いいよ、いいよ、それでこそ僕の親友の明日だ。あ、間違えた。僕の明日だ。
「実はいつも話ししてるんだ~」
「お前と神様が・・・ありそうで怖いわ」
「え?本当だよ?お茶とか出して話してるんだよ?」
「ほ、本当なのか?嘘だったら一生口きかないからな」
「僕に嘘の脅しは効かないよ?でもまあ、本当だから大丈夫。小学生時代からの友達だからさ、明日より一年長い付き合い」
「え・・・、ちょっとショックだわ」
『ショックとは何事ですか。神より優位に立とうなど、おこがましいにもほどがあります』
僕はもう慣れっこだが、急に頭に流れ込んできた声に明日は戸惑い気味だ。
どうやら神様はもう起きたらしい。まだ12時にもなっていないというのに。今日はやけに早起きだ。何かあったのだろうか。
「じゃあ、早く帰ろうか。うちに着いたら話をしよう」
そして男子たちが注目する中、行き同様、二人でラブラブ下校をするのだった。