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終末の回避方法  作者: おぺ
5/9

二週目水曜日


女の子がいる。

金髪ロリ少女・・ぺちっ。


?「もっと高貴な呼び方にして。」


え?えっと・・深窓の令嬢とか?


?「深窓の意味わかる?」


・・そういやわかんないや。

意味がわからなくても使えるなんて言葉ってすごい。


?「家の奥深いところを指すの。いわく、上流階級の世俗から離れた環境のこと。」

?「私がそんな世間知らずに見える?」


・・外見だけなら。


?「かわいいでしょ。お姉様に愛されるロリボディよ。」


自分でロリだと認めた!?

あの、それより聞きたいことが!


?「ええ、今日は特別にひとつだけあなたに教えてあげようと思って来たわ。」


やったー天使様マジ天使様。


?「じゃ帰るわ。」


ままま待ってください!話が違います!


?「深窓の意味を教えてあげたでしょ♪」


・・・・確かにひとつ教わった。うん、まぁ・・

じゃなくて!僕が13番目として参加する意味とか理由とか!

なんで僕が12人を倒さないと世界が滅ぶのかとか!


?「言葉には気をつけて。あなたが12人を倒さないと、人類が滅ぶのよ。」


え・・?同じ意味じゃ・・


?「違う意味よ。人類は世界じゃない。」


えっと、12人は世界を救うための活動ですよね?


?「ええ。世界と言っても宇宙のごく一部の世界だけどね。」


僕は・・人類を救うための活動?


?「そうよ。間違えないで。」


・・違うことをしていた?

だから役割が違う?

じゃあ、世界を救うために選んだ12人って・・


?「FIRSTからTWELFTHまでの12人であってるわ。」

?「ただ・・ふたつ目的を持った子もいるけど。」


ふたつ・・他の目的もあるってこと?


?「教えちゃおっと♪その子の狙いはあなたよ。」


え!?

A GIRLは楽しそうににやりと笑った。

そこで僕は目を覚ました。


・・

・・・・


水曜日。

あああ、中途半端なところで起きてしまったあああ。

最後の話はなんだったんだ?

・・僕が狙いの子・・どういうこと?

考えてもなにもわからないまま、僕は学校へ行った。


紀一「よぉ相棒。テレビも新聞もネットもラジオも昨夜のこと一色だな。」

緑平「うん。隕石爆破の時は、リアルでも結構綺麗に光ったみたいだし。話題も見た目のインパクトも十分だったね。」

巴「昨日の生放送の話もあったからじゃろうが、もう国民栄誉賞の話も出ておるぞ。」

緑平「・・そういうのって、日本の話限定とかじゃないの?」

一応12人の中に日本人もいるけどさ。その人へってこと?


巴「幅広く受賞できるよう創設されたのが国民栄誉賞じゃ。昔はそれが出来なかったのじゃぞ。」

へぇ。


巴「さらに言うと、国民栄誉賞第一回目の受賞者は台湾人じゃ。」

緑平「日本人ですらない!?」

巴「それくらい柔軟な賞となっておる。」

巴「決めるには民間の有識者の意見が必要で、政府だけでは決められぬ賞じゃ。」

国民栄誉賞って、国民へ与えられる賞じゃなくて、国民に認められた人への賞ってこと?


緑平「まぁすごいことなんだよね!国が認めるほど!」

巴「そちらも既に政治的な利用だと批判の声があがっておる。」

緑平「・・その辺はどうなの?」

巴「そうじゃな・・例えば過去に漫画家がひとり受賞しておる。」

漫画家・・有名な人はたくさんいるけど、ひとりと言われたら・・

あ、漫画の神様と言われる人かな?


巴「お主の考えた人物とは別の人じゃ。」

えええ?心を読まれた!?


巴「言われれば納得する者ではあるが、ならあの人はなんで受賞しないの?と言われるような者でもある。」

緑平「そうなの?」

巴「国民的アニメと呼ばれる作品の作者じゃ。」

・・数人思い当たるんですが。


緑平「ああ、だから他の人はなんで受賞しないのかと思われるのか。」

巴「それが理由での受賞ではないが、条件があやふやなのじゃ。」

巴「それ故、公平さに疑問が残るものでもある。ではなぜ受賞が行われるのかと考えると・・政治家の都合=政治的な利用と思われるわけじゃ。」

巴「それに民間の有識者と言えば聞こえはよいが、業界人でもある。仲間を悪くは言わぬじゃろう。」

なら賛成する人と反対する人を集めてみるとか・・うん、まとまらなさそう。


緑平「難しいんだね。僕たちはどうすればいいのかな?」

巴「我らはそういうものだとわかった上で喜べばよい。選ばれた漫画家も相応の理由があってのことじゃ。」

巴「祝福し、己もそのような功績を残せる人物になろうと奮起すればよい。批判は誰も幸せにならぬぞ。」

僕もそういう人みたいに・・か。


巴「チャンスが二度来るとは限らぬ。訪れた機会をどう使うかはその人次第・・」

巴「お主はどうする?」

・・僕も、まさに今がチャンス・・なのか?


・・

・・・・


よく考えたら、僕が国民栄誉賞とか狙うなら自分が襲撃者だって公開することになるじゃん。

非公開でお願いします。

・・まぁ、立派な人物を目指すのは悪いことじゃないかな?

でも・・それどころじゃないよなぁ。

世界を救う以外の目的が潜んでいて、しかも狙いが僕だなんて。

もうどうすればいいかわからないよ!誰か正しい答えをください!


ジェミニ先生「百面相なんかしてどうしましたか?」

緑平「ジェミニ先生!もう僕どうしたらいいか・・」

ジェミニ先生「緑平くん、あなたはひとりじゃないわ。ひとりで全部の責任を背負おうなんてしなくていいのよ。」

緑平「でも・・・・僕の問題でも?」

ジェミニ先生「そうよ。子供の苦しみは大人の罪。例えあなたが世界を滅ぼしても、大人が一緒に責任を負うわ。」

ジェミニ先生「無責任な大人もいる。なにもできない大人もいるわ。でも、そんな大人ばかりじゃないの。」

ジェミニ先生・・新枦先生と担任入れ替わってくれないかな。


ジェミニ先生「ふふ、それはダメ。新枦先生泣いちゃうわ。」

また心を読まれた!?流行ってんの?


ジェミニ先生「悩んだら少し戻って周りを見るのもいいかもね。もしかしたらなにか見つかるかも。」

と言われても。

戻って周りを見るねぇ・・


・・

・・・・


昼休み。

紀一と巴と一緒に、A GIRLに選ばれた12人の攻略。


紀一「核を使おう。残機を考えればイケる!」

巴「残機を犠牲にするやり方は最終手段にして、まずは他の方法を考えてみぬか?」

紀一「えー。」

巴「核を使えば外へ出るのも危険になる。対して向こうはビルに籠っても問題ないじゃろう?」

巴「もし地下室なんかを備えておったら・・むしろ核への備えなど真っ先に考えると思わぬか?」

紀一「・・まぁな。」

緑平「なら地下室ごと破壊とかって、できる?」

巴「要は地面をどれだけえぐれるかじゃろうな。もちろん地下室は装甲されているのを前提としてじゃ。」

紀一「地面をえぐる兵器なんてあるのか?」

巴「ある。貫通能力に長けた、”地中貫通爆弾”」

緑平「あるんだ。」

・・あれ?

僕は知ってるぞ。

その爆弾の話、どこかで聞いたような・・どこだ?誰に聞いた?


紀一「逃げ場を攻撃するっていやらしい武器だな。新枦先生が好きそう。」

緑平「そうだ、ジェミニ先生に聞いたんだ!」

紀一「どうしたいきなり?」

確かチュートリアルで・・あの時確か・・


緑平「ある。僕が作ったやつじゃないけど、地中貫通爆弾あるよ!」

ジェミニ先生がお手本に作ったやつが。


紀一「よっしゃそれ使おうぜ。」

巴「待つのじゃ。建物を破壊しないと意味がないぞ。」

緑平「そうなの?」

巴「地中破壊爆弾は貫通能力に長けているわけで、爆発力が高いわけではない。」

巴「今使っても、ビルごと地下室を破壊することはできぬ。」

先にビルを破壊か・・ん?そっちも難しくない?


紀一「先にミサイルでも撃ってみるか?」

巴「そうじゃな。ただし発射元は特定される。遠くからカウントダウン形式で発射する形式がよい。」

紀一「遠隔操作は?あージャミング(妨害)があるか。」

巴「いや、もしわらわが12人の中にいたら、妨害ではなく遠隔操作系は乗っ取るぞ。」

紀一「お前ならやりそうだ。」

遠隔系とか電波を使うのは全部危なそうだな・・


緑平「じゃあ普通にミサイル撃ってみるよ。遠くからカウントダウンさせて。」

紀一「強力なやつ作れよ。」

緑平「となると材料かな・・」

火薬入れて、素材は鉄かな?入れて・・・・

名前を、超強力な時限式ミサイル、と。

いやだってミサイルの材料なんて知らないよ!普通は知らないよね?

いいからスタート!

チーン。小さい箱と紙が出てきた。

紙?


”箱を開けるとミサイルが出てきます。設置場所で開けてください。”


緑平「ああ、サイズがでかすぎるんだ。」

紀一「親切ここに極まれり。」

巴「親切すぎると人間が成長せぬから、多少失敗させてもよいと思うぞ。」

苦情はA GIRLへお願い。

箱を持って拠点から離れる。

ヴァーチャルは移動しても疲れないから楽ちん。


緑平「じゃ設置するけど、注意事項とかある?」

巴「座標計算は大丈夫か?」

緑平「・・」

なにそれ?


緑平「ま、まぁなんとかなるんじゃない?」

巴「なったら甘やかしが過ぎる!」

紀一「さすがに専門分野すぎるし仕方ないんじゃないか?」

ま、使ってみよう。

箱を開けるとミサイルが登場した。


紀一「ゲームっぽいな。スイッチがある。」

緑平「ぽち」

スイッチがあればとりあえず押す。


ミサイル「カウントダウン開始。残り30秒です。」

緑平「長いか短いかわからないけどダッシュで逃げよう!」

巴「ログアウトすれば平気じゃ。」

なるほど!


紀一「どうなるかはこっちの画面で見ようぜ。」

紀一が自分の携帯で12人の様子を表示させていた。

とはいえ携帯じゃ同時にひとりしか見れないけど。


緑平「FIRST、FOURTH、SEVENTH、TENTHがいるね。」

8人中4人がログインしているのか。

・・待てよ!


緑平「ステルス隕石は破壊したんでしょ?なんでこんな真っ昼間からログインしているの?」

紀一「海外とは時差があるからな。」

緑平「じゃなくて、もうここには用はないんじゃない?」

巴「・・まだ非公開情報ではあるが、次の脅威があるのじゃ。」

次の脅威?


巴「世界規模の大規模地震。ひとつの超巨大地震が世界中に伝播される。」

緑平「どれくらいすごいの?」

巴「最大のものでマグニチュード11。恐竜を滅ぼしたエネルギーとほぼ同等。」

緑平「確か、東日本大震災がマグニチュード9を記録してなかったっけ?あれよりさらに上?」

紀一「そういや自然発生だとマグニチュード10までが最大って聞いたことあったが・・」

巴「奇跡的な偶然が重なり世界中のプレートが大きく動く。」

巴「同時に世界中の火山が噴火し世界は火山灰で覆われる。」

巴「太陽の光が遮られ地球は氷河期に入る。」

巴「一時的に全球凍結となったのち、再び氷は解け温暖となる。」

巴「が、二酸化炭素は増大し人間がまともに生きられる環境ではなくなる。」

巴「・・と、ここまでが現在判明した未来の地球じゃ。」

えっと、人類終わったな。


緑平「色々起こるみたいだけど、人類どこで死滅しそう?」

巴「全球凍結を乗り越えることはできぬ。それまでなら・・わずかに残ることはあるかもしれぬな。」

緑平「全球凍結って、言葉からすると地球が凍ることっぽいけど・・」

巴「火山地帯と深海以外はすべて凍る。復旧には二酸化炭素の増大による地球温暖化が必要じゃ。」

巴「おぞましいほどの寒さと薄れた酸素の世界で生き延びた生物が、全球凍結の後で繁栄する。」

巴「人間には無理じゃ。」

緑平「地球終わった。」

紀一「地球は終わらないな。人類は終わるが。」

・・言われてみればそうだね。


緑平「そんな大変なことが近いうちに起きるんだ・・」

巴「約30年後。」

緑平「ん?」

巴「この大災害が起こるのは約30年後じゃ。今日明日の話ではないぞ。」

30・・年?


紀一「長いようで短いな。」

緑平「うん。最初あれ?って思ったけど、僕ら寿命を全うできないね。」

巴「30年あれど、地球の科学力では解決できぬ。今の環境があるうちに・・ということじゃ。」

緑平「・・それも僕は邪魔しないといけないのか・・あれ、ミサイルは!?」

30秒はとっくに経ったよね?


巴「さくっと迎撃されたぞ。今はFIRSTが所感を述べておるところじゃ。」

巴も自分の携帯で様子を見ていたようだ。


FIRST「今、THIRTEENTHによってミサイルが撃ち込まれた。」

FIRST「やはりと言ったところだ。もし本気で世界の滅亡を望むなら、昨夜のステルス隕石の破壊を邪魔すればよい。」

FIRST「それをしなかったTHIRTEENTHは、人類の敵ではない。なにか理由があるのだ。」

FIRST「そして攻撃の時間帯がある程度固定されている。攻撃時間はおおよそ2パターンに大別できる。」

FIRST「規則正しい生活を送っているのだろう。自由の利かない学生または社会人だ。」

FIRST「恐らく今は昼休み。だが国によって時差がある。」

FIRST「それを考慮すると・・UTC+9の国にTHIRTEENTHがいる!」

FIRST「極東アジアだ。」

FIRST「楽しいぞ。少しずつTHIRTEENTHのことがわかってくる。」

FIRST「似た立場の者として、いずれゆっくり話をしたいものだな。」

FIRST「貴殿が何者であろうと私は落胆しない。気が向いたら話に来てくれ。」


あの・・徐々に丸裸にされつつあるんですが僕。

FIRSTさんマジやばい。


「あーあ、THIRTEENTH終わったなマジで。」

「90代の熟練FIRSTさんが本気を出しました。」

「アジアってことは黄色人種か。てか、FIRSTさんって何人?」

「そりゃ白人だろ。」

「何人でもいいでしょ!結局世界は救われたの?どうなの?」

「多少場所は前後するんじゃね?UTC+8:30~9:30くらいの間ならオーストラリアも入るぞ。」

「オーストラリアってUTC+10じゃなかったっけ?」

「オーストラリアは、東部(UTC+10)中部(UTC+9:30)西部(UTC+8)」

「サンキュ見ず知らずの人。」


緑平「・・僕、大丈夫かな?」

紀一「場数の違う相手だな。A GIRLに選ばれるだけある!」

問題は、僕はそんな人たちを倒さないといけないってことか。

完全に僕の人選ミスだよ。


巴「問題ないぞ。FIRSTは心理戦を仕掛けてきただけじゃ。」

緑平「心理戦?」

巴「12人の状況は手に取るようにわかり、緑平・・THIRTEENTHのことは謎に包まれておる。」

巴「FIRSTたちは不安で仕方ないのじゃ。なんとしてもお主の手がかりが欲しいと思っておる。」

巴「防衛、反撃、そして心理戦と戦場を変えてるだけ・・緑平に時間制限があることを考慮すると戦況は五分五分と言ったところじゃ。」

巴がそう言ってくれるとちょっと安心。


巴「12人は決して弱音を吐かぬぞ。例え絶望していてもな。」

巴「弱音を吐けば、それは心が負けてしまうから・・緑平、お主も負けぬようにな。」

緑平「うん、ありがとう。」

紀一「っしゃ!何度失敗してもいいからな!次があるんだ、じゃんじゃん攻撃しようぜ!」

緑平「ああ!」

絶対にFIRSTには負けない!

僕たちの戦いはこれからだ!!!


~ おぺ 先生の次回作にご期待ください ~


緑平「終わらすな!!!」

まだA GIRLに選ばれた12人のうち、8人も残っているんだから!

8人・・きっついわマジで。


・・

・・・・


FIRST「・・すべては予定通りに進んでおります。」

?「そう。でもいいのよ別に。あなたのやりたいようにやっても。」

FIRST「これが私の望みですゆえ。」

?「そう。」

どこかの部屋の一室・・そこで老人は白き羽を持つ者と一緒にいた。


・・

・・・・


放課後になった。


紀一「今日もうち来るか?」

緑平「ああ。邪魔するよ。」

紀一「巴も来るだろ?」

巴「そうじゃな。微力ながら協力するぞ。」

巴がいれば百人力です。

いつものメンバーでA GIRLに選ばれた12人を倒すか。


三太「お、なんだ悪だくみか?オレも混ぜろよ。」

紀一「お前じゃ知識レベルが足りないから。」

三太「はぁ!?」

紬「なになにどうしたの?面白い話?」

三太「優等生グループがオレのこと仲間はずれにした!」

紬「勉強会でもするんじゃないの?」

三太「へへへ、男2人に女1人でどんな勉強するんだ?え?おい。」

巴「数Ⅲと数C」

三太「これだから優等生は困るぜ。もっと気持ちいい勉強しろよな。」

紬「えー、気持ちいい勉強ってなにするの~?」

三太「ちょ、なんだよ。お前したいのか?オレが教えてやろうか?」

紬「あ、三太くんは嫌。緑平くんか紀一くんがいいなぁ♪」

三太「この裏切り者があああああああああああああああああああああああ」

紬「やっぱりー、頭よかったりー、運動できる人がいいっていうかぁ。」

紬「巴ちゃんもそうだよね♪」

巴「顔じゃな。」

三太「こんの俗物どもがああああああああああああああああああああああああ」

三太「男はハートだ!ハートを見ろ!」

緑平「三太はさ、女の子のハートを見ているの?」

三太「胸」

紬「うっわ最低!ド変態じゃん!」

三太「変態じゃねえよ!男はみんな巨乳が好きなんだよ!紀一言ってやれ!」

紀一「恐怖を与えて来ない女の子がいいな。」

三太「・・お前になにがあった・・」

紀一って、過去にトラウマでもあったの?

紀一の恋愛話とか聞いたことないけど。


三太「緑平はわかるだろ?」

緑平「紀一以外のみんなは、要するにどこか魅力が欲しいってことだろ?それならわかるよ。」

緑平「紀一は・・病院いこっか?」

紀一「一生治らないからいいよ。お酒を飲みながらアルコール依存症を治そうとするのと同じだ。」

その理論だと、紀一はずっと恐怖を受け続けているの?


三太「緑平は没個性だからな(笑)特徴がないのが特徴だな(笑)」

紬「そんなことないよ!緑平くんは・・・・顔がいい。」

それはそれでどうなんだろう?


三太「これはもう天音にも聞かなきゃな。おーい天音!」

天音「なに?」

三太「この優等生3人とバカ1人に言ってくれよ。オレのかっこいいところを。」

紬「私バカカテゴリに入れられた!?」

天音「かっこいいところ・・・・・・?」

三太「ちょ、ひとつはあるだろ!」

天音「えーと・・(困惑)」

紀一「あんまり困らすなよ。」

三太「うっせえ!おい器用貧乏、オレの良さをこいつらに言ってやれ!」

器用貧乏って、僕のことかな?


緑平「物怖じしないところと、溢れんばかりの積極性かな。」

三太「聞いたか愚か者ども、これが模範解答だ。」

巴「バカには皮肉が通用せんな。」

三太「皮肉・・?ああ、焼き鳥は皮がうまいよな。」

紬「もも肉の良さがわからないなんて三太わかってなーい!」

天音「ぼんじり・・」

巴「ネギまじゃ。」

紀一「レバーかな。相棒は?」

緑平「もも肉が好き。」

紬「だよねだよね!もも肉おいしいよね!私たち気が合うね♪」

三太「けっ、焼き鳥の種類くらいで気が合うとか決まらねえよ。なあ紀一!」

紀一「・・性格は、矯正できるそうだよ・・」

三太「お前大丈夫か?目が死んでるぞ。」

相談に乗った方がいいのかな。

ジェミニ先生紹介しようか?


巴「紀一は疲れておるようじゃな。緑平、今日はうちで続きをせぬか?」

三太「なんだふたりきりか?お前らできてんのかよ。」

紬「緑平くんは私のー!」

天音「あ、勉強するならうちもいい?」

巴「今日はダメじゃ。また別の機会にな。」

天音「そうなん?」

巴「急いで進めたいところがあってな。少人数でやりたいのじゃ。」

天音「んー、じゃあまた今度やね。」


緑平「紀一は大丈夫か?」

紀一「あ、ああ。オレは大丈夫だから今日は巴と頼む。」

A GIRL絡みだからなんとしても参加したがると思ったけど、そうでもないのか。

・・かなり調子悪い?


・・

・・・・


僕と巴は、巴の家で対12人の対策会議。

人類を救う仲間がいるっていいなぁ。


緑平「でもさ、あいつらなら新しい視点の意見が出ると思うよ。」

巴「責任感のない者の意見などその殆どが無意味じゃ。稀に良案がでるじゃろうが、それまで待つ余裕があるのか?」

・・ないな。


巴「それとも・・わらわでは力不足か?」

巴があと少しでキスできるところまで顔を近づけた。

いやあの、近すぎません?


緑平「い、いや、巴がいれば十分というか・・僕も不要なんじゃないかなーと思うくらい。」

巴「緑平がいなければ始まらぬ。選ばれたのは・・お主じゃ。」

あの、顔近いままなんですが。

無防備すぎません?


巴「緊張しておるのか?なら手をつないでてやろう。」

細く柔らかい巴の手が僕の手を包む。

より緊張するよ!

こんな顔を近づけて手を握って来るコンボをかまされたら・・

僕だって健康的な男子なんだよ!

・・コンボ?


緑平「そうだ!」

巴「どうした?」

緑平「そうだよ。僕ずっと一回ずつ攻撃してたけど、波状攻撃すればよかったんだ!」

巴「・・」

緑平「なんか不満そう?」

巴「別に。」

じゃあなんで頬を膨らませているんだろう?


緑平「迎撃設備を破壊して、ビルを壊して、地下室を狙い撃ちだ!」

地下室があるかわからないけど。


緑平「・・だけど、どうやって迎撃設備を破壊しようか・・」

巴「迎撃設備を壊せるような兵器を考えればよいのでは?」

緑平「それが思いつかない・・」

巴「なら迎撃装置が壊れる条件を考えてみるのじゃ。そうすれば何が必要か見えて来るぞ。」

迎撃装置が壊れる条件?


・・経年劣化とか。

時間を進めるような兵器か!未来的でいいね!

問題はどんな材料で作ればよいかだ。


・・そういや自然を利用するなんてやり方はよくあるよな。

川を氾濫させて洪水を起こすとか。

それで敵兵を飲み込んだり、城を水浸しにしたって話もあるし。

地震が起きるくらい巨大な爆発を海で起こせばいけそう。

ビルごと津波で飲み込めば、迎撃設備も壊せるんじゃないか?

というか、迎撃設備がどこにあるかよくわからない。


あとは・・火計か。

燃やし尽くす・・と言いたいけど、木造ならともかく、現代のビルを外から焼くのは大変そう。

油やガスがあれば・・ヴァーチャル空間には必要なさそうだしなぁ。


緑平「・・洪水でビルごと水浸しにしてみようかな。」

巴「旧時代的な発想じゃな。」

緑平「じゃあ巴ならどうする?」

巴「ふむ・・爆弾をビル内にワープさせて中から破壊する。地上だろうと地下だろうとそれで十分じゃ。」

・・巴が13番目に選ばれていた方がよかったんじゃないかなと思う今日この頃。

その日のうちに12人は全滅するわ絶対。


緑平「でもワープなんてできるの?」

巴「お主が使っているとんでも装置なら可能じゃ。」

緑平「いや一応さ、理論くらいはあるんじゃないかなーと。」

巴「現実でもワープ理論はいくつもある。一番現実に近いのは量子テレポーテーションじゃな。」

巴「量子コンピュータはその理論を応用して作られようとしておる。」

緑平「量子コンピュータって、もしできれば従来の暗号が破られるって言われているやつ?」

巴「そうじゃ。従来の暗号は総当たりで試せばいつかは解けるもの。が、解くのに100年とか1000年とかかかる。」

緑平「気長すぎる・・」

巴「コンピュータがいくら早くとも速度に限界はある。量子コンピュータはその限界をワープ理論で超えようと言うのじゃ。」

ワープにそんな使い方が!?


緑平「でも理論なんでしょ?」

巴「観測はされておるぞ。ワープのな。」

緑平「観測って、どこかでワープが行われているの!?」

巴「お主の目の前でも起きておるぞ。電子がそうじゃ。」

緑平「電子・・・・原子を分解したらっていうあれ?原子核と電子に分けられる的な。」

巴「あれがワープしておる。ただ人間が利用するなら、意図的に、望む通りのモノを、望む場所へワープ出来ねば意味がないがのう。」

・・確かに。

電子がワープしているからといって、人間が利用できるかは別か。


巴「わらわたち人間は元より、机も、水も、空気も、すべては原子で構成されておる。当然電子を持つ。」

巴「故にワープ装置の材料はなにを使おうが含まれていると言えよう。」

巴「ワープの様な不思議な現象は、量子の世界・・つまりわらわたちより物凄く小さなミクロの世界で起こる現象とされておる。」

巴「爆弾のようなものをワープさせる場合、一度ミクロまで分解させ指定の場所で再構成させる方法でよいじゃろう。」

緑平「ワープさせたら爆発のスイッチはどうやって押す?」

巴「爆破ボタンが押された爆弾を再構成すればよい。」

緑平「おお!じゃあその理論を使わせてもらうね!」

ワープなら発射位置を特定されずに済みそうだし。


僕は材料をポイポイ入れて、名前を付けて、スタートボタンを押した。

材料は何でもいいってあったから、ジェミニ先生が作った超地中貫通爆弾も入れといた。

なんでもいいんだよね?

チーンと、コントローラーが出てきた。


巴「ワープする爆弾を作ったわけではなさそうじゃな。」

緑平「再構成できるんなら、最初から指定場所で爆弾を作ればいいんだよ。」

緑平「つまり、”好きな場所に物を作れる機械”にした。」

これなら爆弾に限らない。

やろうと思えばメロンも作れるはず。糖度18くらいのとか。


巴「いい物を作ったのう。」

緑平「巴のおかげだよ。ありがとう!」

いやったぁこれがあれば勝てる!

防ぎようがないだろう!!!


巴「それだけ喜んでもらえるなら、お礼でも要求してやろうか?」

緑平「いいよ。僕にできることならなんでも言ってくれ。」

巴「・・なら、お主の人生とかかのう。」

人生?どうやって渡せばいいの?


巴「冗談じゃ。なら、わらわが困っていたら・・その時はお主が助けてくれ。」

緑平「もちろん。というか、お礼とか関係なく助けるよ?」

巴「ふふ、お主ならそう言ってくれるとおもっとったぞ。」

予想されてたΣ(゜Д゜)さすが。


緑平「よーし、早速使ってみよう!」

巴「まぁ待て。相手の様子を見ながらの方がよいのでは?」

そう言って巴はタブレットを取り出した。

・・でか!


緑平「それ何インチあるの?」

巴「20インチじゃ。」

タブレットで!?

大きくても10インチまでしかないと思ってた。


巴「これなら残った8人の様子を同時表示しても見づらくないぞ。」

うん。まぁ20インチあればまぁ。

・・紀一のノートパソコンより画面でかい(´・ω・`)これが格差か・・


さすがタブレットだけあって、すぐスリープから復旧する。

こ、これは・・・・


緑平「画面綺麗!」

巴「下手なものを買うと、10年前の商品より質の悪い画面じゃったりする。」

巴「良い物は吟味しなくてはな。」

え・・性能って上がっていくんじゃないの?

今まで画面なんて大きさくらいしか気にしてなかったよ。

だとしたら、同じネットの画像を見ても・・綺麗だと思う人と、そこまでじゃないなと思う人に分かれたり・・

使う媒体で質が変わってしまうなんて、おっそろしい世の中になったもんだ。

それを考慮している人がどれくらいいるだろうか?


巴「表示したぞ。」

緑平「処理速い!タブレットなのに。」

巴「高性能パソコンとそれほど変わらぬ。良い物を使った方が時間の短縮になるぞ。」

時間の短縮?

その考えは僕にはなかった。

そろそろ劣等感を抱きそうなので、さっさと8人を倒そう。

って・・


緑平「5人しかいない・・」

いるのは・・FIRST、THIRD、SIXTH、SEVENTH、TENTH

いないのは、FOURTH、NINTH、TWELFTH


同じ手は通じない相手だと思う。

でも、全員集まるまで待ったとして、それはいつだろう?


巴「もしかしたら、わざと全員いないようにしているのかもしれぬな。」

緑平「僕対策?」

巴「そうじゃ。ヴァーチャルの向こうには12人がいて連絡を取り合っておる。」

巴「突き詰めれば、ヴァーチャル空間にひとりいればなんとかなるぞ。」

そうなんだ・・


巴「どうする?計画を練り直すか?」

緑平「・・いや、FIRSTを倒せればかなり状況は変わると思う。」

緑平「FIRSTを含む、今いる5人を確実に仕留めるよ!」

巴「では、お手並み拝見といこうかの。」

ああ、ここからは任せて!


攻撃に必要なのは虚実。つまりフェイントをかけ相手の予想を誤らせる。

どんな強力な一撃も、がっちりガードされたら威力は激減する。

予想だにしないところへ与える一撃は、高い威力を発揮する。

フェイントをかけ、敵のガードを崩す!


緑平「まず超巨大爆弾を海中で爆破!」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

グラグラグラグラグラグラグラグラ・・


巴「津波じゃな。しかしお主のアバターも巻き込まれるぞ。」

あ、忘れてた。

ログアウト・・いや、それでは波状攻撃できない。攻撃のチャンスを失ってしまう。


緑平「・・周囲に防護壁を作る!」

好きな場所に物を作れる機械なんだから、津波を防ぐ防護壁だって作れるはず!

いきなり真っ暗になった。

防護壁を張れたっぽい。


緑平「そっちのパソコンの状況は?」

巴「向こうも気付いてビルのシャッターを閉めたぞ。大丈夫か?」

緑平「津波で外にある監視カメラを破壊。シャッターが閉まったことで中から外は見えないはず!」

津波が町を飲み込んだ。

僕のアバターは・・一応大丈夫っぽい。

防護壁のおかげだけど、周囲をきっちり囲っているため真っ暗だ。

しかも狭いし。


緑平「今なら攻撃しても気付かれない!第二弾、ビルを破壊する。」

ビルの中に爆弾を作って気付かれたら対処される恐れがある。

見えない外からミサイルでビル爆破だ。


緑平「ミサイル作成!いっけええええええええええええええ!!!」

ミサイルがビルに直撃して・・ビルは倒壊した。


緑平「やった!5人の様子は!?」

巴「ギリギリで地下室へ逃げ込んだぞ。」

緑平「追い詰めた!狭い地下に爆弾を送り込めば逃げられないはず!」

ビルのような大きな建物だと、ログアウトする余裕があったりするからね。

一流ゲーマーレベルの反射神経なら逃げられるかもしれないけど!


緑平「いけ!爆だ・・あれ?」

送れない。なんで?


巴「・・緑平、今爆弾を送ろうとしたのじゃな?」

緑平「うん、そうなんだけど・・」

巴「向こうの画面にメッセージが表示されておる。」

え?


”警告:ワープによる侵入を防ぎました”


緑平「ワープ対策されてる!?」

巴「有効範囲が地下に限られているところを見ると、まだ未成熟なシステムのようじゃの。」

巴「さて、緑平はどうする?」

緑平「このチャンスは逃せない。この好きな場所に物を作る装置を作った時、材料にしたこれを使う。」

ジェミニ先生が作った・・”超地中貫通爆弾”

これを再構築する!

真上から物理で地下を破壊すればいい。

問題は地下室の装甲を打ち破れるか・・


ジェミニ先生・・まぁ本人じゃないんだっけ。

あの人がどれくらいの威力に作ったかだ。

頼む・・

超地中貫通爆弾を再構築した。


巴「やれるだけやった。後は信じるのみじゃ。」

うん!

超地中貫通爆弾は、地下への装甲を・・突破して大爆発した。

タブレットの画面が爆発の光に包まれる。


緑平「やった!」

巴「見事じゃ。」


”残り4人・・それで人類は救われる”


メッセージ来た!

5人倒したから・・待って。

8人いて5人倒したら、残りは3人じゃないの?


”THIRD GAMEOVER”

”SIXTH GAMEOVER”

”SEVENTH GAMEOVER”

”TENTH GAMEOVER”


タブレットに、連続してメッセージが表示される。

でも・・FIRSTのゲームオーバーメッセージは出なかった。


緑平「FIRSTを逃した・・」

巴「いち早く危険を察知してログアウトしたのじゃな。」

巴「安全なはずの地下室より自身の危機感知を優先したか・・手強いのう。」

危険だから地下に避難したのに、そこから逃げるか?

場数の違いか、卓越した才能か、とにかく僕は仕留められなかった。

負けた。


「おおおい!一気にやられたぞ!」

「なにが起きたんだ?」

「知らねーよ。津波が来たからシャッター閉めたのは分かったが・・」

「地下に逃げたらやられたんだ。あとは知らね。」

「THIRTEENTHが本気出したんだよ!やべーぞおい!」

「神よ・・おお神よ、これが試練なのですか?」

「大丈夫だ、FIRSTは上手く逃れた!それにTWELFTHだって残ってる。」

「そうだ!ここからが本番だ!」

「頼んますマジで世界を救ってください。まだ死にたくない!!!」


4人倒した。快挙と言っていい。

でも・・


巴「浮かぬ顔じゃな。」

緑平「恐らく、残ったのは精鋭だと思う。」

戦いはより厳しくなる。

残りは、FIRST、FOURTH、NINTH、TWELFTH・・

僕は思った。

NINTHさんってどんな人?


巴「FIRSTがログインしたぞ!」

緑平「え?」

今攻撃するべきか、それとも静観するか・・


FIRST「周りを見渡せば、見事な廃墟だ。」

FIRST「状況を飲み込めなかった者へ説明しよう。」

FIRST「まずTHIRTEENTHが海で爆弾を使い地震、それと津波を引き起こした。」

FIRST「我らは海水の侵入を防ぐためにシャッターを下ろし、地下へ避難した。」

FIRST「津波で外の防犯カメラが壊れ、シャッターを閉めたために我らは外の様子がわからなくなった。」

FIRST「その隙に、THIRTEENTHはミサイルでビルを破壊した。」

FIRST「地下室で警報が鳴った。まさかとは思ったが、THIRTEENTHはワープ装置を使いなにか・・恐らく爆弾だろうな。それを地下へ送ろうとしていた。」

FIRST「ワープは防げたが、地上からの地中貫通爆弾で多くの仲間と地下室がやられた。」

FIRST「完全な詰将棋だった。今回は我らの敗北を認めよう。」


”メッセージが到着しました”

”今から30年後、超巨大地震により世界は氷河期に入ります”

”世界の生き物は絶滅します”


FIRST「タイミングの悪いときに・・メッセージの通りだ。」

FIRST「我らがステルス隕石を破壊した後も活動していたのは、独自の調査で超巨大地震の情報を掴んでおり対策に奔走していたからだ。」

FIRST「心配することはない。すぐに対処する。」

FIRSTが、ログアウトした。


「ちょ、どういうことだ!」

「THIRTEENTHやばい、地球やばい。以上。」

「氷河期だと?エアコンじゃ無理なのか?」

「全ての生き物が絶滅するレベルだと、スノーボールアースだろ・・?やべえ、やべえよ・・」

「スノーボール・・・・雪合戦?」

「地球が氷漬けになるってこった!海も地表もな!」

「赤道付近にいるやつは勝ち組。」

「赤道あたりも氷漬けだよ!火山周辺か、深海くらいだろうな凍ってないのは。」

「・・どうやって生活すればいいの?」


緑平「事前情報通りだね。」

巴「そうじゃな。FIRSTはすぐ対処すると言っておったが、どこまで信じていいかわからぬな。」

活動拠点壊しちゃったからなぁ。


緑平「・・本当にさ、僕のやってることって人類のためなのかな・・?」

30年後とはいえ、地球が凍るとか防いだ方がいい気がする。

僕が邪魔したら、それこそ地球に生き物がいなくなるよ。


巴「間違っていると思ったら軌道修正することも大切じゃ。しかし、世界の危機なのはステルス隕石の時と同じではないか?」

巴「今の緑平はただひよっているだけ、考えがぶれておるだけぞよ。」

う・・まぁそうなんだけど。

ほんと、なんで僕が13番目に選ばれたんだろう?

優秀な人なら巴の方がよっぽど・・


緑平「ならこのまま初志貫徹でいこう!」

巴「それがよい。天使がなぜ緑平を・・13番目まで選んだのか、最後まで行けばなにかわかるであろう。」

巴「その時に初めて人は真実を得る。」

きっとうまい感じにまとめてくれるよね。

なんたって、天使様なんだから。


緑平「よーし、今の僕にはワープ装置があるんだ。どんな敵だって楽勝だ!」

巴「問題は、誰もログインしていないことじゃな。」

・・あ、ログインしていない相手を倒すことはできないか。


緑平「・・しゃあない、今日はお開きかな?」

巴「泊りがけでログイン待ちしてもよいぞ。」

緑平「・・・・い、いやそりゃまずいよ!」

女の子の家にお泊りなんて。

僕はおいとますることにした。


巴の母「おやお帰りですか?」

緑平「は、はい。お邪魔しました。」

巴の母「またいつでも来てくださいね。」

巴のおかあさん、綺麗な人だなぁ。

物腰も柔らかそうで、つい心を許してしまいそうな気になる。

巴も大人になったらお母さんみたいに・・って、僕はなにを考えているんだ。

巴には婚約者がいるんだろ!

卒業後の将来も決められているくらい厳しい家で・・・・ん?そんな家に異性(僕)が来て大丈夫だったのか?


・・

・・・・


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