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終末の回避方法  作者: おぺ
3/9

二週目月曜日


女の子がいる。

ウェーブのかかった金髪。まだあどけなさの残る顔。そして白い羽・・

A GIRLだ。


?「最初は簡単だったでしょ?あなた程度でもできて当然。」


なんで、なんでこんなことしなきゃいけないんですか?

僕やりたくないです。


?「もっと苦しんで。もっと悩んで。そうすればお姉様もあなたが無価値だって気付いてくれる。」


お姉様って誰?

僕知らないよ。


?「ああ、なんて醜く愚かな生き物なのか。私の知ってる人間と全然違う。」

?「私の知っている人間は、もっと知的で、もっと誇り高く、どんな困難にも立ち向かい乗り越えていったわ。」

?「人類のため屈辱に耐え、涙を流しながらも、新たな未来につないでいった。」

?「どうしてあなたはこの程度で嫌がるの?どうしてあなたはゴミなの?」


そんなこと言われましても・・

僕はその人じゃないし。


?「色んな人間がいるのね?」


そう、そうです!


?「なら、色んな天使がいてもいいと思わない?」

?「あなたを苦しめる天使もいる。ただそれだけ。」


そ、そんな・・


?「どんどん苦しんで。絶望しちゃって。」


・・


?「救いが欲しい?」


はい!


?「なら何もしないことね。人類が滅亡して誰も苦しまなくなるから。」

?「あなたが12人を倒さなければ、人類は滅ぶ。」

そこで僕は目を覚ました。


・・

・・・・


月曜日。

僕に救いはないのか。

朝起きたら、汗びっしょりかいてた。

・・学校へ行こう。


紀一「来たか相棒!・・なんか疲れてる?」

緑平「おはよ。まぁちょっとな・・」

紀一「あー・・悪い。昨日一昨日と連れまわし過ぎたか。」

緑平「いやそっちは関係ないよ。どっちかというと、精神的なものかな。」

紀一「相談があれば乗るぞ。恋愛か?金か?家庭か?妹とは結婚できないことへの絶望か?」

その程度で絶望できたらうらやましいよ。


巴「ジェミニ先生は生徒の相談にも乗っておるぞ。」

緑平「へぇ、そうなんだ・・ちょっと興味あるなぁ。」

新枦先生「ぼく生徒!ジェミニ先生に相談するぅ!」

逮捕案件だけは勘弁してくださいね。


新枦先生「ま、1割冗談なのはいいとして、相談があればオレも聞いてやるぞ。」

なら9割本気・・?それこそ冗談ですよね?


紀一「先生は黙っててください。相棒の相談に乗るのはオレだ!」

新枦先生「ガキがガキの相談事を解決できるわけないだろ。大人に任せておけ。」

緑平「あ、ジェミニ先生に相談するから。」

新枦先生「ズコー」

紀一「ー匚ヽ(・ω・)/コー」

うーん、楽しそうなやつらだ。

学校はいいな。癒される。


新枦先生「ひとつ忠告しておくが、相談したってジェミニ先生と仲良くはなれないぞ!」

泣きながらなに言ってるんですか?

てか、本当に普通の相談ですって。普通の相談事かはおいといて。


・・

・・・・


天使絡みだもんな。

同級生の紀一はもとより、先生にだって手に負えない相談かもしれない。

それでも、誰にも相談しないままってわけにもいかない。

お昼休み、僕はジェミニ先生に相談することにした。


ジェミニ先生「悩むこと、苦しむことは悪いことじゃないわ。」

ジェミニ先生「立ち向かうのが正しいのか、逃げるのが正しいのか、もしくは他の選択が正しいのか。」

ジェミニ先生「答えを出すのはあなた自身。私は相談に乗るだけ・・それだけは忘れないで。」

緑平「はい。」

僕の進む道。

決断するのは僕自身。

んーでも、ジェミニ先生なら正しい答えを知ってそうな気がする。


ジェミニ先生「はい相談終わり。」

緑平「まだ悩みすら話していません!」

ジェミニ先生「正しい答えなんて誰もわからないのだから、必要なのは決断することだけ。」

ジェミニ先生「私はあなたの決断を支持するわ。やりたいことをやりなさい。」

緑平「まだ決断すらしていないんですけど。」

ジェミニ先生「決断はもうしているわ。あなたはためらっているだけ。」

ジェミニ先生「友人が目標を持てば協力する。立場に沿った行動をする。出過ぎた真似をしない。」

ジェミニ先生「あなたはなんでもできる人。正当な理由が欲しいのね。あなたは理屈に沿うことで動ける人だから。」

ジェミニ先生には、なんでも見透かされているような気がする。

というか僕、悩み言ってないんだけど!


ジェミニ先生「理由が欲しい?」

緑平「はい!」

ジェミニ先生「なら私が命令してあげる。やりなさい、私のために。」

簡潔で分かりやすい命令。

でも・・


緑平「僕のためじゃないですね。」

ジェミニ先生「私が命じるんですもの。私のためよ。嫌?」

緑平「いえ。あ、ならジェミニ先生も手伝ってくれたりしますか?」

虫のいい話かな?


ジェミニ先生「あら、もう手伝ったでしょ?」

え?

そういえば、チュートリアルはジェミニ先生だったような・・いやあれは別人だって・・

あ、そっか。”相談に乗る=手伝う”ってことかな。


ジェミニ先生「ふふ冗談よ。いつでも相談に乗ってあげるわ。」

緑平「天使が敵になるかもしれませんよ。なーんて。」

ジェミニ先生「平気よ。私も天使だから。」

緑平「え?」

ジェミニ先生「しー。私たちだけの秘密ね。」

ジェミニ先生がウィンクした。

・・あ、ジェミニ先生なりの冗談か。

あーびっくりした。


ジェミニ先生「どうするかは決まった?」

緑平「ジェミニ先生の命令ですから。やれるとこまでやってみます。」

緑平「相談に乗ってくださってありがとうございました!」

ジェミニ先生「それでいいの。やらない理由なんていくらでも見つかるわ。ならひとつでもやる理由があればやってみればいい。」

ジェミニ先生に相談してよかった。

ふふふ、新枦先生には悪いけど、ジェミニ先生と仲良くなった気がした!


ジェミニ先生「ふたつアドバイスしてあげるわ。」

やったー。


ジェミニ先生「あなたのしていることって、ひとりでやらないといけないの?」

緑平「・・もしかして、仲間集めたりしていいとか!?」

ジェミニ先生「禁止されてなければいいんじゃない?」

緑平「禁止されてない。そっか。僕だけでやらなくてもいいんだ!!!」

アプリは僕だけしかなくても、協力してもらうことはできる。


ジェミニ先生「ふたつ目のアドバイスだけど、あなたが協力を頼む人が本当に仲間だとは限らないわ。」

緑平「え?」

ジェミニ先生「もしかしたら、敵側の人間だったりして・・ね。」

・・仲間と聞いて、僕はまず紀一を考えた。

そういやあいつ、A GIRL大好きだったっけ。

A GIRLに選ばれた、世界を救う12人と敵対すると知ったら・・

僕のやることに賛同してくれるとは限らなさそうだなぁ・・むしろ敵側になったりして。


・・

・・・・


教室に戻った僕を、紀一が興奮しながら迎えた。


紀一「緑平!昨日やられたSECONDが声明を発表したぞ!」

緑平「そうなんだ。」

紀一「そうなんだって・・生きてるか不安じゃなかったのかよ!!」

巴「ゲームの中の死が、現実の死につながる可能性もあるからのう。」

・・あー、倒しても現実で死ぬわけじゃないって聞いていたから・・とは言えない。


緑平「いやぁ、そういうのってお話の中だけだと思ってた。」

紀一「実際その通りだったんだけどな。つーか、天使様がやるんだから当然だよな。人間殺したいわけじゃないだろうし。」

どうなんだろう。

僕がやられたら死ぬって話だし。


紀一「それと、アメリカ政府が声明を発表した。」

緑平「アメリカ?」

紀一「ステルス隕石の確認方法を確立したってな!」

マジ?さすがアメリカさん。


巴「日本など同盟国と共同で今夜確認するそうじゃ。」

紀一「生配信するってさ。アメリカが本気出したな!」

巴「世界のリーダーであることの主張じゃろう。もしくは、費用の負担を同盟国に押し付けるつもりとか?」

三太「ふざけんなよ!」

紬「まだそうと決まったわけじゃないでしょ。」

三太「いーや絶対そうだ!あいつら日本舐めてる。」

紬「でもでも、多少お金払っても参加した方がいいよ。うまくいけばA GIRLとお近づきになれたり♪」

あれとお近づきか。

ビンタくらいはしてもらえるかもね。

キーンコーンカーンコーン。


新枦先生「お、戻ってたか。ジェミニ先生どうだった?」

どうって言われても・・チャイムなりましたよ?


緑平「綺麗でした。」

新枦先生「だよな!って、変なこと相談して迷惑かけたりしてないだろうな?」

緑平「普通の相談ですよ。」

新枦先生「普通程度の相談でジェミニ先生に迷惑かけるなああああああああああああああああああ」

どうしろっちゅうんや。


紀一「実際どう思っているんですかね。ジェミニ先生さ、新枦先生の気持ちわかってるよな?」

新枦先生「そ、そうなのか!?うわあ、オレのひた隠しにしていた気持ちが!」

もろわかりやん。


巴「わかってなにもしないということはじゃ、公私のけじめをつけておるか、拒否しているかだのう。」

新枦先生「公私のけじめだな間違いなく。」

緑平「・・どちらのにしても拒否前提のような・・?」

新枦先生「ちょっと先生ハロワ行ってくるわ。」

緑平「授業してください!」

新枦先生「みんな!先生の愛を応援してくれ!」

紬「授業より楽しそうだしいいよ♪」

天音「先生とジェミニ先生じゃ合わないと思うんやけど。」

三太「とっととふられろ。」

新枦先生「天音と三太は留年リスト入れとくわ。」

三太「ちょっ!」

天音「ならどうして告白しないん?うまくいかないって先生だってわかってるからや!」

新枦先生「こ、告白する前だから結果はまだわからない!だからセーフ!」

シュレディンガーの猫かな?

限りなくアウトです。


新枦先生「えーこれから学級会を始めます。議題は”どうすればオレがジェミニ先生と付き合えるか?”です。」

宇宙一どうでもいい授業が始まった。


紀一「そんなことより授業してください!」

新枦先生「お前らは未来があるだろ!先生はもうやばいんだよ!!!」

先生の切実な悩みに、僕らはなにも反論できなかった。

というか重すぎるよ。


巴「例えばスキー場では相手が魅力的に見えたりするじゃろう。そういう場の方が告白の成功率はあがると思うぞ。」

新枦先生「明日はスキー授業になりました。」

紬「ジェミニ先生は行かないと思う。英語教師だし。」

三太「つかいきなりスキー授業なんてできるかよ!」

新枦先生「もっと現実的な案を!かわいい生徒たちよ頼む!」

天音「好感度を上げるとかは?ジェミニ先生が困っているのを助けたり。」

三太「ジェミニ先生が困ってるの見たことあるひとー!」

しーん。


新枦先生「よし、お前らジェミニ先生を困らせてこい!」

三太「やだよ。」

新枦先生「他の案は!?」

紀一「ジェミニ先生ってさ、緑平と似ている気がするんだよな。」

え?

僕と似てる?


新枦先生「かつてない侮辱だぞそれは。」

紀一「まぁ聞いてください。ふたりともおせっかいなくらい真面目で親切だと思うんです。」

紬「それわかる!緑平くんってさ、自己主張殆どしないで紀一くんのやることに付き合ってるよね!」

そう?


紀一「ジェミニ先生もその傾向があると思うんです。」

新枦先生「で?それとオレが付き合えるのとどういう関係があるんだ?胸糞悪い話にしか聞こえん。」

紀一「告白の秘訣は”相手の断れない状況を作ること”ですよ。」

紀一「ニート先生が困る側になるんです。で、ジェミニ先生は放っておけず助けるようになります。」

紀一「助けてもらってる最後に、あなたと付き合えなければ死にますって言うんですよ。」

巴「紀一!」

紀一「まぁまぁ。」

新枦先生「実はジェミニ先生の隠し撮りがやめられなくて困っててな。」

天音「犯罪者やぁぁぁぁぁ!」

新枦先生を助けるのは警察と医者だと思う。

ジェミニ先生がOK出す未来を想像できない。


・・

・・・・


放課後になった。

どっと疲れた・・けど、僕はこれからが本番だよなぁ。

紀一に・・言わない方がいいのかな。

あと仲間になってくれそうなのは、巴とかかな?

頭いいし真剣に協力してくれそう。

でも紀一とは幼馴染だし結局バレるだろうな。

部活行ったのかもういないし・・前途は多難。

やっぱ紀一か・・


紀一「どうしたオレをちらちら見て。愛の告白ならOKだ!」

緑平「愛の告白ならよかったのになぁ。はぁ。」

紀一「ジェミニ先生に相談してもダメだったのか?」

・・よく考えたら、ジェミニ先生のアドバイスで悩んでいる気がする。

あれぇ?


紀一「オレじゃ頼りにならないかもしれないが、話して楽にならなら聞くぞ。」

緑平「・・わかった。ここじゃなんだしお前んち行っていいか?」

紀一「ああ。」

僕たちは、紀一の家へ行った。


・・

・・・・


紀一「お前が悩み事なんて珍しいよな。」

緑平「まぁな。欲を持たず真面目に生きていれば、悩みなんてないと思ってたよ。」

緑平「でもまぁ、もらい事故的な悩みはどうしようもなかった。」

紀一「・・オレじゃあさ、頼りないか?」

緑平「・・ああいや、そうじゃないんだ。えっと実は・・これを見てくれ。」

僕は携帯をスリープから復旧させ紀一に見せた。


紀一「・・天使のアイコンに、アプリ名が”13”・・これってもしかして・・」

緑平「ああ。A GIRLの用意したヴァーチャル空間に行けるアプリ。」

緑平「そして、SECONDを地雷でリタイアさせたのが僕だ。」

紀一「ちょ、ちょっと待ってくれ。頭が混乱しそうだ。」

紀一「えっと・・なにがあった?」

僕は説明した。

昨日帰ったらアプリが勝手に登録されていたこと。

僕の役割も人類を救うためだということ。

人類を救うためには、12人を倒さなければならないこと。


紀一「お前もA GIRLに選ばれて世界を救おうとしているってことだよな?」

緑平「たぶん。」

紀一「・・なるほど、お前の悩みがなんとなくわかった。」

紀一「世界を救うために、世界を救う12人を倒さなけらばならない矛盾。」

紀一「12人には世界中の人々が応援してくれるが、お前はたったひとりという孤独。」

紀一「そしてなぜ緑平が選ばれたのかという疑問。」

やっぱ紀一は親友と言っていいくらい僕のことをわかってくれる。

だからこそ、怖いんだ。

一番敵になって欲しくない人だ。いや・・友情に亀裂の入ることはしたくない。


紀一「やろうぜ!A GIRLはきっと意味のあることをさせようとしてるんだ。」

紀一「答えは進んだ先にある!オレも協力するぜ!!」

緑平「紀一・・ありがとな。」

紀一「よっしゃちょっと待ってろ。」

紀一は急いで部屋から出て・・パソコンを持って戻ってきた。


紀一「携帯じゃ同時に1人分の様子しかわからなかったが、パソなら12人マルチで見れるんだ。」

紀一「緑平の利点は隠密性だ。向こうの様子は筒抜けなのに対し、緑平はこっそり動ける。」

なるほど。

向こうの動きを見ながら対策を練る、ということか。

しばらく紀一と一緒に11人の様子を見ることにした。


・・・・


紀一「裏口から出て煙草を吸ってる人がふたりいるな。」

緑平「FIFTHとELEVENTHか・・って、ヴァーチャル空間で煙草!?意味なくない?」

紀一「もしかしたら現実でも一緒に吸ってるのかも。」

緑平「なんのために?」

紀一「仮想世界と現実世界をよりリンクするため。ま、気分的なもんだ。」

同じことをすることで、現実と同じようにヴァーチャルでも動けるというでもいうのだろうか。

天才さんの考えることはわからん。僕は凡人だし。


緑平「爆弾とか使えばいいのかな?」

紀一「あるのか?」

緑平「いや簡単に作れる装置があるんだよ。」

僕は携帯からログインして装置のところへ行った。


緑平「これに材料入れて、なに作るか名前入れて、スタートボタンで完成。」

紀一「へーこれいいな。現実にもあればいいのに。料理に使いたい。」

・・魚と酢飯いれたらお寿司になったりして。

いいねぇ僕もやってみたい。


紀一「毒ガスとかもいけそうだな。」

緑平「どっちがいい?爆弾と毒ガス。」

紀一「爆弾でいいんじゃないか?毒ガスは風向きの分、難易度あがるし。」

ひとりじゃないって楽しい♪

話していることはかなり物騒だけど。


緑平「爆弾か・・じゃあ火薬とプラスチックを入れて、名前はプラスチック爆弾・・スタート!」

紀一「材料が足りないというかプラスチック爆弾にプラスチックは使われてないが。」

緑平「え?そうなの?」

紀一「プラスチックは変形できるという意味があって、この場合はそっち。」

じゃあ出来上がるのは・・というか紀一詳しいな。

爆弾作ったこと・・・・さすがにないよね?

チーン。四角いケースに入った爆弾が出てきた。


紀一「・・一応できるんだな。」

緑平「・・もしかしてこれ、材料意味ないんじゃ・・」

まさかね。


・・

・・・・


僕は喫煙所の近くへ行き待機する。


紀一「スイッチを入れて1分で爆発するみたいだから、煙草休憩を見計らって仕掛けるぞ。」

緑平「おう!・・起爆装置もタイマーもなんであるんだろう。」

紀一「A GIRLは親切なんだろう。さすが天使様だ!」

天使ならなんでもありかな?

信者の思考怖い。まぁ助かるけど。


紀一「あ!緑平今だ!」

紀一の声で急ぎ爆弾を仕掛ける。

そしてその場から離れた。


紀一「・・28、27、26・・」

紀一がカウントダウンをする。

パソコンの画面を見ると、煙草を吸っている。


紀一「・・11、10、9・・」

このままいけば直撃するはずだ。


紀一「・・3、2、1・・」

ドォォォォォォォォォォォォォォォン

いった。

パソコンの画面を見ると、FIFTHとELEVENTHの画面が光に満たされていた。

そして・・それぞれの画面に終わりの文字が表示された。


”FIFTH GAMEOVER”

”ELEVENTH GAMEOVER”


紀一「これで・・いいんだろ?」

緑平「うん・・たぶん。」

僕の携帯にも表示が出る。


”残り9人・・それで人類は救われる”


紀一「救い、か・・どう救われるんだろうな。」

僕の携帯を見ながら紀一がつぶやいた。


緑平「救いなんて無かったりして。」

僕はA GIRLに嫌われているみたいだし。


「また?どうなってるんだ!?」

「いやあああFIFTHさあああああああああああん!!!」

「これ全員脱落するんじゃないか?」

「試練です。人間が乗り越える試練なのです。」

「なんてこった。ぱんなこった。」

「なんでこんなことに・・神よ!」

「呼んだ?」

「あーあ、これどうすんだよ。」

「A GIRL説明しろ!」


おーおー、コメント欄も荒れてるな。


紀一「緑平!」

紀一がパソコンの画面を指差す。

どれどれ?FIRSTの画面?

な!?そこには僕が爆弾を仕掛けている映像が映っていた。


FIRST「ビル周辺に隠しカメラを用意していた。」

FIRST「これではっきりした。襲撃者がいる。13番目の招かれざる者が。」

嘘だろ?もうバレた?


「ユダ?」

「FIRSTナイス!」

「人類の裏切り者だ!警察!」

「いませんよ?」

「私がポリス(名前)です。」

「痴漢がいるんですが。」

「ふざけたこと言ってるやつは天罰な。」

「なんであんなのがいるんだ!A GIRL!どうなってんだ!」

「今頃神様にお伺いたててんじゃねーの?よく知らんけど。」


紀一「まずいな。同じ手は封じられるんじゃないか?」

緑平「どうするか・・」

紀一「もう12人のいるビルには近づかない方がいい。遠距離戦だ。」

・・・・銃か?


FIRST「不安になっている人もいると思う。そんなみんなに朗報がある。」

FIRST「ステルス隕石を迎撃する目途がたった。明日の夜、ステルス隕石は破壊される。」

早い!

昨日発足、今日目途立てて、明日解決か。


FIRST「なぜ今日やらないか疑問に思っている者もいると思う。」

FIRST「しかしまだ現実世界でステルス隕石を観測できていない。」

FIRST「これはチャンスだ。今までできなかったことができるようになる!」

FIRST「科学の発展のため、今日の残りの時間は現実で活動しようと思う。」

FIRST「みんなが応援してくれたおかげだ。ありがとう!」

そうか。

現実でステルス隕石の観測を試したいのか。

そこまで考えて・・こんなの相手にしないといけないの?


「FIRST様ステキ!結婚して!」

「スゲエエエエ仕事早すぎ!」

「こちらこそありがとう!キミたちを誇りに思う!」

「いえーいママ見てる?」

「記念カキコ。」

「天使様の選択は間違っていなかった!不敬なこと言ってたやつらは反省しろ!」

「悪の襲撃者に負けずがんばってください!応援しています!」

「失敗したらやばいだろ!今日やれよ!」

「神よ、天使よ、そして選ばれた者たちよ、感謝します。」


紀一「今日はもうログインしないっぽいな。」

緑平「うん。どっちにしても連ちゃんは避けるよ。」

今日は僕も休む。

次はもっと難しいだろうな。

あーせめてバレる前に半分は倒しておきたかった!


・・

・・・・


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