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4つの扉  作者: 小沢琉祢
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飯塚渡・桜5

「猫がいる動物園とかあったらいいのにね」

そんなことを唐突に言う彼女のそばには猫がいる。

今日は猫カフェに来ていた。

「そうしたら猫カフェが無くなっちゃうんじゃないかな?」

本当にそう思っていったのに笑われてしまった。

「なんでそうなるの~猫カフェにはできないことが動物園ではできるの!」

「ふーん、例えば?」

「例えばあ?うーん、動物園だったらいろんな種類の猫を種類の名前も込みで覚えられることとか?自由に触れ合えたりしたらいいなあ」

なるほど。確かにとちょっと思った。

「でも猫の種類なら猫カフェでもわかるよ」

「いちいちこの子はこの種類の子だなあとか考えなくない?」

「あー確かに…」

「動物園だったら、あーこういう種類なんだってなる気がするんだよねえ…あと猫カフェって結構触っちゃダメみたいだし」

注意事項に自然な状態の猫をお楽しみください(無理やり動かしたり、触ったりしないでください)と書いてあるのを見て、触っちゃダメなんだ…とぶつぶつ言ってた彼女の姿を思い出す。

今はそばにいる猫を撫でている。

それがやっていいことなのか、悪いことなのか判定はいまいち分からないが、注意されないという事はいいのだろうか。

僕のそばには1匹も寄ってこないのに、彼女の回りにはたまにちらほら寄ってくる。

僕は猫に嫌われているのだろうか…いったい僕が何をしたって言うんだ。

そろそろ時間だね。

彼女が言う。

そうだね、帰ろうかと返す。

コップを返却して店を出る。

料金は最初に入るときに払ったから、ありがとうございましたと言い残しておいた。

店員さんはぺこりとおじぎをして、ありがとうございましたーと言い、流れ作業のようでなんとなくお疲れ様と思った。

「あー楽しかった!!付き合ってくれてありがとねっ渡んとこ全く猫寄ってなかったけど楽しかった?」

彼女が不安げに聞いてくる。

「楽しかったよ。猫見るの大好きだからさ」

本心だった。

彼女は納得したらしく、満足げにそれは良かった!!と言った。

それから猫のかわいい所を次々と述べる彼女に付き合いながら僕の部屋に向かった。

途中で、スーパーによって夕飯の材料を買った。

彼女は料理が得意で、いつも美味しい料理を作ってくれた。

もう彼女の料理が食べれることはないのかもしれないけど、彼女の料理の味は忘れない。

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