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4つの扉  作者: 小沢琉祢
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上山清4

『はい、本日もやってまいりました!罪人処刑の時間でございます!!』

明るいナレーションの声が周りに響き渡る。

「…は?」

気づくとほの暗いどこかにいた。

ドウコク様に殺されたのではないか?処刑?

『さあさあ!!何もわかっていない罪人の為に説明いたしますと、今から死んでいただきます!現実でのあなたは眠っていますので、死ぬことはありません!矛盾していますが、要約すると精神的に死んでいただくという事ですね!』

ハイテンションだったのが急に声のトーンが落とされる。

『辛いから、苦しいから、痛いからやめると言ったことはないです。今までのことを悔いながら絶望のどん底へ突き落されてください。』

ぞっとした。

『それでは行ってみましょー!』

掛け声とともに得体の知れない人の形をしたものが現れる。

『さあ、まずはソレを倒してください!沢山のモノを壊してきたあなたなら簡単簡単!!』

絶対罠だろ。

絶対殴ってはいけない。

そう思っているのに体はそいつには知って向かって行っている。

どうして?体が言うことを聞かない。

声も出ない。

殴る。

ぐにゃりと俺の拳を吸収したかと思うと、がっちり固定された。

取り込まれた拳がじわじわと喰われていく感覚とともに、その怪物がぐわっと口を開けて俺の肩を食べ始めた。

ゆっくりゆっくりと。

凄く痛かった。でも声が出ない。叫びだしたかった。神経がじりじりと切れていく感覚がたまらなく痛かった。

こんな痛みは感じたことがなかった。意識を失いたかったがはっきりしている。ぐちゃぐちゃと肉が潰れていく音がする。

どうしてこんなに痛いんだろう?

あ、喰われてるんだから当然か。

しばらく何もできず、喰われ続けているとナレーションの声が響いた。

『さーお次は皆様で粉々に砕きましょう!!』

その声とともに目の前で自分を咀嚼していた影が消える。

足は平気なはずなのになぜか仰向けに倒れてしまう。

すると多くのハンマーが現れ、次々に俺を殴る。

フルスイングだ。躊躇のない機械的な動きで俺を破壊していく。

最初は足だった。次は腕、胸と徐々に上がってくる。

きっと酷い有様なのだろう。見たくもない。

『見なきゃだめですよ。ちゃんと現実を受け入れてください』

その言葉とともに脳内で自分のぐちゃぐちゃになった姿が張り付く。

どうすればそんなことできるんだ。その問いに答えてくれる人はいない。

痛い。痛みで脳が満たされる。ぐちゃぐちゃの自分と痛みで気が狂いそうだ。

いつになったら終わる。

精神的に死んでもらうとか言ってたな。

ちゃんと思考している今あの自分は精神的には死んでないのだろうか?

だったら思考することをやめれば…

『無駄ですよ。思考することをやめたって、あなたを精神的に死んだとは認めません』

なんで?どうすれば終わるんだ?

『永遠に続きますよー!あなたが絶望してもなお続きます!痛いですかあ!?あなたが今までやってきたことですよー!そうやって今までないがしろにしてきた人間が何人いると思っているんです?恨みは尽きません!!』

どうしたら…

どうしたら、許してもらえるんだ?

痛い。痛い。

辛い。苦しい。ごめんなさい。

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい生まれてきてごめんなさい痛い痛い痛いごめんなさい痛い暴力振るってごめんなさいごめんなさい痛いごめんなさい…

『あらあら。もう限界ですか?脆いですねえ。でも終わりませんよ。あとどのくらい続くんでしょうねえ?謝っても帰ってこないのは帰ってこないんですよ。自分の罪を自覚するのが遅かったですねえ…さあ次はどうしましょうか?』

やめてください、もう十分痛いです。もう嫌です。

『お前みたいなやつが一番むかつくんだよ。これで終わらせてなるものか。一生分の苦しみを味わえ』


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