上山清3
来た。
あの後、いつも通りに過ごして、寝ようと思って電気を消すといつも通り、ちょっとずつ距離を縮めてきているドウコク様がいた。
電気を消して、寝ようと思うと出てくるようだった。
電気を消しているのに、目が暗闇になれると、ドウコク様のいるところだけ黒が浮き出て見える。
人のような形をしている。でも何かがおかしい。近づいてきているのに静止画みたいに動かない。
今の距離はベッドからちょっと離れてるくらいだ。机一つ分入りそうな距離感。
俺はドウコク様の前に立つ。
すると消えてしまいそうだったので慌てて言葉を発した。
「待ってください!!」
するとその言葉に反応してくれたようで、黒色が戻ってきたように思えた。
目の前にブラックホールのような黒色がいる。
もうおかしい状況だと思うけど、話をつけなきゃいけなかった。
「すいませんでした」
『何に謝っているのだ?』
話ができるという事に驚いたが、話を続ける。
「今までの行いです。沢山の人を傷つけました」
『それがわかっていてなぜまた暴力をふるう?』
「それは…」
『貴様の罪は存在そのものだ』
「でも誰だって暴力は振るうのではないでしょうか」
『そのような言い訳は通じない』
「教えてください。なぜ僕の元に姿を現したのですか?」
『貴様を恨む者に頼まれたからだ』
「頼まれた?」
『ああ、かわいそうな奴でな。救ってやりたいと思った』
「その方は今僕の通っている学校の生徒ですか?」
『貴様の性で死んだよ。私が気に入る者は皆死ぬ』
「僕の性?」
『それがわからぬようでは、貴様には地獄を見てもらうしかない』
ドウコク様が俺の頭に手をかざそうとする。
反射的にそれを手で払おうとしたけど、俺の手はするりと通り抜けてしまった。
『地獄へ落ちろ』
「え?」
その瞬間暗闇が大きくなって俺を覆った。
闇に覆われた俺は何もすることができず、落ちていく感覚を感じるだけだった。




