家の前の道をうろうろします
それから月日は経ち、会話と行動も難なくできる年齢。つまり3歳です。3歳になりました。
だけど少しだけ動きがぎこちないような気がする。
前世の「記憶」そのままあるみたいだし、体感もそのままなんだろう。
死んだときのそのままで。
自分が住んでいる、コレット家。5人家族、両親と自分を含む3人兄弟。一般家庭で農家だ。だが最近採れるものがあまり多くないようで、母が眉間にしわを集めながら、ああでもないこうでもないと帳簿とにらめっこしている姿を割と見かけるが……
知っているのはしばらくの間、秘密です。
当の本人は気づいているのか気づいていないのかはわからないけれどそんな姿を意地で隠しているようです。
今日も家の外へ出かける。何をするわけでもなく、思いつくままにぶらりと家の外を歩く。
だがまだ3歳だ。兄と姉の同伴でないと外に出ることもままならない。
それに兄、姉とは言え二人ともまだ15歳にも満たない……らしいので家の周りでうろうろする程度になる。
本当は一人で動けるのだけれどね。
今日の空は雲がちらほら見えるけれど青く澄み渡っていて、前の日の夜に雨が降っていたからとても涼しい。
家の前に雨でできた水溜まりを不意に覗く。
前世では雨がほとんど降らず、その上水面の向こうは黒と茶色と灰色ばかりで空の色なんてほとんど見えないことがほとんどだった。
空を見上げれば青色はちらちら見えたけれど。
水面に映った自分の顔はジト目のような横半分の目だけ変わらないままだった。
他はまるで別人のようだった。自分なのに、顔を洗う時に鏡や貯めた水面や食事のスープに映った顔とか湯舟に入ってるときとか自分の顔を何度も見たのに、今更のように気づかされる。
もういないんだなと。
それから、3人でひたすら歩き続けた。無心でひたすら歩き続ける。時計とか時間を見るものがないので何分経ったとか全く分からないが適当なところで休憩をする。
太陽はまっすぐ僕らの真上にあった。
「そういえば、ここ何処だろう?」
兄、トルクから訪ねられ回りを見回したところで率直な感想を話す。
周りは家を出た時の風景と同じ木が立ち並び一本道。
「うーん、わかんない。戻る?」
「そうだね、戻ろう」
僕らはまた来た道を戻ることに。特に何もしていない。ただ家の近くを歩いて戻ってきただけ。
姉は全然話さないまま微笑んだままで兄弟3人横に並んで歩き続ける。
家へ戻ると母は椅子に座り頭を抱えていた。
「どうしたの?」
その母の姿に心配そうに話しかける姉のコール。
「なんでもないわよ? それよりお腹すいたでしょ、御飯にしましょうか」
母は何でもない素振りをしてまくし立てて話を濁した。
何かある感じだ。
それほど焦っているようには見えない。
でも多分そこまで緊迫していないけれどいずれ来るといった感じ。
続きが変になるので削りました。